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政治哲学の検索結果1 - 40 件 / 62件

  • ジョセフ・ヒース「反自由主義的リベラリズム」(2024年7月30日)

    YIPたちはこの緊張関係を処理するために、伝統的なリベラルの教義に潜む曖昧さや抜け穴を利用して、自らの奉じる価値と戦術との間にある矛盾を中和している。結果、私が「反自由主義的リベラリズム(illiberal liberalism)」と呼ぶ政治スタンスが生まれる。 近年の政治環境で最も奇妙な点の1つは、はっきりとリベラルの伝統に基づいた価値観を奉じながら、そうした価値観を促進するために、明らかに反自由主義的と言いたくなるような戦略をとる人が非常に多いことだ。ソーシャル・メディアからファシストを追放したがっている「反自由主義的な進歩派の若者(YIP:young, illiberal progressives)」が、現代の共和党員のほとんどを「文字通りの意味でのファシスト」と見なしているという話は今やおなじみである。 こうした若い活動家が、自身の表明している価値観と自身のとる政治手法との間にある

      ジョセフ・ヒース「反自由主義的リベラリズム」(2024年7月30日)
    • (再掲)「哲学を学ぶなら岩波文庫を全部読め」を信じてはいけない理由

      (2018年に「知の見取り図」というwebサイトからインタビューを受けて公開された(少し反響もあった)ものなのだけど、どうも本家のサーバーがずっと落ちているようなのでこちらに転載することにしました。インタビューの文脈としては「哲学科の学生は岩波文庫を全部読め」といった趣旨のことを言っている先生がいたので私は全く反対ですという意見をtwitterに書いたら多少バズってしまってそれで依頼が来たのだと思う。インタビュアーの方も政治哲学の知見をかなり持っている方で楽しくお話しできました。) 以下、本文 小難しい本を何冊も読むことが哲学を始める最初の一歩として相応しいわけではない。どんな順番でどんな本を読んだら良いのか、それらを推薦する理由は何か。慶應大学で倫理学を教える長門さんからお話を伺った。 目次 [hide] 1 自己紹介とこれまでの経緯 2 哲学や倫理学にまつわる偏見 3 長門さんの研究内

      • トマ・ピケティ&マイケル・サンデル『平等について、いま話したいこと』2025年1月17日緊急刊行!|Hayakawa Books & Magazines(β)

        早川書房はトマ・ピケティ&マイケル・サンデル『平等について、いま話したいこと』(原題 Equality: What It Means and Why It Matters)を2025年1月17日に緊急刊行します! 当代一の経済学者と政治哲学者が「平等」をめぐって徹底的に議論した一冊、絶賛予約受付中です(四六判上製、本体価格2,000円)。 原書書影内容紹介●知の巨人同士の対談がついに実現 トマ・ピケティがマイケル・サンデルをパリ大学に招待したことで実現した対談。『21世紀の資本』で富の集中とそのメカニズムを明らかにし、再分配の必要性を訴えたピケティ。『これからの「正義」の話をしよう』ではコミュニタリアニズムの観点から、「正義」とはなにかを分析したサンデル。資本主義の果て、大きな格差に覆われる21世紀で、二人は政治や経済がどのように「平等」へと向かうべきかを問いかける。 ●「不平等」に対して

          トマ・ピケティ&マイケル・サンデル『平等について、いま話したいこと』2025年1月17日緊急刊行!|Hayakawa Books & Magazines(β)
        • 非哲学科向けの哲学の本 - Sokratesさんの備忘録ないし雑記帳

          非哲学科の人間が哲学の諸分野の概観をつかむために最初に手に取ると良いであろう本を紹介する*1.このブログ記事を書いている人間は非哲学科であるが,哲学科の人間にも目を通してもらい,悪書が紛れ込んでいないことなどは確認してもらっている. 基本的に自分が手に取った事のない本を薦めるのは主義に反するのだが,同種のまとめがあまりなさそうなので,他の人からの推薦された本も書名だけ書く*2. 論理学 形而上学 認識論 倫理学 科学哲学 心の哲学 言語哲学 哲学史(選書中) 選書基準のようなもの コメント返し はてなブログランキング掲載 論理学 推論や根拠ある論証について扱う学問領域を論理学と言う. 哲学を勉強する上で,特に勉強したい分野にこだわりがなければ,哲学の諸分野の本を読む基礎としての「論理」について書いてある本から手を付けるのが良かろうと思われる. 現代で「論理学」と言うと,論理を分析するための

            非哲学科向けの哲学の本 - Sokratesさんの備忘録ないし雑記帳
          • ジョセフ・ヒース「アメリカの憲政の危機:なぜアメリカは袋小路にはまっているのか」(2025年2月16日)

            ピエール・トルドー〔カナダの第20・22代首相〕の有名な「アメリカの隣国であることは、象の横で眠るようなものだ」という演説があまり話題に上っていないことに、私は少しばかり驚いている [1] … Continue reading 。 Pierre Trudeau’s Washington Press Club speech – Youtube アメリカで現在生じている事態はまさに「象が動いたり唸り声を上げたりしている(twitch and grunt)」 [2]訳注:上の訳注を参照。 と言うにふさわしい。完全なる憲政の危機(constitutional crisis)だ。イーロン・マスクのおかしな言動の数々を無視したとしても、そうなのだ。トランプの大統領令は、第二次世界大戦以来、アメリカ連邦政府における権力行使のあり方に関して共有されていた基本的な認識を揺るがしている。 残念ながら、「憲政の

              ジョセフ・ヒース「アメリカの憲政の危機:なぜアメリカは袋小路にはまっているのか」(2025年2月16日)
            • トランプ時代の「尊厳」の話をしよう サンデル教授がみる病根と希望:朝日新聞

