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書評の検索結果481 - 520 件 / 1897件

  • 山形浩生の重訳版『方法序説』 - デカルトの重箱

    ながったらしいブログ、読みましたよ(笑)。 山形さんの訳には、一長一短があると思います。 色々と言う割には、いい加減なところもあると感じています。 若い人の中に、山形さんのイデオロギーを無批判に礼賛される方が少なからずいて、ちょっと困ったもんだと思ったこともありました。彼らによると、学者による訳、とりわけ岩波文庫の訳は「ダメ」なんだそうです。 たしかに、岩波文庫の中にも問題の多い訳本もありますが、名訳もあると思うのですがねぇ。 村山伝兵衛さま ありがとうございます。ご苦労さまでした。通読する粘りある読者さんが、他に少なくとも3名はいらっしゃるようです、3拍手あるので(汗) 一体どういう方がお読みになっているのでしょう…謎は深まるばかりでございます(汗) ところで、先日私は、T書店T店長にいただいた小冊子『図書 2019年9月号』の巻頭エッセイ「本当はバージョンが二つ作れたらいい」(岩波書店

    • ほとんどの人は本質的に善良であると、強力に性善説を推し進める一冊──『Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章』 - 基本読書

      Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章 (文春e-book) 作者:ルトガー・ブレグマン文藝春秋Amazonこの『Humankind』は、オランダで25万部以上の部数を重ね、『サピエンス全史』のハラリにも絶賛され対談をし、ピケティに次ぐ欧州の知性などと呼ばれる、オランダの若手寄りの(1988年生まれ)作家、ルトガー・ブレグマンの話題作である。 この本、書名だけだと胡散臭い宗教書にしか見えず、話題書というだけで手にとったのだけど、展開しているのはなかなか過激な主張だ。それは、『ほとんどの人は本質的にかなり善良だ』というもので、ほとんどの人とかかなりとかちょっと微妙な修飾語がついていてそこはかとなく不安にさせるが、本書はなぜそんなことが主張できるのかを、さまざまな実験・研究・歴史の事例から見ていくことになる。 それが過激な主張と思えるのは、人間が本質的に善良とは

        ほとんどの人は本質的に善良であると、強力に性善説を推し進める一冊──『Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章』 - 基本読書
      • ネット論客がインテリから相手にされない理由 - 道徳的動物日記

        davitrice.hatenadiary.jp (6月23日 21:45追記) 最初のタイトルには個人名を入れていましたが、記事のタイトルを「(個人名)が〜から相手にされない理由」にすることはあまりに個人攻撃的に過ぎるという指摘を受けて、同意しましたので、タイトルを修正しました。 (追記終わり) 先日にわたしが投稿した、御田寺圭の著書『ただしさに殺されないために~声なき者への社会論』への書評記事にはブクマやSNSなどで様々な反応があった。全体的には賛否両論という感じ。 みんなの反応を見て、反省すべきと思ったところはふたつ。 まずは、書評のタイトルと実際に論じている内容にズレがあり、ややミスリーディングになってしまったことだ。書評のタイトルを見ると「不都合な現実に対する解決策が書かれていないこと」が問題であると論じているように思われしまうかもしれないが、実際には、「提示される"不都合な現実

          ネット論客がインテリから相手にされない理由 - 道徳的動物日記
        • 【スゴ本】世界がこうなるなら私はどうする?ITエンジニア必読のサイエンス・フィクション6冊

          1. 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』アンディー・ウィアー 著、小野田和子 訳 2. 『オービタル・クラウド』藤井太洋 著 3. 『AIとSF』日本SF作家クラブ 編 4.『虚数』スタニスワフ・レム 著、長谷見一雄・沼野充義・西成彦 訳 5. 『SF超入門』冬木 糸一 著 6. 『サイエンス・フィクション大全』グリン・モーガン 著、石田亜矢子 訳 1冊目は、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』だ。 ▲『プロジェクト・ヘイル・メアリー』アンディ・ウィアー 著、小野田和子 訳、早川書房 もし未読なら、素晴らしい!おめでとう! こんなにめちゃくちゃ面白い本をこれから読めるなんて、羨ましいなぁ。紹介やレビューを目にする前に、いますぐ(今すぐにだ)読んでほしい(公式の紹介やAmazonレビューはネタバレ満載なので見てはいけない)。 映画化されるらしいが、約束された傑作になるだろうが、ITエンジニアな

            【スゴ本】世界がこうなるなら私はどうする?ITエンジニア必読のサイエンス・フィクション6冊
          • 『最新版 図解 知識ゼロからの現代農業入門』 - 紙屋研究所

            日本の農業をどうしたらいいんだろうか。 福岡市でもちょうど高齢化した農家が世代交代の時期となり、田んぼがどんどん消えて宅地に変わっていっている。自分の近く、目の前でそうした現実を見せつけられる。素朴な素人感覚で申し訳ないが、そういう事態が進行していってこのまま日本の食料は大丈夫なのかという思いに駆られるのだ。 福岡市内を流れる川と田んぼと宅地 知り合いの農学者が2050年にむけた日本農業の政策提言を考えていて、それを見せられる機会があった。食料が足りなくなるという危機意識をもとにいろんな方策が書いてあるのだが、水田は畑と違っていったん宅地にすると元に戻すのが難しいということや、ひこばえを使った収量の増加などは興味を惹かれた。 www.agrinews.co.jp 他方で、物価高騰である。日々ぼくらが買う食べ物は、輸入にモロに影響を受ける構造なんだとなあという現実を嫌というほど示してくれた。

              『最新版 図解 知識ゼロからの現代農業入門』 - 紙屋研究所
            • 何千時間も使って未解決事件を解決しようと奮闘する人々──『未解決殺人クラブ~市民探偵たちの執念と正義の実録集』 - 基本読書

