『なんとなく、クリスタル』はブランド小説と揶揄されたそうだが、実際は音楽タイトルのほうが遥かに多く、洋楽カタログ小説といったほうが事実に近い。 しかし、登場するファッションブランドの多くは今もなお残っているが(定着した、というべきか)、音楽ははやり廃りが激しい上、個人的に1980年頃となるとジョン・ゾーンやキップ・ハンラハンといった当時のニューヨークのアンダーグラウンドシーンか、ワールドミュージックくらいしかフォローしていないので(実にありふれた音楽の聴き方である)、同時期にアメリカのヒットチャートを賑わした類いの「洋楽」は恥ずかしながら殆どわからない。 その上、まだレコードの時代なので、後にCD化されても、アナログ時代と同じように出回るものでもなく、中古屋で安く手に入れるのも難しい。 かつてならそこで、さようなら、クリスタルたちとなったわけだが、今はYouTubeというものがある。AOR