「主軸」が揺らぐ 米大統領選で民主、共和両党の候補が決まった。菅義偉官房長官はクリントン民主党候補の指名受諾を受けて「日米同盟は外交の主軸」と強調した。だが、今回の大統領選は結果次第で「主軸」が揺らぐ可能性も秘めている。共和党のトランプ候補が勝った場合だ。 日米同盟が「外交の主軸」とか「基軸」であるといった言葉は、読者もこれまで何度も耳にしているだろう。だが、なぜ日米同盟が基軸なのか。新聞やテレビでしっかり解説を読んだり聞いたりした覚えはあるだろうか。私はない。 政府の人間が折に触れて「日米が基軸」と力説しているのは、もちろん知っている。だがそれでも、なぜ日米同盟が基軸なのか、だれにも分かる説明が不足している。暗黙の了解であるかのように、基軸という言葉がすっかり「記号化」しているのである。 日米同盟の是非が政治の一大争点になったときは、いつだったろうか。 私の世代では1970年代の安保闘争
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