              未解決殺人クラブ~市民探偵たちの執念と正義の実録集 作者:ニコル・ストウ大和書房Amazon市民探偵というと日本でイメージとして上がるのは毛利小五郎(with/江戸川コナン)か金田一あたりだろうが、実は世の中には多種多様な市民探偵が存在する。 事件現場にかけつけたり、たまたま居合わせたりして事件を解決するのではなく、市民探偵の多くはインターネットで公開された情報を集め、フォーラムで議論をしながら事件解決への糸口を探す。やっていることは地味な行為の積み重ねだが、解決にあたって重要な役割を果たすことも多い。確かに彼らも市民探偵なのだ。 その執念の凄まじさは、おそらく多くの読者の想像を超えたものだ。たとえばテネシー州の元工場労働者トッド・マシューズは、両目を失い腐敗した状態で大きなバッグに入れて放置されていたことから「テント・ガール」と呼ばれていた身元不明の女性を、11年にもわたって調査して、最

                何千時間も使って未解決事件を解決しようと奮闘する人々──『未解決殺人クラブ~市民探偵たちの執念と正義の実録集』 - 基本読書
              • KADOKAWAの最大50%還元セールに便乗して時代小説からファンタジーまで、傑作を並べてみた。 - Something Orange

                KADOKAWAの傑作小説を紹介してみる。 ●時代小説 冲方丁『天地明察』 山田風太郎『柳生忍法帖』 山田風太郎『魔界転生』 山田風太郎『八犬伝』 ●SF 池上永一『シャングリ・ラ』 小松左京『復活の日』 小松左京『日本沈没』 小松左京『果しなき流れの果に』 半村良『太陽の世界』 光瀬龍『宇宙年代記【合本版】』 森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』 山田正紀『神狩り』 山本弘『神は沈黙せず(上)(下)』 ●ミステリ 青崎有吾『地雷グリコ』 赤川次郎『三毛猫ホームズの推理』 綾辻行人『Anotehr』 綾辻行人『殺人鬼』 綾辻行人『霧越邸殺人事件』 乙一『GOTH』 馳星周『不夜城』 初野晴『ハルチカシリーズ』 横溝正史『本陣殺人事件』 横溝正史『獄門島』 米澤穂信『古典部シリーズ』 ●ファンタジー 荻原規子『西の善き魔女』 マーガレット・ワイス&トレイシー・ヒックマン『【合本版】ドラゴンラン

                  KADOKAWAの最大50%還元セールに便乗して時代小説からファンタジーまで、傑作を並べてみた。 - Something Orange
                • フェミニズムの「むずかしさ」に向き合う(読書メモ:『むずかしい女性が変えてきた:あたらしいフェミニズム史』) - 道徳的動物日記

                  むずかしい女性が変えてきた――あたらしいフェミニズム史 作者:ヘレン・ルイス みすず書房 Amazon 出版社による紹介は下記の通り。 女性が劣位に置かれている状況を変えてきた女性のなかには、品行方正ではない者がいた。危険な思想に傾く者も、暴力に訴える者さえもいた。 たとえばキャロライン・ノートン。19世紀に困難な離婚裁判を戦い抜いて貴重な前例をつくった人物だが、「女性は生まれながらにして男性に劣る」と書き残した。たとえばサフラジェットたち。女性の参政権獲得に欠かせない存在だったが、放火や爆破などのテロ行為に及ぶこともあった。たとえばマリー・ストープス。避妊の普及に尽力し多産に悩む多くの女性を救った彼女は、優生思想への関心を隠さなかった。 しかしだからといって、その功績をなかったことにしてはいけない。逆に功績があるからといって、問題をなかったことにしてはいけない。歴史は、長所も短所もある一

                    フェミニズムの「むずかしさ」に向き合う(読書メモ:『むずかしい女性が変えてきた:あたらしいフェミニズム史』) - 道徳的動物日記
                  • 書評『ゲームの歴史 1』(岩崎 夏海、稲田 豊史): Runner's High!

                    ゲームの歴史 1 出版社/メーカー: 講談社発売日: 2022/11/16メディア: Kindle版 『ゲームの歴史』、2022年11月発刊。著者は岩崎夏海氏と稲田豊史氏の連名。計三巻が出版されているが、以下は第一巻のみを読了した感想である。 書名が示すように、本書はコンピュータゲームの歴史書を標榜している。 この『ゲームの歴史』に関しては、著者の一人である岩崎夏海氏のTwitter上での発言が物議を醸した。曰く、「データを用いると恣意性に際限がなくなる」「ゲームの世界に客観など存在しない」とのことだ。 〇『ゲームの歴史 1〜3』 / 岩崎夏海, 稲田豊史 (残念な本と残念な著者の話)|keigo| この発言を目にした時点での僕はまだ『ゲームの歴史』を入手していなかったのだが、異論や反発を覚える以前にそもそも意味がわからなかった。データを用いず、また客観性を担保しないまま書かれた歴史書とい

                      書評『ゲームの歴史 1』(岩崎 夏海、稲田 豊史): Runner's High!
                    • 開発メンバーが選ぶ、おすすめの技術書【2020年度】 - RAKUS Developers Blog | ラクス エンジニアブログ

                      技術広報のsyoneshinです。 今回は当社の開発組織メンバー達に 読んでよかった 自身が影響を受けた 他者にも読んでほしいと思った という観点で 『おすすめの技術書』とおすすめポイントを聞きました。 質問:皆さんの「おススメの技術書」 を教えてください。 【目次】 おすすめの技術書ランキング 『リーダブルコード―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)』 『マスタリングTCP/IP 入門編』 『体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 脆弱性が生まれる原理と対策の実践』 『達人プログラマー 職人から名匠への道』 『Webを支える技術』 『SQLアンチパターン』 『Java言語で学ぶデザインパターン入門』 『はじめて学ぶ ソフトウェアのテスト技法』 『UNIXという考え方―その設計思想と哲学』 『Effective Jav