              トランプ米政権がとうとう再始動した。米政治哲学者マイケル・サンデルさんは、富の偏在にとどまらない尊敬や名誉、承認をめぐる不平等が、異形の政権を再来させたとみる。長く見過ごされてきた「暗黙の侮辱」とは…

                トランプ時代の「尊厳」の話をしよう サンデル教授がみる病根と希望:朝日新聞
              • ジョセフ・ヒース「学問としてのマルクス主義はなぜ凋落したのか」(2024年9月15日)

                先日投稿した「ジョン・ロールズと西洋マルクス主義の死」(原文はここ、邦訳はここで読める)という記事が、このブログ(In Due Course – substak)に投稿してきたこれまでのどのエントリより数倍も多くの読者に読まれた。私はこの事実を突き付けられ、最近の人が何を読みたがっているのかについて、自分が根本的に何も分かっていないことを認めざるを得なくなった。これほどたくさん読まれると分かっていたら、このエントリはもうちょっと違った形で、カジュアルさを落として書いていただろう。 具体的に言うと、先のエントリは、私の人生の一時期に政治哲学の分野で起こった1つの論争を説明しようとしただけだった。西洋マルクス主義の運命について全般的な説明を行おうとしていたわけではなかったのだ。そこで私が述べたのはある意味で、(少なくとも哲学者の間における)マルクス主義理論へのとどめの一撃である。だが、マルクス

                • 吉村知事が言った「0歳児投票」って、一応、以前から学問的な議論の俎上には上がってますからね!? - INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

                  大阪知事「0歳児に選挙権を」 人口減対策、政策転換が必要 2024/04/25 大阪府の吉村洋文知事は25日の記者会見で、人口減少を食い止める政策実現のため、0歳児から選挙権を認めるべきだとの考えを示した。「子どもが政治的影響を持つ仕組みになれば、政治家もその方向を向く」と述べ、転換を促す必要性を指摘。市町村の4割超に「消滅可能性」があるとする民間組織の報告書公表に関する質問に答えた。 共同代表を務める日本維新の会は、教育無償化をはじめ将来世代を重視した政策を掲げる。岸田政権との違いをアピールする狙いもありそうだ。 吉村氏は「人口減は日本全体の問題で、このままではじり貧だ」とし、0歳児選挙権は、成人するまでは保護者が投票を代理する想定だと説明した。 ブクマ [B! 吉村洋文] 大阪知事「0歳児に選挙権を」 人口減対策、政策転換が必要 | 共同通信 こっちもな。 news.yahoo.co.

                    吉村知事が言った「0歳児投票」って、一応、以前から学問的な議論の俎上には上がってますからね!? - INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-
                  • 弱者男性論は誰のため?──氷河期世代から頂き女子りりちゃんまで|速水健朗+藤田直哉+山内萌

                    2024年10月9日にゲンロンカフェで行われた、藤田直哉さん、速水健朗さん、山内萌さんの3人による「弱者男性」をめぐる座談会を掲載します。いわゆる弱者男性論はどのような歴史的文脈のなかで形成されてきたのか、そこにはどのような論点や考え方があるのか、女性はどのように語られるのか……、三者三様の視点から迫ります。(編集部) 藤田直哉×速水健朗×山内萌 「弱者男性」と文化戦争──ジョーカー、頂き女子、とべとべ手巻き寿司 URL=https://shirasu.io/t/genron/c/genron/p/20241009 またゲンロンカフェでは、関連イベントを開催いたします。ぜひあわせてご覧ください! 藤田直哉×雨宮純×山内萌 「祭り」の終わりと就職氷河期世代──弱者男性は陰謀論を抜け出せるか? URL=https://shirasu.io/t/genron/c/genron/p/2025021

                    • ジョセフ・ヒース「ジョン・ロールズと西洋マルクス主義の死」(2024年8月25日)|経済学101

                      その昔,まだ私が学部生だった冷戦末期に,政治哲学で最高に熱い事態が起きていた.それは,英語圏でのマルクス主義の力強い再興だ.その仕事の大半は,「分析マルクス主義」という旗の下で進められていた(別名「たわごと無用のマルクス主義」ともいう).その発端となったのは,ジェラルド・コーエン『カール・マルクスの歴史理論:その擁護』の出版だ(あと,同書出版後にコーエンがオックスフォード社会政治哲学のチェリ講座教授に就任したこと).一方,ドイツでは,ユルゲン・ハーバマースの素晴らしく小さくまとまった『後期資本主義における正統化の問題』が出て〔1975年〕,マルクスによる資本制のさまざまな危機の分析を現代のシステム理論の言語に翻案して新たな息吹を吹き込む期待が高まった.若い急進主義者にとっては,実に熱い時代だった.誇張抜きに,こう言ってもいい――当時,政治哲学に携わっていたきわめて聡明でとりわけ重要だった人

                        ジョセフ・ヒース「ジョン・ロールズと西洋マルクス主義の死」(2024年8月25日)|経済学101
                      • 「正義は人それぞれ」という考え方、じつは「すごく危険」だって気づいていますか…?(玉手 慎太郎)

