○安春根著、文ヨン[女燕]珠訳『図説韓国の古書:本の歴史』 日本エディタースクール出版部 2006.11 出版されてすぐ、カラー図版の多いことに惹かれて買ってしまい、ときどき眺めて楽しんでいたが、ようやく本文を読み終わった。正直にいうと、文章には、やや癖があって、読むのがしんどい。「わが国(韓国)の文化」「わが国の歴史」「わが国の古書」が、他国に比べてどれだけ素晴らしいかという点に、非常に力が入っているのだ。 日本人の古書談義といえば、天下国家を離れて、粋とか通とか、枯れた雰囲気に接近するのが常だと思う。たぶん中国人や中国学者の場合もそうだろう。だから、本書の強烈な愛国臭には、どうにも違和感が拭えなかった。しかし、繰り返すが、本書は豊富な写真図版が楽しめるので、全くのしろうとが韓国の出版文化を知るには、手頃な入門書だと思う。 私は、漢籍(中国の古書)が好きなので、展示会などの機会があれば、