                        開発メンバーが選ぶ、おすすめの技術書【2020年度】 - RAKUS Developers Blog | ラクス エンジニアブログ
                      • 「この25年で10億人以上が極貧から脱出」世界が良くなっていることをメディアは報じない | 文春オンライン

                        『21世紀の啓蒙 理性、科学、ヒューマニズム、進歩』上下(スティーブン・ピンカー 著/橘明美他 翻訳)草思社 「暴力は人間にとってどこにでもある普遍的なものです。しかし奴隷制度の廃止やソ連の崩壊の際には、大きな暴力は伴いませんでした。暴力を減少させることは可能です。実のところ歴史的にみれば暴力は減少していっているんです」 12年前、スティーブン・ピンカーさんがこの所見を知識人たちのウェブサロン、Edge.orgにアップすると、大きな反響があった。その結果、大著『暴力の人類史』(原著2011年)が生まれる。そして2018年、ピンカーさんが上梓したのが、『21世紀の啓蒙』(日本語版は19年)だ。 「前著の刊行後、人間のウェルビーイング(精神的、身体的、社会的に満たされた状態にあること)に関心が広がりました。そこで寿命や食糧事情、健康や富、そして平和といった面からも人類の現在を調べたいと思

                          「この25年で10億人以上が極貧から脱出」世界が良くなっていることをメディアは報じない | 文春オンライン
                        • 書評 「ダーウィンの呪い」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                          ダーウィンの呪い (講談社現代新書) 作者:千葉聡講談社Amazon 本書は千葉聡による「ダーウィンの自然淘汰理論」(特にそれが社会にどのような含意を持つかについての誤解や誤用)が人間社会に与えた負の側面(本書では「呪い」と呼ばれている)を描く一冊.当然ながら優生学が中心の話題になるが,それにとどまらず様々な問題を扱い,歴史的な掘り下げがある重厚な一冊になっている. 冒頭ではマスメディアがしばしばまき散らす「企業や大学はダーウィンが言うように競争原理の中でもまれるべきであり,変化に対応できないものは淘汰されるべきだ」という言説を,まさに「呪い」であると憂いている.そしてそれが「呪い」であるのは,「進歩せよ,闘いに勝て,そしてそれは自然から導かれた当然の規範である」というメッセージがあるからだと喝破している(それぞれ,「進化の呪い」「闘争の呪い」「ダーウィンの呪い」と名付けられている). 第

                            書評 「ダーウィンの呪い」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
                          • 動物の言葉を話す男と古代のおとぎ話を忘れた近代社会が対立する、エストニア発の傑作ファンタジィ──『蛇の言葉を話した男』 - 基本読書

                            蛇の言葉を話した男 作者:アンドルス・キヴィラフク河出書房新社Amazonこの『蛇の言葉を話した男』は、エストニアで歴代トップ10に入るベストセラーに入り、フランス語版も大ヒットして14ヶ国語に翻訳されたファンタジィ長篇である。帯には、『これがどんな本かって? トールキン、ベケット、M.トウェイン、宮崎駿が世界の終わりに一緒に酒を呑みながら最後の焚き火を囲んで語ってる、そんな話さ。』という惹句がついていて、最初から期待して読み始めたのだが、いやはやこれが期待を遥かに上回ってきた。今年読んだ外国文学の中ではピカイチの作品と断言できる。 本作は、蛇やクマといった動物と言葉を交わし、強制的に命令を発することもできる「蛇の言葉」を扱う森の住民たちと、そうした古の文化を忘れ、科学技術を得て新しい社会を築き上げてきた近代社会の摩擦、戦いの話であり、リアリストの語り手の少年を筆頭に、人間の女にすぐ惚れて

                              動物の言葉を話す男と古代のおとぎ話を忘れた近代社会が対立する、エストニア発の傑作ファンタジィ──『蛇の言葉を話した男』 - 基本読書
                            • この作者はこれだけ読んどけばいいみたいな

                              ガダラの豚 ハサミ男

                                この作者はこれだけ読んどけばいいみたいな
                              • もし、ヒトラーが濡れた子犬を拾っていたら。 - Something Orange

                                話題の一冊『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』を読んでいる。 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか? (岩波ブックレット) 作者:小野寺 拓也,田野 大輔 岩波書店 Amazon 「ナチスは「良いこと」もした」という俗論を専門家の視点から批判的に検証した本で、とても面白いし、勉強になる。 本書では「ナチスは「良いこと」もした」という一種のまぜっかえし的な理屈が取り上げられ、それが歴史学的には端的に「まちがい」といってしまえることを詳細に検証していく。 そうはいってもナチスも「良いこと」もしているのではないかと漠然と考えているような人にとっては刺激的な内容といえるだろう。 歴史一般やいわゆる「歴史修正主義(リヴィジョニズム)」について知りたい方には文句なしにオススメできる一冊だ。 もっとも、「文句なし」というのは少し過言であるかもしれない。 ぼくはナチスやドイツ史について何ら専門的な知

                                  もし、ヒトラーが濡れた子犬を拾っていたら。 - Something Orange
                                • 押井守による縦横無尽の続篇映画語り──『映画の正体 続編の法則』 - 基本読書

