「過去の出来事を現在の視点だけで批判するのは一方的すぎる」(今田忠彦教育委員長)、「今の若者は自国への誇りを抱けずにいる」(中里順子委員)―。歴史と公民の中学校教科書に育鵬社版を採択した横浜市教育委員会。今田委員長をはじめとする育鵬社に投票した4委員は、新学習指導要領の文言を引用しながら持論を展開した。 一方で山田巧教育長は歴史について「多角的に考察する学習をし、(考え方の)選択肢を与えることがもっとも大切だ」と主張。公民でも、4委員が国旗国歌や領土問題、東アジア情勢など政治的事例の扱いにこだわる中で「中学生にとって分かりやすいテーマ設定や工夫があることが大事」と意見を述べた。 委員会終了後の会見で今田委員長は「日本に対する温かい捉え方があり、学ぶ意欲をかき立てる」と育鵬社版教科書を評価。山田教育長は「検定を通り教育委員が選んだ結果」と言うにとどめた。 また今田委員長は市民団体などか