◇仏「ヌーベルバーグ」の旗手 「クレールの膝」「緑の光線」などで知られ、「ヌーベルバーグ(新しい波)」の中心的人物の一人だったフランスの映画監督、エリック・ロメール(本名ジャンマリー・モーリス・シュレール)さんが11日、死去した。89歳。死因は明らかにされていないが、1週間ほど前から入院していた。 フランス生まれ。教師をへて、映画評論誌「カイエ・デュ・シネマ」編集長を務め、59年「獅子座」を初監督。ジャンリュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォー両監督らとともに、即興演出などの手法を駆使したヌーベルバーグの中心的存在として作品を撮り続けた。 60~70年代に「モード家の一夜」(69年)など、「六つの教訓話」シリーズを発表。76年の文芸映画「O侯爵夫人」でカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。 80年代に入ると、「飛行士の妻」(81年)などを含む「喜劇と格言劇」シリーズを監督。この中の