                                  映画の正体 続編の法則 (立東舎) 作者:押井 守立東舎Amazon20年に『押井守の映画50年50本』という、1968年からはじまり1年に1本、「今の押井守にとって、その年を代表する映画」を語る本が刊行された。押井守は今まであらゆる媒体で映画について語っているがこの本は縛りがユニークで、傑作ではなく”お気に入りの映画”を中心に演出・映画論が語られていることもあって、近年の押井本の中でも当たりな一作だった。本作『映画の正体 続編の法則』はその続篇となる。 で、本書自体が続篇なので、シリーズものの映画について語ろう! ということになったようだ。マーベルシリーズを筆頭にゴジラやらトランスフォーマーやら007やら続篇映画は数こそは多々あれど、続篇をテーマにして読みどころのある話が展開するのかいな、と疑問に思いながら読み始めたのだけど、これが『映画50年50本』とは違った様相を呈しておりかなりおも

                                    押井守による縦横無尽の続篇映画語り──『映画の正体 続編の法則』 - 基本読書
                                  • 「UNIXという考え方」から連想されるすべてのアイデア | Developers.IO

                                    ちゃだいん(@chazuke4649)です。 今社内で改めて名著であるとしてその名前をよく見聞きする「Unixという考え方」。積ん読になっていたので最近ようやく読みました。すると驚くほど気づきが多かったので今回ブログで書いてみることにしました。 前提として日頃考えていること ちょっと自論ですが、IT(情報技術)、コンピューター、インターネット、これらの分野の本質は「課題解決」であると考えます。それを実現するための道具(手段)として現在私たちがありがたく使っている様々な技術が存在すると思うのです。それはどういうことかというと、これらの技術が発達した背景にはいつも何かの課題があり、それを解決するための工程や軌跡がこれらの歴史を作ってきたという風にみて取れるからです。例えば、ワールドワイドウェブの誕生は多くの場面で語り尽くされていますが学会の論文にて引用している文献をいちいちメールや郵送でやり取

                                      「UNIXという考え方」から連想されるすべてのアイデア | Developers.IO
                                    • 【Rust】日本語で読めるRust言語の商業本まとめ(2023年4月)【おすすめ】 - Rのつく財団入り口

                                      機運高まるRust言語に入門しよう Windows自体の開発に使われていることも判明、次期Android OSの開発言語にも採用、ついにLinuxでも採用される(かも)とのことで最近機運が高まっているMozilla発のRust言語。 このエントリでは商業本を分野別に、その中では発行日が新しい順にまとめてみました。第2版がある本の初版含め合計約25冊。そのうち2022年に出たのが計9冊、【追記】2023年に2冊と、数えてみると既にけっこうな冊数になっています。Go言語の日本語の本が確か合計15冊前後ぐらいだったので負けずに盛り上がっていますね。 機運高まるRust言語に入門しよう 補足的にRust本の傾向 入門者向けの本 動かして学ぶ!Rust入門 パーフェクトRust ゼロから学ぶRust システムプログラミングの基礎から線形型システムまで (KS情報科学専門書) 手を動かして考えればよく

                                        【Rust】日本語で読めるRust言語の商業本まとめ(2023年4月)【おすすめ】 - Rのつく財団入り口
                                      • 『皆勤の徒』の著者最新作にして、今年いちばんおもしろかった傑作SF長篇──『奏で手のヌフレツン』 - 基本読書

                                        奏で手のヌフレツン 作者:酉島 伝法河出書房新社Amazon酉島伝法はデビュー作の連作短篇集『皆勤の徒』と第一長篇『宿借りの星』が共に日本SF大賞を獲得と、寡作ながらもその作品は常に高い評価を受けてきた。 そんな酉島伝法による最新作『奏で手のヌフレツン』は2014年にSFアンソロジー『NOVA』に載った同名短篇の長篇版で、これが著者の現時点での最高傑作といっても過言ではないほど素晴らしい出来だ。酉島伝法の作風は造語を駆使しながら人ならざるものたちの世界、視点、文化を細かく描き出していく、一言でいえば「唯一無二」という他ないものだ。本作でもその特徴は引き継ぎながらも、ストーリー、世界観はともに既作よりも壮大さを増し、読みながら「今までこんな感覚、文章を読んで味わったことがないな……」と思うほど特殊な感覚と興奮が呼び起こされた。 たとえば下記は本作の一ページ目の文章で、奏で手と呼ばれる人たちが

                                          『皆勤の徒』の著者最新作にして、今年いちばんおもしろかった傑作SF長篇──『奏で手のヌフレツン』 - 基本読書
                                        • 人間は、どこまで遠くを見れるのか。『法治の獣』著者がおくる、傑作宇宙探査SF──『一億年のテレスコープ』 - 基本読書

                                          一億年のテレスコープ 作者:春暮 康一早川書房Amazonこの『一億年のテレスコープ』は、早川のSFコンテスト(第七回)で優秀賞を受賞、受賞後に刊行されたSF中篇集『法治の獣』は年間ガイドの『SFが読みたい!』で国内篇の一位を獲得と、順調にその実力を証明してきた作家・春暮康一の最新長篇だ。 著者のデビュー作(『オーラリメイカー』)は、天の川銀河に属する文明群が正体不明の星系改造種族に迫る、質実剛健というか手触りの良い中篇であった。続く中篇集の『法治の獣』には、シンプルに驚かされた。ウェルメイドを突き抜け、圧倒的な個性と視点で、地球外生命体SFやファーストコンタクトもののあらたな地平を切り開いていく気概が感じられた。先日刊行されたアンソロジー『地球へのSF』所収の「竜は災いに棲みつく」は、同アンソロジーの中でも突出した広義の気候変動ものだった。 ようするに、著者は新作を読めば読むほど驚くよう

                                            人間は、どこまで遠くを見れるのか。『法治の獣』著者がおくる、傑作宇宙探査SF──『一億年のテレスコープ』 - 基本読書
                                          • 信用できない歴史関連本の見分け方 - 読む・考える・書く