                        「正義」という言葉はどうにも扱いが難しい。言葉を使う人によって「正義」がもつニュアンスが違ったり、そのことによってすれ違いが起きたりするからだ。 正義という言葉に関連して、いまの日本でしばしば耳にするのは、たとえば「正義の暴走」や「正義は人それぞれ」といった表現である。こうした表現は、「正義」という概念を厳密に考えてきた研究者の目には、どのように映るのか。 このほど『今を生きる思想 ジョン・ロールズ』を上梓した学習院大学教授の玉手慎太郎さんが、政治哲学から見た「正義」について、いくつかの角度から語る。 日本での「正義」のイメージ——「正義の暴走」という言葉が使われているのをときどき見かけます。 たとえば、コロナ禍のさい飲食店などの営業自粛を求めて攻撃をおこなう「自粛警察」があらわれましたが、これは「正義の暴走である」と言われました。 政治哲学や倫理学をご専門とする玉手さんからは、「正義の暴

                          「正義は人それぞれ」という考え方、じつは「すごく危険」だって気づいていますか…?(玉手 慎太郎)
                        • ベンジャミン・クリッツァー著『モヤモヤする正義』まえがき|晶文社

                          『21世紀の道徳』が好評だった哲学者・書評家ベンジャミン・クリッツァーさんの第二作『モヤモヤする正義──感情と理性の公共哲学』が9月25日より発売になります。 さまざまな「正義」について、紛糾し炎上も起きる現在、揶揄やあてこすりではなく、正面から「規範」について考え、堂々と「正義」を主張し合えるようになるためのテキストです。 発売に先立ち、本書のなかから、著者の執筆意図が込められた「まえがき」を公開いたします。このまえがきに関心を持たれた方は、ぜひ本書を手にとってみてください。 ネットを眺めたりテレビを見たり雑誌を読んだりしていると、「マイノリティばかり優遇されている」とか「フェミニストの横暴は目に余る」とかいった意見が目に入ってくる。「過剰なポリティカル・コレクトネス」は以前から騒がれていたし、最近ではキャンセル・カルチャーという言葉もすっかり定着した。こういった意見を言っている人たちは

                            ベンジャミン・クリッツァー著『モヤモヤする正義』まえがき|晶文社
                          • ノア・スミス「経済学者はマルクスを読むべきか?」(2025年1月13日)

                            経済学者はマルクスを読むべきである。それも、こうした歴史を全て頭に入れて読むべきだ。それは、社会科学のアイデアが現実の政治や制度に対して、最大限の思い上がりをもって徹底的に適用されたとき、いかにして未曽有の危害を生み出し得るのか、を思い出させてくれる分かりやすい事例である。 先日、ノースウェスタン大の経済学者、ベン・ゴラブ(Ben Golub)がこんなツイートをしていた。 ベン・ゴラブ:ときどき思い出すのが、経済学を研究していると言ったら、(例えば)歴史学を専攻している学生から、スミスやマルクスをきちんと学んでいないのかと驚かれたことだ。 マウント・ホリヨーク大学の英文学者、アレックス・マスコウィッツ(Alex Moskowitz)は、ほとんどの経済学者がスミスもマルクスも読んでいないことを受けて、経済学を「フェイク」呼ばわりし、「経済学はその知識生産の手段を適切に歴史化してこなかった」と

                              ノア・スミス「経済学者はマルクスを読むべきか?」(2025年1月13日)
                            • ピーター・ティールが創業したパランティアのCEOによる自社宣伝本はテクノリバタリアンを理解する格好の本か - YAMDAS現更新履歴

                              Palantir CEO’s New Book Is a Call to Arms, and a Sales Pitch - Bloomberg パランティア・テクノロジーズといえば、「シリコンバレー随一のヴィランにしてカリスマ」ピーター・ティールが立ち上げたデータ解析企業であり、国防総省など米国の政府機関と深い関係を築き、アメリカの国家安全保障にかなり食い込んでいる企業である。 The Technological Republic はそのパランティアをティールらとともに創業し、現在も CEO であるアレックス・カープが共著した本である。 The Technological Republic: Hard Power, Soft Belief, and the Future of the West 作者:Karp, Alexander C.,Zamiska, Nicholas W.Crown

                                ピーター・ティールが創業したパランティアのCEOによる自社宣伝本はテクノリバタリアンを理解する格好の本か - YAMDAS現更新履歴
                              • イスラエルはどうしてあんなにひどいことができるの? 早尾貴紀——前編|じんぶん堂

                                記事:平凡社 パレスチナ・イスラエル問題に関するオンラインセミナー「パレスチナ連続講座」に登壇する東京経済大学教授の早尾貴紀さん 書籍情報はこちら イスラエルの建国前から現在までパレスチナ/イスラエル問題を思想・歴史の両面からていねいに論じた早尾貴紀さんの著書『イスラエルについて知っておきたい30のこと』(平凡社、2025年2月発売)には、パレスチナの地で行われてきた暴力がまざまざと描かれている。 ヨーロッパ植民地主義を反復するイスラエル イスラエルは1948年の建国の際に、およそ500のパレスチナの村や町を破壊し、住んでいた人々は難民となって周辺の地域に逃れました。とりわけガザ地区は住民の70%以上が難民という状況が生じました。 1967年から軍事占領されたガザ地区では、抵抗運動とそれに対する弾圧、空爆や侵攻も繰り返されてきました。2000年代からは陸海空の封鎖が強化され、ガザ地区は外部

                                  イスラエルはどうしてあんなにひどいことができるの? 早尾貴紀——前編|じんぶん堂
                                • 2024年の本ベスト5+年内に読んだ本たち(政治哲学とヨーロッパ哲学を中心に) - 道徳的動物日記

