書きあぐねている人のための小説入門 作者: 保坂和志出版社/メーカー: 草思社発売日: 2003/10/31メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 16人 クリック: 393回この商品を含むブログ (133件) を見る 保坂和志は、現役作家中もっとも好きな作家で、この本もたいへんいい本だと思うが、次のところには違和感を持つ。 『何を書くか?』という章のなかの「「猫」を比喩として使わない」という変った題のついた文なのだが、ここでは保坂が小説を書くときの方針のひとつとして、たとえば「猫」という描かれる存在を登場人物の心理を説明するための道具(比喩)として使わない、ということが述べられている。 飼っていた子猫が重病から回復することに付き添うというという体験を経た作家は、「猫を猫として書く」ということを自分が小説を書くことの出発点とした、とも書いていて、この「(猫を)道具として使わない」という態
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