                                            いま、ある調べ物をする必要から北康利『白洲次郎 占領を背負った男』という本を読んでいるのだが、一読してみて、この本の内容はまったく信用ならない、という結論になった。 なぜこの本が信用できないかを説明していくと、ある意味、一見もっともらしいが実際には信用に値しない歴史関連本の見分け方の解説にもなると思うので、ちょっと書いてみることにする。 参考文献の恣意的利用 この本の中に、こういう記述がある。日本国憲法のGHQ草案では国会が一院制とされていたことに関する話である。[1] このとき、松本が勇気を振り絞って口を開いた。 「一つ申し上げておきたいが、二院制というのはただなんとなく二つあるというのではなく、チェック&バランスの役割を果たしているのです」 松本のその言葉に対し、ホイットニーは意外にも素直に耳を傾けた。後年、「参議院など不要だ!」と発言する次郎も、このときばかりは松本を応援したい気持ち

                                              信用できない歴史関連本の見分け方 - 読む・考える・書く
                                            • 日本の科学は失速状態 『誰が科学を殺すのか 科学技術立国「崩壊」の衝撃』 - HONZ

                                              日本の科学は失速している。一昨年の3月、ネイチャー誌に掲載されたレポートは大きな反響を呼んだ。一般の人たちには驚きを持って迎えられたようだが、多くの研究者にとっては、やはりそうかという感じであった。 『誰が科学を殺すのか』は、企業の「失われた10年」、「選択と集中」でゆがむ大学、「改革病」の源流を探る、海外の潮流、の4章から構成されている。毎日新聞に掲載された「幻の科学技術立国」シリーズが元になった本だ。 大学に関しては、行きすぎた選択と集中、地方国立大学の疲弊、若手研究者の待遇の悪さ、博士課程進学者減少などが紹介されており、内部で実感していることと完全に一致する。 どのテーマについても、客観的かつ冷静な記述と考察がなされている。わかっているにもかかわらずマスコミがなかなか書かなかったiPS細胞関連予算の問題点についても、果敢に踏み込んでしっかりと書かれている。 ネイチャー誌の記事以来、論

                                                日本の科学は失速状態 『誰が科学を殺すのか 科学技術立国「崩壊」の衝撃』 - HONZ
                                              • プロの研究者によるレベル1000のデイリーポータルZ~「みんなの民俗学 ヴァナキュラーってなんだ?」

                                                デイリーポータルZのライター、関係者が愛読している本を語ります。 今回はライターのこーだいさん。レコメンドは「みんなの民俗学 ヴァナキュラーってなんだ?(平凡社新書)」 聞き手はまこまこまこっちゃん、拙攻、石川です。 ではこーだいさん、お願いします。 こーだい: 民俗学の入門書です。 石川: 今回の収録、すごい本のチョイスに偏りがありませんか(笑) ※同じ収録回の記事 地球の歩き方インドの編集者が世界を旅して集めたものたち~ひとりみんぱく 1969年、別に行きたくなかった人によるソ連旅行記~犬が星見た-ロシア旅行 こーだい: メンバー的に、絶対こうなるだろうなって思ってました(笑) でも、すごくデイリーポータルZ的なんですよ、これ。 まこ: へー。 こーだい: B級グルメのことをひたすら調べたりとか、喫茶店のモーニング文化ばっかりひたすら調べたりとか。 拙攻さんがオランダで船の上で生活して

                                                  プロの研究者によるレベル1000のデイリーポータルZ~「みんなの民俗学 ヴァナキュラーってなんだ?」
                                                • 小熊英二、樋口直人編『日本は「右傾化」したのか』 - 西東京日記 IN はてな

                                                  ここ最近話題になっている「右傾化」の問題。「誰が右傾化しているのか?」「本当に右傾化しているのか?」など、さまざまな疑問も浮かびますが、本書はそういった疑問にさまざまな角度からアプローチしています。 実は、国民意識に関しては特に「右傾化」という現象は見られないが、自民党は以前より「右傾化」しているというのが、本書の1つの指摘でもあるのですが、そのためか、執筆者に菅原琢、中北浩爾、砂原庸介といった政治学者を多く迎えているのが本書の特徴で、編者は2人とも社会学者であるものの、社会学からの視点にとどまらない立体的な内容になっていると思います。 目次は以下の通り。 総 説 「右傾化」ではなく「左が欠けた分極化」  小熊英二 第I部 意 識 1 世論 世論は「右傾化」したのか  松谷満 2 歴史的変遷 「保守化」の昭和史――政治状況の責任を負わされる有権者  菅原琢 第Ⅱ部 メディア・組織・思想 1

                                                    小熊英二、樋口直人編『日本は「右傾化」したのか』 - 西東京日記 IN はてな
                                                  • 宇治の伝統寺院が中華オブジェに乗っ取られた? 中国共産党「浸透工作」の驚愕の実態 | 文春オンライン

                                                    コロナ禍の前後から、中国の対外工作や戦狼外交(西側諸国に対して中国外交官が過剰に攻撃的な姿勢を取ること)はいっそう露骨になった。日本国内での公安出先機関の設置工作や、Xで暴言を連発する中国駐大阪総領事の素顔は、すでに過去の記事でも見てきたとおりだ。さらに、彼らはなんと日本の伝統仏教の世界にも浸透工作を仕掛けていた事実が判明した──。12月15日に『戦狼中国の対日工作』(文春新書)を刊行する安田峰俊氏が、実態に迫った。 明代仏教を伝える⽇本の仏教寺院にせまる影 「黄檗宗」という仏教宗派をご存知だろうか。信者数こそ約7.3万人とすくないものの、日本の伝統仏教十三宗の一角を占めており、数百万人以上の信者を抱える大宗派とも対等の権威と社会的信用を持つ。同じ禅宗の大宗派である臨済宗や曹洞宗とは、法統の上でも親類関係にあり関係が良好だ。 黄檗宗の最大の特徴は、宗祖の隠元隆琦(いんげんりゅうき:1592

