私と共著者の久保は多くの方の協力を得て今年の1月中旬に『日本列島100万年史』を上梓した。講談社ブルーバックスの2000番という記念すべきときにこの本を出していただいたことに大変感謝している。 おかげで、売れ行きも好調で5万部を突破し、今も増刷が重ねられている。けれど、著者である私自身、正直この本がこんなに売れる、つまり多くの方に興味を持っていただけるとは思っていなかったのだ。 この本は、◯◯年前にどこで何が起きたというような日本列島の地史を経時的に述べたものではない。現在人々が日常目にする地表の凸凹、つまり地形が、どのような要因で、そして、どのような歴史を経て形成されてきたのかを、各地のトピックとして述べたものである。 これは学問の分野では地理学と地質学の中間に当たる地形学の中の地形発達史と呼ばれるもので、日本でこれを仕事としている人の数は極めて少ない地味な分野だ。 ブラタモリで「地」を
![『ブラタモリ』が僕らの「知的興奮」をくすぐる理由(山崎 晴雄)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/852cec8137519976bbc23bb6ad8c7e2de2ba2205/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fd%2F4%2F1200m%2Fimg_d41efab8b227174edf88b46c709de289276477.jpg)