                                  本日、1月2日はわたしの誕生日です。36歳になりました。ヘビ年なので年男でめでたいです。よかったらなんか購入してください。 www.amazon.jp さて、例年、わたしは哲学を中心としながらもさまざまなジャンルの人文書を読んでおります。また、最新の本を読むということは少なくて、何年も前に出版された本を読んでいることが多い。なので、本当なら「年間ベスト」というのを作ることはできないんだけれど……あえて作りました。また、以下では、2024年(や2023年末に)読んだ本たちのなかで、良かったものや印象に残ったものをざっくりと紹介していきます。 ただし、Very Short Introductionの邦訳本については3日前の記事で言及済みなので今年読んだものであってもこちらでは取り上げません。また、3日前の記事と同じく、大半はBlueskyのほうに投稿した感想の流用です。本によって感想の文字量や

                                    2024年の本ベスト5+年内に読んだ本たち(政治哲学とヨーロッパ哲学を中心に) - 道徳的動物日記
                                  • トランプを勝たせた「マノスフィア」とは何か?五野井 郁夫(高千穂大教授) - インテリジェンス・ニッポン

                                    「新反動主義」の広がりは現実社会に逆行 ◇「アメリカ政治の新たな断層」 2024年のアメリカ大統領選挙結果に世界中の多くの人々が絶望したが、ガッツポーズをした者たちもそれと同じくらい多くいたはずである。トランプに票を投じた背景には自分たちの方を向いていないリベラルたちへの失望、移民問題やロシアウクライナ戦争以降より顕著になったインフレ疲れ、環境重視の改革のコストなどに懸念を募らせる有権者の存在があることだろう。だが、今回の大統領選での説明要因としてよく言及されるのが男女で、ハリスとトランプの差が分かれたことだ。男性の44%がハリス支持で54%がトランプ支持だったのに対して、逆に女性の54%がハリス支持で44%がトランプ支持だった。そして人種別に見ると有色人種の女性でハリス支持が多かったという結果である。 もちろんそれ以外の要素もあるだろう。2024年11月16日のニューヨークタイムズ紙では

                                    • 哲学を専門としない人のための哲学入門書ブックガイド - Lichtung

                                      はじめに 哲学を専門としない人が哲学に関心が出てきたときに何を読むとよいだろうか。世には「入門書」と題されている本はあまたあるけれど、ぜんぜん入門書ではないケースも多いし、あんまり頼りにならない入門書も少なくない。 私は哲学を専門としている(とりわけ分析美学)。他の学問の専門家の人や実務家、アーティストと話す機会があったりするが「哲学ってよくわからないなあ」という感想をもらうと、「なかなか役に立ちますよ」と言いながら紹介したりしている本を紹介することにしよう。 勧めたい本は無数にあるが、えいやで各分野1冊にした。 おすすめブックリスト すごく抽象的なことが気になる人→『ワードマップ 現代形而上学』新曜社 ▶関心に合わせてトピックごとにつまみ読みがおすすめ。 ワードマップ現代形而上学ー分析哲学が問う、人・因果・存在の謎 作者:秋葉 剛史,倉田 剛,鈴木 生郎,谷川 卓 新曜社 Amazon

                                        哲学を専門としない人のための哲学入門書ブックガイド - Lichtung
                                      • ジョセフ・ヒース「哲学者がキャンセルカルチャーを懸念すべき理由」(2024年1月25日)

                                        本エントリでは、現在哲学の分野で広く実践されていると同時に、公共の場での議論の構造的変化によって脅かされている学問的実践の一部に注意を向けたい。 この数年、哲学の同業者たちが、オンライン上での流行りに飛びついて、様々な事柄について自身の考えを述べた学者を罰したり、脅そうとしているのを見て、私は驚き、失望してきた。少し上から目線に聞こえるかもしれないが、哲学者がこうした行動をとっているのに驚いていることを認めざるを得ない。ソクラテスの裁判と死を描いたプラトンの対話篇を最初に読んだとき、私は自然と、アテネの市民裁判官たちではなく、ソクラテスの側に感情移入した。哲学研究者のほとんども同じように感じるか、似たような原体験を持っているものだと思い込んでいた。だから、同業者の多くが、自身の考えを語ったことで糾弾されている哲学者(当初は男性が多かったが、最近は女性もいる)の側ではなく、市民裁判官の方をこ

                                          ジョセフ・ヒース「哲学者がキャンセルカルチャーを懸念すべき理由」(2024年1月25日)
                                        • シリコンバレーのビジネスモデルと政治哲学の出口、そして地獄と折り合いをつけること

                                          シリコンバレーのビジネスモデルと政治哲学の出口、そして地獄と折り合いをつけること 2024.11.19 Updated by yomoyomo on November 19, 2024, 12:29 pm JST 地獄とは他人のことだ (ジャン=ポール・サルトル『出口なし』) 2024年のアメリカ合衆国大統領選挙は、ご存じの通り共和党候補のドナルド・トランプが完勝し、返り咲きを果たしました。今回の大統領選挙については、シリコンバレーを中心とした米国テック業界の動向もいろいろと話題になり、選挙結果が確定した後もそのあたりについての分析記事が出ています。最初からそれに乗っかって後出し孔明もどうかと思いますので、選挙前に書かれた目線の高い記事として、『武器化する経済 アメリカはいかにして世界経済を脅しの道具にしたのか』の邦訳があるジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院教授のヘンリー・ファ

                                            シリコンバレーのビジネスモデルと政治哲学の出口、そして地獄と折り合いをつけること
                                          • じつは、東日本と西日本は大きく違っていた…民俗学が明らかにした「社会構造」(宇野 重規,若林 恵,畑中 章宏)

