私たち生命の活動を支える太陽に、今大きな異変が起きています。これまで11年周期で増減を繰り返してきた黒点が、減ったまま増えない状況が続いているのです。これは太陽の活動が低下していることを示しています。実は、17世紀の後半にも同じような時期があり、その時は地球が寒冷化していたことがわかっています。今回の太陽活動の低下は地球にどんな影響を及ぼすのか?謎を解き明かそうとする研究者たちを追います。
【2012年4月19日 国立天文台】 最近少しずつ活動が活発化してきている太陽。衛星「ひので」が両極域の磁場を観測したところ、北極の磁場はほとんどゼロの状態に近づいていることが発見された。北極磁場は間もなくマイナスからプラスに転じると予想される一方、南極磁場は変化を見せておらずプラスのままであることもわかった。 太陽の極域磁場のようす。オレンジはマイナス、水色はプラスの磁場を表す。北極ではマイナスからプラスへ反転しつつあるが、南極はプラスのままであることがわかる。クリックで拡大(提供:JAXA/国立天文台) 太陽は平均11年の周期で活動の極大と極小を繰り返している。現在は徐々に活動が上昇してきているところで、来年5月ごろに極大を迎えると予想されている。極大期には黒点数が最大になり、また太陽の南北両極の磁場がほぼ同時に反転する。たとえば1997年には北極がプラスの磁場、南極がマイナスであった
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