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中国の湖南省南部に伝わる「女文字」(女書)についての意義深い集いに、先日うかがった。その地では、以前、若い娘たちが義理の姉妹となる約束をして、彼女たちの間で通じる独特の表音文字を用いていた。中国語の方言を記し、生活上の苦しみ、別れの辛さなどを女性同士で伝え合ったものだ。漢字に由来するものもあるが、刺繍に適したような菱形の個性的な文字であり、70年以上前に祖母(清朝末期の生まれであろう)から指でその文字を教わり、木の棒で地面に書いて覚えた、という事実上最後の伝承者の女性の肉筆を拝見した。そこに込められた思いの一端に触れられたような気がした。 だいぶ環境は異なるが日本でも、女子には友達と数人のグループを形成する傾向がうかがえる。そこでは独特な文字・表記が発達しがちである。「へ」に「〃」を貫く平仮名は、第54回に触れたように、すでに戦前から女学校で書かれていたそうだ。 二人で一つ、というほど仲良
先日、一通のメールが私宛に届いた。 「観光庁の産業観光モニターツアーとして、琵琶湖疏水(びわこそすい)のツアーを実施するのですが、木村さんも参加してみませんか?」 産業観光モニターツアー?はて、聞きなれない言葉であるが、それはどのようなものだろう。産業とか、モニターなどという言葉が付いている分、普通の観光ツアーとは違うのだろうが、一体、何が違うのだろうか。 折りしも、このツアーの主題である琵琶湖疏水には、少なからずの思い入れがある。折角のお誘いでもある事だし、私は二つ返事でその琵琶湖疏水ツアーに参加してみることにした。 (木村 岳人) 観光庁の新たな試み、産業観光 この琵琶湖疏水ツアーのお話をいただいたのは、今回のツアーの企画、実施を担当されている、株式会社ティー・ゲートの冨澤さんという方からだった。 私は以前、当サイトで「琵琶湖疏水をたどって京都まで」という記事を書かせていただいた。この
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