福島原発後の3月末の France 2 のニュースでペルラン博士のことを初めて知った。フランスでは福島の原発事故でチェルノブイリの記憶が蒸し返されることになったが、その中でもとりわけペルラン博士の裁判に注目が集まっている。25年前チェルノブイリの事故直後、ヨーロッパに放射能雲が流れてきた際に、ドイツとイタリアはすぐに「野菜や果物を食べるな」と言ったが、フランス政府は「国境で放射能雲が止まったから安心」と発表した。その判断を下したのが当時のフランスの放射能防護の責任者、ペルラン博士だった。ニュースでは自分がチェルノブイリの被害者だと信じているフランスの人たち(とりわけ86年当時乳児や幼児だった)がインタビューに応え、健康不安を訴えていた。すでに甲状腺を摘出し、甲状腺ホルモンを飲み続けている人もいた。 以下は3月31日のフィガロ誌(WEB)に掲載された「チェルノブイリ:ペルラン博士の予審免訴