                                            2月20日に、ジュンク堂書店池袋本店で『『忘れられた日本人』をひらく――宮本常一と「世間」のデモクラシー』(黒鳥社刊)発売記念トークイベントが行われた。 参加者はこの新刊で対談している民俗学者の畑中章宏氏とコンテンツディレクターの若林恵氏、加えて若林を聞き手として昨年秋に刊行された『実験の民主主義――トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ』(中公新書)の政治哲学者・宇野重規氏。 6月3日からは、畑中氏を指南役に起用したNHK Eテレの人気番組「100分de名著」で宮本常一『忘れられた日本人』が放送されているが、その予習としても楽しみたい、「民主主義」と「民俗学」と「世間」とをめぐる鼎談を4回に分けてお届けする。 民俗学と政治思想史 若林 『『忘れられた日本人』をひらく』では宇野先生に帯の文言をいただいたんですよね。 宇野 「宮本常一は民主主義の理論家だ!」って、すごいこと言ってますね

                                              じつは、東日本と西日本は大きく違っていた…民俗学が明らかにした「社会構造」(宇野 重規,若林 恵,畑中 章宏)
                                            • 素晴らしきVery Short Introductionの世界 - 道徳的動物日記

                                              Xやnoteが差別や嫌悪を増幅・扇動する社会悪であるのと同程度にははてなも社会悪なので、もうあまり使用したくないのだけれど、先日に某オフ会に行ったところ数名の方から「ブログを更新しなくなって寂しい」「書評は役立っていたから再開してほしい」と声をかけられて、悪い気がしませんでした。 今年は会社員としての仕事ががっつり忙しく、また夏までは『モヤモヤする正義』の執筆作業に追われていたので、はてなが社会悪だということを差し引いても、ブログを執筆する時間は元よりナシ。 モヤモヤする正義 作者:ベンジャミン・クリッツァー 晶文社 Amazon そんななかでも、本はいっぱい読んでいました。現在でも、Blueskyにて読んでいる本の感想を垂れ流し続けているので(書評というほどの内容でもないけど)、気になる方やわたしのファンの方はフォローしといてください。 そして昨年に引き続き、今年もくちなしさんがまとめて

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                                              • 中国が「習近平思想」に基づいて訓練されたAIモデルを開発

                                                中国でインターネットの規制を行っている中国サイバースペース管理局の研究所が、習近平国家主席の政治哲学に基づいた「安全で信頼できる」大規模言語モデル(LLM)を開発しました。 China’s latest answer to OpenAI is ‘Chat Xi PT’ https://www.ft.com/content/43378c6e-664b-4885-a255-31325d632ee9 Sure, why not: China built a chatbot based on Xi Jinping https://www.engadget.com/sure-why-not-china-built-a-chatbot-based-on-xi-jinping-155828456.html China rolls out large language model AI based on

                                                  中国が「習近平思想」に基づいて訓練されたAIモデルを開発
                                                • Rust.Tokyoオーガナイザーの豊田優貴に聞く、思考の土台をつくった「お守り本」5冊 | レバテックラボ(レバテックLAB)

                                                  Rust.Tokyoオーガナイザーの豊田優貴に聞く、思考の土台をつくった「お守り本」5冊 2024年10月24日 Rust.Tokyo オーガナイザー 豊田 優貴 Sansan株式会社のソフトウェアエンジニア。金融機関向けのリスク管理計算機の開発に携わってから、しばらく広告配信の仕事に従事した。前職のUSの企業では実務でRustを利用した。本業のかたわら、Rustの国内カンファレンス「Rust.Tokyo」の運営や、いくつかのOSSの開発や貢献を行っている。共著で『実践Rustプログラミング入門』(秀和システム)、『RustによるWebアプリケーション開発』(講談社サイエンティフィク)など。また、『Web開発で学ぶ最新言語Rust』(日経クロステック)の連載を持つなどした。 ※アイキャッチとプロフィールに使用しているアイコンは「めぶイカメーカー」を使用し生成しております GitHub: h

                                                    Rust.Tokyoオーガナイザーの豊田優貴に聞く、思考の土台をつくった「お守り本」5冊 | レバテックラボ(レバテックLAB)
                                                  • 中国で『AI習近平』誕生。「習近平思想」記した著書十数冊や公式文書で強化 | テクノエッジ TechnoEdge

                                                    ガジェット全般、サイエンス、宇宙、音楽、モータースポーツetc... 電気・ネットワーク技術者。実績媒体Engadget日本版, Autoblog日本版, Forbes JAPAN他 中国国家サイバースペース管理局(CAC)は、習近平国家主席の思想と政治哲学に関する著書などでトレーニングされた大規模言語モデル(LLM)を搭載するAIシステムを開発しました。 英Financial Times(FT)によると、このAIの強化には、現在の中国国家主席が書いたとされる「新時代の中国の特色ある社会主義に関する習近平の思想」略して「習近平思想」についての12冊の書籍と、それに基づいた政府規則、政策文書、国営メディアの報道、その他の公式文書が用いられているとのこと。FTはこのAIシステムを、ChatGPTをもじって『Chat Xi PT』と紹介しています。 FTはさらに、ある文書には習近平氏への言及が8

                                                      中国で『AI習近平』誕生。「習近平思想」記した著書十数冊や公式文書で強化 | テクノエッジ TechnoEdge
                                                    • タイラー・コーエン「リバタリアニズムはどうなってきたか、どうなっていくか:ステート・キャパシティ・リバタリアニズム」(2020年1月1日)

                                                      私は長い間リバタリアン「ムーブメント」を追ってきたが、今やリバタリアニズムが(少なくとも流入者の点で)ほとんど空洞化してしまったと考えるようになった。一部の人々はロン・ポール主義やオルタナ右翼の方向に向かい、また別の、よりインテリな人々は同じ場所に留まって活動しているが、新しい支持者を惹きつけられていない。1つの理由は、旧式のリバタリアニズムでは多くの大問題(特に気候変動)が解決できない、あるいは首尾よく対処することすらできないと思われるからだ。もう1つの理由は、賢い人々はインターネットにいるが、インターネットは、少なくとも賢く好奇心旺盛な人々にとって、総合的で折衷的な見解を促すように働くだろうからだ。1970年代の大衆文化と違って、インターネットは「大文字のリバタリアニズム」を広げていく傾向にない。そしてなにより、狭い意味でのリバタリアン的見解からの流出は深刻だ。そのほとんどは、教育を受

