銀行が集めた預金をどれだけ貸し出しているかを示す預貸率(預貸率)がこの10年で90%台から70%台に急減している。その裏には壮絶な「貸し渋り」「貸し剥がし」が行なわれているのだ。そんな現場をレポートする。 中小企業だけでなく、個人向けの住宅ローンも容赦なく回収される。 近年、住宅ローンを払えなくなって自宅を失う悲劇が、「不況の影響」としてマスメディアを賑わす。が、そうした事例が増えているのが、本当に「ローンを払えない人が増えたから」なのかは、疑ってかかる必要がある。 確かに競売に掛けられる個人の住宅は増えている。 2010年に入って減少したように見えるが、これは返済猶予を認めた中小企業等金融円滑化法が2009年末に施行され、住宅ローンの借り換えや返済期間の延長に銀行が応じるようになって、ローン破綻者が一時的に減ったからである。 住宅ローンのトラブルの相談を受ける安田コンサルティン