年末から正月にかけて読んで、あまりの面白さにびっくりした本。 朱子伝 (平凡社ライブラリー) 作者: 三浦國雄出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2010/08/10メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 27回この商品を含むブログ (4件) を見る 大思想家とされる朱子だが、この本では、気が短く直情径行で寛容さに欠けていたり、言行不一致であったり、またそうかと思うと心を許した弟子には見っともないほどに愛着や弱音を吐露してしまうなどといった、矛盾と欠点に満ちた「人間朱子」の姿、そうした性格上の欠点をよく自覚していながら、それを十分に克服することも出来ないまま死んでいった一人の男の姿が浮き彫りにされている。 著者の深い敬意と愛情を込めて描き出された、生身の朱子像と呼ぶべきものである。 朱子の性格について、彼をよく知る人は、たとえば次のように諌めていたという。 友人であり、思想上の好き