                                                      宇治の伝統寺院が中華オブジェに乗っ取られた? 中国共産党「浸透工作」の驚愕の実態 | 文春オンライン
                                                    • HONZ|note

                                                      2011-2024 この13年間における最高の一冊 2011年7月15日にオープンしたノンフィクション書評サイトHONZ。本日2024年7月15日をもちまして13年間のサイト運営に終止符を打つこととなりました。 2011年の東日本大震災から、記憶に新しいコロナ禍まで。はたまたFacebookの時代からChatGPTの到来まで。その間に紹介してきた記事の総数は6105本。 発売3ヶ月以内の新刊ノンフィクションという条件のもと、数々のおすすめ本を紹介する中で、様々な出会いに恵まれました。信じられないような登場人物たち、それを軽

                                                        HONZ|note
                                                      • トマ・ピケティ『資本とイデオロギー』 - 西東京日記 IN はてな

                                                        本書を「『21世紀の資本』がベストセラーになったピケティが、現代の格差の問題とそれに対する処方箋を示した本」という形で理解している人もいるかもしれません。 それは決して間違いではないのですが、本書は、そのために人類社会で普遍的に見られる聖職者、貴族、平民の「三層社会」から説き始め、ヨーロッパだけではなく中国やインド、そしてイランやブラジルの歴史もとり上げるという壮大さで、参考文献とかも入れると1000ページを超えるボリュームになっています。 ここまでくるとなかなか通読することは難しいわけですが(自分も通勤時に持ち運べないので自宅のみで読んで3ヶ月近くかかった)、それでも読み通す価値のある1冊です。 本書で打ち出された有名な概念に「バラモン左翼」という、左派政党を支持し、そこに影響を与えている高学歴者を指し示すものがあるのですが、なぜそれが「バラモン」なのか? そして、本書のタイトルに「イデ

                                                          トマ・ピケティ『資本とイデオロギー』 - 西東京日記 IN はてな
                                                        • 市場原理ってなんですか?(ウェンディ・ブラウン『いかにして民主主義は失われていくのか』読書メモ) - 清く正しく小賢しく

                                                          今回紹介するのはこちら。 ウェンディ・ブラウン『いかにして民主主義は失われていくのか 新自由主義の見えざる攻撃』 いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃 作者:ウェンディ・ブラウン みすず書房 Amazon 本書の存在は前から知っていたが、前回紹介した論文でヒースが新自由主義批判本の例として紹介していたため、重い腰を上げて読んでみることにした。 kozakashiku.hatenablog.com と言っても、もともと苦手なタイプの本なので、メモをとりながら読めたのは第一部(1~3章)と終章だけで、具体的な事例を扱っている第二部についてはほとんど論評できない*1。読んだ部分にしても、正直半分くらいは何を言ってるのかよく分からなかった。が、ここではとりあえず力の限り頑張ってみたい。 新自由主義は「お金」の問題ではない 競争=市場原理? 競争それ自体の評価 感想 新自

                                                            市場原理ってなんですか?(ウェンディ・ブラウン『いかにして民主主義は失われていくのか』読書メモ) - 清く正しく小賢しく
                                                          • 青木健『ペルシア帝国』(講談社現代新書 2020年)の諸問題|アザラシ

                                                            「ひどいよドクロちゃん。何がひどいって全部ひどい」 (OVA「撲殺天使ドクロちゃん」第2期4話より) この記事ですが、タイトルに掲げました通り、青木健『ペルシア帝国』(講談社現代新書 2020年)を読んでの感想や批評、および古代ギリシア史を学んだ人間からのツッコミです。 『ペルシア帝国』がお手元にあって、なおかつどんな問題点があるかを把握したいという人向きの記事ですので、「面白ければヨシ!」という方にはオススメしません。 また、私の専門分野の都合上、本書全体の4分の1程度、アカイメネス朝に関わる部分のみを批判の対象としています。これ以外の時代・地域の問題点を把握したい方は以下の記事やレヴューが参考になります。 ・春田晴郎先生の連続ツイート https://twitter.com/HarutaSeiro/status/1307841405193080832 ・「青木健著『ペルシア帝国』で確認

                                                              青木健『ペルシア帝国』(講談社現代新書 2020年)の諸問題|アザラシ
                                                            • リアルロボットアニメとそのプラモデルの黄金時代はたった4年しか続かなかった、という話。 | 超音速備忘録

                                                              昨年暮れ、いきなりゲラのpdfが送られてきた。 『'80sリアルロボットプラスチックモデル回顧録』と題されたその本は、 その名の通り、ガンプラブームに端を発したリアルロボットアニメとそれを取り巻くプラモデル文化の狂乱と、 そのあまりにもあっけない終焉(……そう、終焉だ)を網羅的かつ異常なテンションでまとめた一冊であった。 読んでいるだけで、いつもの調子で喋りまくるあさのまさひこの肉声が画面を通じて聞こえてくるようだった。 そして信じられないほど濃厚で、ありえないほど量の多い脚注。 左上に注記してあるとおり、この本には写真やイラストといった図版はいっさいない。 画像なんてググればほとんど出てくるし、おそらくここに出てくる物体について断片的に記録された雑誌や書籍はゴマンとある。 しかし、書いてあることはググって出てくることとそうでないことがあり、ちゃんと全てが地続きに語られている。 これがマジ

                                                                リアルロボットアニメとそのプラモデルの黄金時代はたった4年しか続かなかった、という話。 | 超音速備忘録
                                                              • 2043年、ブドウを死滅させるウイルスの蔓延によりワイン産業が危機に瀕した世界を描き出す、極上のワインSF──『拡散 大消滅2043』 - 基本読書

