2010年05月07日掲載 2000年9月に始まった第2次インティファーダの後、ヨルダン川西岸地区において最も人口の多い町の一つであるナブルスは完全に外部と遮断された。そして現在、新たな形の暴力がこの町を支配している。イスラエル人入植者の数が増加しつづけ、パレスチナ人住民と入植者の居住地とがますます接近し、共存を強いられている。この問題は最近になって深刻さを増して、新たな精神的苦痛を引き起こしているため、国境なき医師団(MSF)はその対応にあたっている。 新たな緊張に覆われる町 数年前、ナブルスの町を取り巻くようにイスラエル軍の検問所が設けられ、住民たちの自由な出入りは禁じられた。しかし、その後、パレスチナ自治政府がヨルダン川西岸地区における治安維持を強化したことを受けて、また、イスラエル政府の新たな「経済による平和」戦略の一環として、2009年の半ばからは検問が緩められ、パレスチナ人の移