                                                        タイラー・コーエン「リバタリアニズムはどうなってきたか、どうなっていくか:ステート・キャパシティ・リバタリアニズム」(2020年1月1日)
                                                      • アメリカがモンロー主義(孤立主義)に戻るときに、世界に突きつけられる現実が明らかになったのだろうと思う。 - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

                                                        BBCニュース - トランプ氏とヴァンス氏「感謝」要求、ゼレンスキー氏と激しい口論 マスコミの前でhttps://t.co/ecFyBVdMcC pic.twitter.com/8ihtB4fd7R— BBC News Japan (@bbcnewsjapan) March 1, 2025 いつもの如く全てのスピーチを聞いてみようシリーズ。ゼレンスキー大統領とトランプ大統領、ヴァンス副大統領とのホワイトハウスでの会話。フルスピーチをとりあえず聞いてみました。うえのBBCは、もめた一番の場所。ヴァンス副大統領の思想は、一貫していて、深いので、このやりとりにも明確な一貫性を感じます。 デビッド・E・サンガー「トランプ政権は同盟を、出血し続ける傷とみなしている。大統領選挙運動では、米国との貿易黒字を抱える国を守る必要はないと繰り返し主張した(略)ゼレンスキー氏はこれ(米政権の西側陣営と国際秩序へ

                                                          アメリカがモンロー主義(孤立主義)に戻るときに、世界に突きつけられる現実が明らかになったのだろうと思う。 - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
                                                        • ジョセフ・ヒース「ジョン・ロールズと西洋マルクス主義の死」(2024年8月25日)

                                                          「ロールズの著作を読むとき,最大の難所は,どうしてその本がそんなにも重要だったのかを見抜くことだよ――なにしろ,おそろしく退屈に思えるからね(一般向け,初歩的,などなど).」 この難所を乗り越えるために私から言える最良の提案は,『正義論』を読むのであれば,「これこそ,西洋マルクス主義を殺した本だぞ」と思いながらとりかかり,いったいどうやってそれを成し遂げたのかを見抜くことに集中することだ. その昔,まだ私が学部生だった冷戦末期に,政治哲学で最高に熱い事態が起きていた.それは,英語圏でのマルクス主義の力強い再興だ.その仕事の大半は,「分析マルクス主義」という旗の下で進められていた(別名「たわごと無用のマルクス主義」ともいう).その発端となったのは,ジェラルド・コーエン『カール・マルクスの歴史理論:その擁護』の出版だ(あと,同書出版後にコーエンがオックスフォード社会政治哲学のチェリ講座教授に就

                                                            ジョセフ・ヒース「ジョン・ロールズと西洋マルクス主義の死」(2024年8月25日)
                                                          • あとがきたちよみ『投票の倫理学――ちゃんと投票するってどういうこと?(上・下)』

                                                            あとがき、はしがき、はじめに、おわりに、解説などのページをご紹介します。気軽にページをめくる感覚で、ぜひ本の雰囲気を感じてください。目次などの概要は「書誌情報」からもご覧いただけます。 ジェイソン・ブレナン 著 玉手慎太郎・見崎史拓・柴田龍人・榊原清玄 訳 『投票の倫理学 ちゃんと投票するってどういうこと?(上・下)』 →〈「訳者解説」(pdfファイルへのリンク)〉 →目次・書誌情報はこちら:〈上巻〉/〈下巻〉 *サンプル画像はクリックで拡大します。「訳者解説」本文はサンプル画像の下に続いています。 訳者解説 柴田龍人・榊原清玄 はじめに:バカは選挙に行くな! あなたは、自分がちゃんと投票している、と胸を張って言えるだろうか? 何はともあれ選挙のたびに投票しているから、特に問題ないだろう、と言うだろうか? ただ投票さえすればよい、そんなふうに考えていないだろうか? ところが、とにかく投票さ

                                                              あとがきたちよみ『投票の倫理学――ちゃんと投票するってどういうこと?(上・下)』
                                                            • 【マイケル・サンデル教授が語るアメリカの不平等】トランプは「不満の代弁者」/民主党の失敗/トランプ政権のパラドックス/不平等の3つの側面/過小評価されるケアワーカー/私たちがやるべきこと

                                                              アメリカではリベラルと保守層の激しい分断が取り沙汰されて久しいが、なぜリベラル側はいつまでたっても「トランプ現象」を理解しようとしないのか。今の「リベラル」「エリート」の根本的な問題点について、パリ経済学校教授のトマ・ピケティ氏との対談本『平等について、いま話したいこと』を上梓した哲学者でハーバード大学教授のマイケル・サンデル氏に聞いた。 【タイムテーブル】 00:00 イントロ  00:44 本編開始 01:00 トランプ圧勝の背景 07:49 民主党がしてきたこと  19:06 トランプ政権で不平等は解消? 22:13 是正すべき3つの不平等  28:33 市場に委ねることの問題点 編集:田中険人 サムネイル内写真:Bloomberg 【出演者】 マイケル・サンデル ハーバード大学教授 1953年生まれ。アメリカの政治哲学者。ブランダイス大学を卒業後、オックスフォード大学にて博

