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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/jchz (3)

  • 日本の古い友人/近代ヨーロッパの誕生(玉木俊明) - 見もの・読みもの日記

    ○玉木俊明『近代ヨーロッパの誕生:オランダからイギリスへ』(講談社選書メチエ) 講談社 2009.9 近代ヨーロッパの成立過程を、オランダからイギリスへというヘゲモニーの移譲プロセスを軸に、主に経済史の立場から論じたもの。「オランダ→イギリス」と聞けば、即座に東インド貿易を連想するのが日人の性だが、書の着眼点はこれと異なる。 16世紀前半、ヨーロッパ経済の中心はヴェネツィアだった。しかし、16世紀後半には、イタリア経済は衰微し始める。都市が発展し、人口(都市住民)が増えすぎた結果、糧自給の破綻と、周辺の森林資源(=重要な船舶資材であり、燃料だった)の枯渇をもたらしたためである。代わって、バルト海沿岸の穀物・森林資源が注目を浴び、バルト海貿易の商品集積地として、アムステルダムが急激に台頭した。 一般に近世オランダ経済のバックボーンは東インド貿易だったと考えられているが、アジアは、確実な

  • 筆写と活字/図説韓国の古書(安春根) - 見もの・読みもの日記

    ○安春根著、文ヨン[女燕]珠訳『図説韓国の古書:歴史』 日エディタースクール出版部 2006.11 出版されてすぐ、カラー図版の多いことに惹かれて買ってしまい、ときどき眺めて楽しんでいたが、ようやく文を読み終わった。正直にいうと、文章には、やや癖があって、読むのがしんどい。「わが国(韓国)の文化」「わが国の歴史」「わが国の古書」が、他国に比べてどれだけ素晴らしいかという点に、非常に力が入っているのだ。 日人の古書談義といえば、天下国家を離れて、粋とか通とか、枯れた雰囲気に接近するのが常だと思う。たぶん中国人や中国学者の場合もそうだろう。だから、書の強烈な愛国臭には、どうにも違和感が拭えなかった。しかし、繰り返すが、書は豊富な写真図版が楽しめるので、全くのしろうとが韓国の出版文化を知るには、手頃な入門書だと思う。 私は、漢籍(中国の古書)が好きなので、展示会などの機会があれば、

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  • 活字の国、朝鮮/高麗美術館 - 見もの・読みもの日記

    ○高麗美術館 夏季企画展『活字の国、朝鮮-朝鮮活字印刷文化との出逢い-』 http://www.koryomuseum.or.jp/ 話は先週の土曜日に戻る。開館と同時に入った京都国立博物館で、午後2時過ぎまで過ごしてしまった私は、慌てて洛北に向かった。今回の京都旅行の目的は、むしろこっちだったので、十分な時間がなくなっては、元も子もない。 高麗美術館の展示企画は、ときどきチェックしているが、陶磁器とか工芸を扱うところだと思っていた。そうしたら、今回のテーマは「印刷」だというので(を扱う私の仕事柄もあって)ぜひ見たいと思った。私はこれまでにも、『静嘉堂文庫の古典籍』とか、慶應義塾図書館の『論語』展とか、東アジアの書籍に関する展示はよく見ている。だから、朝鮮と言っても、そんなに違いはないだろう、と思っていたのだが、いきなり、びっくりすることになってしまった。 最初のケースに展示されていた

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