ロシア・ブロディ村の学校で、授業を受ける子どもたち(2019年10月17日撮影)。(c)Olga MALTSEVA / AFP 【12月30日 AFP】黒板が置かれた小さな部屋で1年生のダーニャ君(7)は、先生が母音と子音の説明をするのを聴いている。ロシアの首都モスクワの北約500キロに位置するブロディ(Brodi)村の学校には36人の児童がいるが、うち13人はダーニャ君のように里親の下で暮らしている。 「養子縁組によって学校と村が救われた」。ゲンナジー・チスチャコフ(Gennady Chistyakov)校長は、大半のロシア人と同様、里親制度のことを「養子縁組」と呼ぶ。「子どもたちがいなかったら、学校は閉鎖されていただろう」 里親制度はブロディ村だけではなく、無数の村々の命綱となっている。ロシアの地方部には仕事がなく、急激な人口減少により学校や診療所は閉鎖され、緩慢な死に向かっているから