                                                                【マイケル・サンデル教授が語るアメリカの不平等】トランプは「不満の代弁者」/民主党の失敗/トランプ政権のパラドックス/不平等の3つの側面/過小評価されるケアワーカー/私たちがやるべきこと
                                                              • 66. ダロン・アセモグル&ジェイムズ・A・ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか:権力・繁栄・貧困の起源』

                                                                A.セン (5) G.アガンベン (8) VSI翻訳 (4) アメリカ社会 (9) インターネット (10) キリスト教 (13) ゲンロン叢書 (6) ちくま学芸文庫 (19) ドイツとWW2 (6) ナッジ (5) ノーベル賞受賞者の本 (14) ハヤカワノンフィクション文庫 (5) フランクフルト学派 (6) ポピュリズム (14) 医療倫理 (16) 科学哲学 (4) 岩波科学ライブラリー (22) 岩波現代文庫 (6) 経済学 (54) 芸術論/文化論 (14) 講談社学術文庫 (4) 国際関係 (29) 自然科学 (37) 社会格差と貧困 (37) 社会学 (50) 新型コロナを考える (13) 新自由主義 (12) 新書(ちくま新書) (14) 新書(岩波新書) (13) 新書(講談社現代新書) (23) 新書(主要レーベル外) (17) 新書(中公新書) (28) 政治哲学

                                                                  66. ダロン・アセモグル&ジェイムズ・A・ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか:権力・繁栄・貧困の起源』
                                                                • 【停滞する思考に一石を投じる苦言『ジョン・スチュアート・ミル』】声にできない本音を言葉に…。#36 - ioritorei’s blog

                                                                  #36 停滞する思考に一石を投じる苦言 停滞する思考に一石を投じる苦言 声にできない本音を言葉に… ジョン・スチュアート・ミル 罪が正当に裁かれない政治家 国家権力をふりかざしやりたい放題の警察 品行方正?謹厳実直?清廉潔白?そんな聖人がどこにいる? 声にできない本音を言葉に… 何かと生きづらい世の中で、思ってはいても言葉にできない声がある。 感じていても声にするのが憚られる言葉がある。 それは耳障りが悪く、心地良い言葉ではないのかもしれない。 だが言葉にされて、はじめて気づくこともある。 本稿で取り上げる言葉は、ひとつ間違えれば暴言とも受け取られかねないものだ。 しかし何かを変えるためには、声に、言葉にしてより多くの人に考えてもらうべきだろう。 本稿が停滞する思考覚醒へのキッカケとなることを切に願う。 ジョン・スチュアート・ミル ジョン・スチュアート・ミル(John Stuart Mil

                                                                    【停滞する思考に一石を投じる苦言『ジョン・スチュアート・ミル』】声にできない本音を言葉に…。#36 - ioritorei’s blog
                                                                  • ほら、アーカイブもメンテナンスも重要でしょうが! - YAMDAS現更新履歴

                                                                    wirelesswire.jp 先月の WirelessWire News 原稿は、なんというか地味な題材を選んでしまったな、というのがどうしてもあった。 しかし、どうだ。先月末から、この文章で書いた「アーカイブの危機」と「メンテナンスの大事さ」を痛感する出来事が多く起こっている。 記事中のスチュアート・ブランドの引用、「メンテナンスこそが、文明に欠くことのできない技術であると考えるべきだ」がやたらに響く。八潮市の道路陥没事故は言わずもがな、日本のインフラ老朽化のことがまず想起されるよね。 https://t.co/iQ8klKwW8V— 平穏 (@shouchu_record) February 8, 2025 八潮市交差点道路陥没事故が我々を憂鬱にさせるのは、この事故が特異点ではなく、日本におけるインフラの老朽化がこれから本格的に露となり、こういう事故が増えるに違いないというのが容易に

                                                                      ほら、アーカイブもメンテナンスも重要でしょうが! - YAMDAS現更新履歴
                                                                    • なめらかな社会は近づいているか | 【公式】攻殻機動隊グローバルサイト

                                                                      『なめらかな社会とその敵 PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論』(勁草書房、2013年)を上梓した鈴木健と、本特集の監修者であり情報社会論にも通暁する法哲学者・大屋雄裕の対談をお届けする。 『なめらかな社会とその敵』は、生命システムから社会システムまでを論じ、「二項対立のない社会」を構想する特異な思想書。人文系の研究者だけではなく、エンジニアやクリエイターにも幅広く読まれる同書のインパクトは、出版から10年経ったいまも変わらない。それどころか、近年ではWeb3周辺のコミュニティでも予言の書のように参照されるなど、さらに影響力を増している。 本対談では、そんな「なめらかな社会」のアイデアを改めて検討しながら、同書刊行後の社会変化や技術進化について語り合う。民主主義の危機やガバナンスシステムの劣化に目を背けず、同時にブロックチェーンやAIといった技術の進展を眺望する議論は、現実を踏まえつ

                                                                        なめらかな社会は近づいているか | 【公式】攻殻機動隊グローバルサイト
                                                                      • セキュリティの危機の中で問い直される「自由」 前編 - 集英社新書プラス

                                                                        新型コロナウイルスのパンデミック、そしてロシアによるウクライナ侵攻と、近年、セキュリティの強化を強く意識せざるを得ない出来事が続いている。しかし、コロナ禍では感染症対策の名の下で行動制限や営業自粛を余儀なくされるなど、セキュリティの重視は容易に個人の自由を制限する方向に進みがちだ。 5月17日に刊行された集英社新書『自由とセキュリティ』は、6名の政治思想家の名著をアクチュアルな視点で読み解きながら、セキュリティに傾きがちな風潮の中、自由の価値について再考を促す一冊である。 集英社新書にて好評発売中 著者の政治学者・杉田敦氏(法政大学教授)と政治思想史を専門とする宇野重規氏(東京大学教授)が、今こそ考えたい「自由とセキュリティ」の関係を語り合った。 セキュリティーをより重視するリベラル 政治学者・宇野重規氏 宇野 『自由とセキュリティ』の「プロローグ」には、コロナ禍が執筆のきっかけになったと

