前の《“なぜ漢字から朝鮮に適した文字は生まれなかったのか?” ― 朝鮮の諺文(オンモン)》の続きです。 朝鮮は、日本のように漢字を“母国語化”したり、漢字から“仮名”を生み出すようなことはありませんでした。今回も、大島正二さんの『漢字伝来』から ― そして李氏朝鮮のときに大英断のもと、国字として新たに〈諺文(オンモン)〉(いま、ハングルと呼ぶ。)が創られたのであった。 … ハングルが発明された李氏朝鮮の前の王朝であった高麗(こうらい)のときに、朝鮮はモンゴルの支配下におかれ、モンゴルから直接的な影響を受けた。モンゴルは、(…)ウイグル文字から造ったウイグル系文字とパスパ文字の二つの文字を造ったが、これらはいずれもセム起源のアルファベット、つまり一字一音素の単音文字から発したものである。朝鮮はモンゴルを媒介としてこの単音文字の原理を知った。そして、ハングルの特徴である音節単位は漢字がモデルと
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