                                                                拡散 上 大消滅2043 (文春文庫) 作者:邱挺峰文藝春秋Amazon『拡散』は、台湾の作家邱挺峰の作家デビュー作にあたる、近未来ワインSFである。最初、書名だけ見てありがちな終末SFだと思い食指が動かなかったのだが、読み始めてみればワインの愛好家によって書かれた、極上かつ本格的なワインSFであった。 登場人物は誰も彼もワイン産業従事者、評論家で、作中では誰も彼もがワインを飲みまくり、飲めば味や香りを語りまくり、ついでに歴史や産地当てゲームも行われる。異様なまでのワインへの熱量によって書かれた小説であることは読み始めた直後から疑いようもなく、特に終盤はその情熱に唖然とするほどだった。スリラーとして見た時展開が単調に感じられる面もあるにはあるのだが、そんなことがどうでもよくなるぐらいワインSFとして唯一無二の作品である。今年の掘り出し物といえる一冊だ。 あらすじ、世界観など 物語は主にブド

                                                                  2043年、ブドウを死滅させるウイルスの蔓延によりワイン産業が危機に瀕した世界を描き出す、極上のワインSF──『拡散 大消滅2043』 - 基本読書
                                                                • 現代人の超自我と、逃れられない「こころ」の問題 - シロクマの屑籠

                                                                  最近は見かけることも少なくなったが、かつては神経症とかノイローゼとかいった「こころ」の病名をよく見かけた。 これらはフロイト以来の精神分析にかかわる「こころ」の病名で、おおざっぱにいえば「こころ」の内面の葛藤やこじれに関するものだった。1990年代に目立った境界性パーソナリティや自己愛パーソナリティなども、「こころ」の成熟を問題としていたから、「こころ」の病名の一部とクローズアップされたとみていい。 しかし現在は違う。 精神医療の診断の多くは、アメリカ精神医学会の診断基準(DSM)に基づいて行われるようになり、その診断基準には、神経症やノイローゼといった病名は存在しない。現代の精神医療は、患者さんの「こころ」に関して病名をつけるのでなく、第三者にも観察可能な振る舞いを診断基準としている。「こころ」に深入りしなくなったからといって、精神医療が衰退したわけではない。むしろ逆で、「こころ」にこだ

                                                                    現代人の超自我と、逃れられない「こころ」の問題 - シロクマの屑籠
                                                                  • 『タッチ』の南ちゃんは本当は何者だったのか|CDBと七紙草子

                                                                    これは異議ありですね。野球部の女子マネージャー企画にテレビ局が「南ちゃんを探せ」と名付けたあたりから「浅倉南=女子マネージャー」というイメージが定着した気がしますが、『タッチ』を最終巻まで読むと実は南ちゃんは自分の体操選手権に優先出場して達也の甲子園は客席に応援にすら行っていない https://t.co/zc7Zlg2yL2 — CDB (@C4Dbeginner) November 26, 2019 一応言っておくと、元ツイのにゃにゃこさんは僕と以前から相互フォローの方で(まあ相互フォローったって4万人くらいいるのだが)特に僕としては「フェミの表現規制だ!」とか「ヴォルテールいわく」とか「それはどういう意味でしょうか?(メガネピコピコ)」とかそういう話をしたかったのではなく、「そういえばタッチの南ちゃんって昔からなぜか人によってイメージがバラバラだよね」という話を軽くしたつもりが、これ

                                                                      『タッチ』の南ちゃんは本当は何者だったのか|CDBと七紙草子
                                                                    • 大塚淳『統計学を哲学する』について - mercbeinpのブログ

                                                                      この記事は、大塚淳『統計学を哲学する』(2020年、名古屋大学出版会)についての記事である。特に、哲学の観点から、本書における認識論への言及について論じる。 先に自己紹介をしておこう。私は数年前に大学院の修士課程を修了し、それ以降は特に哲学とは関係のない仕事をしている。大学では、学部・院を通して分析的認識論を勉強・研究していた。伝統的・非形式的な認識論のほうが詳しいと思っているが、形式認識論(特に確率を用いるベイズ認識論)についても関心を持っていて、博士課程に進んでいたらベイズ認識論を中心にした研究を行おうとも思っていた。数年前の記事になるが、私がどのようなトピックを学んでいたかは、現代の分析的認識論を紹介したこのブログ記事を読むとより把握できると思う。 踏まえて、以下の文章は主に哲学の視点からみたものになり、記述の大半は哲学的認識論に割かれている。帰納推論や因果推論などのトピックについて

                                                                        大塚淳『統計学を哲学する』について - mercbeinpのブログ
                                                                      • 知能の仕組みを解き明かし、人間を超えた汎用人工知能やマインドアップロードの可能性まで考察する──『脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論』 - 基本読書

                                                                        脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論 作者:ジェフ ホーキンス早川書房Amazon人間は日々新しいことを学び続けている。民主主義についてや数学の理論など複雑な概念に限った話ではなく、たとえばアプリをダウンロードしたらその使い方を学ぶだろう。道を歩けば、こんなところにハンバーガー屋や眼科ができたんだな、と気がつき、日々頭の中の情報、世界のモデルは書き換わっていく。 それらは、必死になって英単語を覚えるように努力して覚えるようなものではなく当たり前のように行われることなので、特に高度なこととは思えない。しかし、人間のそうした自律的な学習機能がプログラム上でそう簡単には実現できていないことからもわかるように、実際には相当に複雑なことをやってのけているのである。では、我々の脳の中では、そうした偉業がどのようにして成し遂げられているのか? 本書『脳は世界をどう見ているのか』