                                                                          セキュリティの危機の中で問い直される「自由」 前編 - 集英社新書プラス
                                                                        • [大物へのステップ]あなたも角栄に?6つの心得をマスター

                                                                          特徴的なダミ声と、強力なリーダーシップ、昭和というキーワードと共に多くの日本人に記憶される大政治家、田中角栄、高等小学校卒から総理大臣に登りつめた彼の政治哲学には、私達の生活にも役立つものが沢山あります。そこで、はじさんでは、これを実践すれば、あなたも角栄になれる!? 大物になる6つの心得を紹介したいと思います、よっしゃ!よっしゃ! 監修者 kawauso 編集長(石原 昌光) 「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務

                                                                            [大物へのステップ]あなたも角栄に?6つの心得をマスター
                                                                          • 女の子のための西洋哲学入門

                                                                            メリッサ・M・シュー+キンバリー・K・ガーチャー=編 三木那由他+西條玲奈=監訳 青田麻未/安倍里美/飯塚理恵/鬼頭葉子/木下頌子/権瞳/酒井麻依子/清水晶子/筒井晴香/村上祐子/山森真衣子/横田祐美子=共訳 発売日 2024年11月26日 本体価格 3,300円+税 判型 四六判・並製 頁数 568頁 ISBN 978-4-8459-2107-2 Cコード C0010 刷数 4刷 装丁 畑ユリエ 装画 渡辺明日香 原題 Philosophy for Girls: An Invitation to the Life of Thought その他のネット書店から購入 これまでの「男性のための哲学」ではない、もうひとつの哲学へ。 「女の子」が成長し大人になっていく過程で考えるべき哲学の問いを解きほぐし、 「自由に思考を広げること」、そして「自分の力で考えながら生きること」の楽しさとかけがえのな

                                                                              女の子のための西洋哲学入門
                                                                            • 日本人は、じつは「競争」について「大きな勘違い」をしているかもしれない(玉手 慎太郎)

                                                                              近年、「競争」という言葉は、悲惨で、過酷で、しんどいといったイメージのもとで語られがちだ。 しかし、競争をそうしたものとしてのみ捉えるのは、「競争」というものがもつポテンシャルを切り捨ててしまうところがあるのではないか——。 このほど『今を生きる思想 ジョン・ロールズ』を上梓した学習院大学教授の玉手慎太郎さんが、政治哲学から見た「競争」について語る。 「競争はしんどい」、しかし…——この20〜30年ほど、日本の「競争社会」の負の側面が注目を集め、「競争は格差を拡大するのでよくない」「競争はしんどい」といったイメージが広がっています。ただ一方で、「いっそのこと競争はなくしたほうがいい」と言い切れるかというと、それもまた疑問に思う人が多いでしょう。 玉手さんの専門である政治哲学や倫理学の知見からは「競争」はどのようにとらえられるのでしょうか。 玉手 政治哲学や倫理学のすべてを代表するわけにはい

                                                                                日本人は、じつは「競争」について「大きな勘違い」をしているかもしれない(玉手 慎太郎)
                                                                              • 「独学の戦略」とは|山口周

                                                                                独学の戦略とは、一言で言えば、「何について学ぶか」という大きな方向性を決めるということです。これは逆に言えば「何を独学しないかを決める」ということでもあります。 現在の私たちが生きている世界は、大量の情報によってオーバーフローが発生しています。知的好奇心旺盛な人にとって、これはとても残念で悔しいことなんですが、私たちが独学のために使える時間はごくわずかであり、これらすべての情報に通暁することはもとより叶いませんし、もしそんなことを目指そうとすれば他のもっと大事なことを犠牲にすることになりかねません。 独学に使える時間は無限ではありません。独学の戦略を考察するにあたって、依って立つ最大の立脚点がこの認識ということになります。特に本書を手に取られている読者層の中心であろうと思われる30代〜50代のビジネスパーソンにとって、勉強に使える時間というのは非常に貴重でしょう。その貴重な時間を、明確な方

                                                                                  「独学の戦略」とは|山口周
                                                                                • マイケル・サンデル「“遺伝子操作ベビー”は親の無条件の愛と相反する」 | スペイン紙が名物教授にインタビュー

                                                                                  米ハーバード大学の政治哲学者マイケル・サンデルは2001年末、思いがけない招待状を受け取った。生命倫理に関する問題を取り扱う諮問機関「大統領生命倫理評議会」への参加を要請されたのだ。サンデルは生命倫理の専門家ではなかったが、遺伝子操作、クローン技術、幹細胞研究など、大きな道徳的課題をもたらす新興分野を考察するというアイデアに心引かれた。 そして、これらのテーマをその有名な講義を通じて追究し続け、特に興味を引かれた問題だった遺伝子増強(エンハンスメント)に関する著作『完全な人間を目指さなくてもよい理由-遺伝子操作とエンハンスメントの倫理-』を出版した。この中で、サンデルは現在も未解決となっている倫理的なジレンマに関し、その知性と鋭さで切り込んでいる。また、この本では『実力も運のうち 能力主義は正義か? 』などの後に出版した著作でも展開した正義や民主主義、共同体、能力主義に関するサンデルの考え

                                                                                    マイケル・サンデル「“遺伝子操作ベビー”は親の無条件の愛と相反する」 | スペイン紙が名物教授にインタビュー