白楽晴(ペク・ナクチョン)氏は、一九八〇年代末以来、分断された朝鮮半島の現実を体系的かつ総合的に認識するために、「分断体制」の概念を提起してきた人である。二〇〇五年以来、「六・一五共同宣言実践」南側委員会の代表を歴任するなど、実践的な活動にも関わってきた。*1 氏の『朝鮮半島統一論――揺らぐ分断体制』(2001年)は以前読んだことがあったが、先日、図書館で『朝鮮半島の平和と統一 ――分断体制の解体期にあたって』(2008年、原著2006年)という本を見つけたので、借りてきた。 今年に入って、韓国哨戒艦沈没事件(3月)や延坪島(ヨンピョンド)への砲撃事件(11月)があり、それに対抗して、米韓合同軍事演習が行われるなど、朝鮮半島に軍事的な緊張感が高まっている。われわれには、こういう事件は突発的で不可解な、非道な行為にみえるけれども、国際関係の現実は相互作用的に構成されるものである以上、われわれ