幅広い年齢層に人気があるJRの格安乗車券「青春18きっぷ」のちらしがこの春、駅頭から一斉に姿を消した。ほかにない叙情的な写真や惹句(じゃっく)が旅心を誘い、ちらしを収集する愛用者もいたほどだが、JR各社は「配布に見合う効果がない」と作製を中止。一方で専門家は、新幹線ばかりを宣伝するJRの姿勢に対し「もっと多様な選択肢を提示すべきだ」と話す。 18きっぷはJR全線の普通列車に乗り放題の切符。春夏冬の一定期間中、任意の5日間を選べて1万1850円(1日当たり2370円)。横浜−大阪間は普通列車で8時間以上かかるが、費用は新幹線の2割弱と安い。年齢制限はなくシニア世代にも人気だ。 JR東日本は「販売実績に結び付かない」と、中止の理由を説明する。駅貼りのポスターは残るが、掲示駅は激減した。「北陸新幹線や上野東京ライン開業関連のポスターが多く、掲示機会が少ない」とする。 とはいえ、18きっぷの