                                                                          知能の仕組みを解き明かし、人間を超えた汎用人工知能やマインドアップロードの可能性まで考察する──『脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論』 - 基本読書
                                                                        • 書評:これからはじめるReact実践入門 - ナカザンドットネット

                                                                          明日、2023/9/28に発売する「これからはじめるReact実践入門」を献本いただきましたので、簡単に目を通した感想を書こうと思います。 これからはじめるReact実践入門 目次 目次 かなり網羅性が高い 足りない情報があったら プロを目指す人のためのTypeScript入門 Next.jsについて、次に読む本はありますか? 補足したいところ Create React Appを使わない選択肢もある Recoilさんは開発状況がちょっと心配 React Routerの知識が活きるアプリケーションフレームワークもある まとめ おまけ 2023.9.28 10:36追記 かなり網羅性が高い パラパラと読んでみて感じたのは、かなり手広く、それでいて一定の深みもある本だということです。出版社のサイトにある目次を見てみましょう。 Chapter 1 イントロダクション 1-1 ReactとJavaS

                                                                            書評:これからはじめるReact実践入門 - ナカザンドットネット
                                                                          • Big Sky :: 書評: Visual Studio Code 実践ガイド

                                                                            執筆者様に Twitter でお声掛け頂き、発売前ながら献本頂く事になりました。執筆された森下様、送付頂いた技術評論社様、ありがとうございました。 Visual Studio Code は登場から色々な機能を取り込みつつ着実にユーザを増やし、統合開発環境としては今や飛ぶ鳥を落とす勢いになった言って良いでしょう。以下は 2019 年の Stackoverflow Survey で公開された有名な開発環境の調査結果です。 僕は普段は Vim というテキストエディタを使っていますが、実は僕は色々なテキストエディタを試します。Emacs も人並み程度使えますし、Visual Studio Code も拡張を自分で書いた事がある程度には使っています。 Search results - mattn | Visual Studio Code , Visual Studio Marketplace ...

                                                                              Big Sky :: 書評: Visual Studio Code 実践ガイド
                                                                            • 直木賞受賞『地図と拳』、「満洲」をめぐる“歴史考証”のプロセスが圧巻だった…! 考証者が語る創作秘話(澁谷 由里)

                                                                              日本SF界の注目作家・小川哲による巨編歴史小説『地図と拳』が第168回直木三十五賞を受賞した。日露戦争後からの半世紀、満洲​のとある町という絶妙な舞台で、歴史・地理・風俗・文化の背景が緻密に描かれ、そこにダイナミックなドラマが展開するこの作品は、一読した読者を強力に惹きつけている。 この壮大な歴史ドラマはいかにして作られ得たのか。実は、作品の歴史考証には、ある中国史研究者が協力していた。『馬賊の「満洲」 張作霖と近代中国』(講談社学術文庫)の著者である澁谷由里氏がいま語る、創作と考証をめぐる秘話。 作家の「ツボ」を衝いた? カルト集団事件の研究書 第168回直木三十五賞受賞作『地図と拳』(集英社刊)の歴史考証を、『小説すばる』での連載開始前から単行本刊行までの約4年間、筆者は手がけてきた。「満洲もの」を書きたいと志した著者の小川哲氏が、拙著を読まれて、担当編集者とともに筆者の研究室を訪ねて

                                                                                直木賞受賞『地図と拳』、「満洲」をめぐる“歴史考証”のプロセスが圧巻だった…! 考証者が語る創作秘話(澁谷 由里)
                                                                              • 『誤謬論入門 優れた議論の実践ガイド』を読んだ - こまぶろ

                                                                                3月に発売されたばかりの『誤謬論入門 優れた議論の実践ガイド』(原題:Attacking Faulty Reasoning)*1を読んだ。 誤謬論入門 優れた議論の実践ガイド 作者:T・エドワード・デイマー九夏社Amazon 原書は、非形式論理学・クリティカルシンキングの教科書として使われているもので、初版が1980年、今回の翻訳の底本となっている第7版が2013年の出版と、帯に謳われている通りの「ロングセラー」本のようである。 自分はこの分野が専門だったわけでもないのだが、論理学には学生時代少し興味があったし、どうすれば議論を実りのあるもの、平行線を辿らずに済むものにできるかということを意識する機会も多いので、この翻訳本の紹介を見てすぐ予約購入した。 「前件否定の誤謬」や「規範的前提の欠如の誤謬」といった「論理学らしい」誤謬のほかに、「藁人形論法」や「お前だって論法」といったTwitte

                                                                                  『誤謬論入門 優れた議論の実践ガイド』を読んだ - こまぶろ
                                                                                • 今年の10冊 - 備忘録

                                                                                  恒例のエントリーです。本稿では今年出版された書籍ではなく、前年の同エントリー以降に読んだ書籍の中から10冊を取り上げます。以下、順不同で。 オリヴィエ・ブランシャール(田代毅訳)『21世紀の財政政策 低金利・高債務下の正しい経済戦略』 21世紀の財政政策 低金利・高債務下の正しい経済戦略 (日本経済新聞出版) 作者:オリヴィエ・ブランシャール日経BPAmazon traindusoir.hatenablog.jp r-g<0が中長期的に継続する可能性が本書の肝。そのため、これまでのマクロ経済学の「定型的事実」に対する異論が並べられる。使用される知識は、ローマー『上級マクロ経済学』であれば第2章までのラムゼイモデルと世代重複モデル。 大塚啓二郎、黒崎卓、澤田康幸、園部哲史(編著)『次世代の実証経済学』 次世代の実証経済学 作者:大塚 啓二郎,黒崎 卓,澤田 康幸,園部 哲史日本評論社Amaz

                                                                                    今年の10冊 - 備忘録

                                                                                  新着記事