私は日本列島の湿地帯とそこに暮らす生き物が大好きである。分け隔てなく愛している。最近はドジョウにとり憑かれてドジョウの研究ばかりしているが、ドジョウと同様ににょろにょろとした底生魚であるウナギは特別に好きな部類だ。ウナギは日本中のほぼすべての人が知っている有名な魚であるものの、湿地帯(※)生物としての魅力はほとんど知られていないと感じている。昨今ウナギが激減していると散々叫ばれながら、実際のところ保全がまったくうまく進んでいかないのも、食料としてのウナギとしか捉えていない人が多いからなのではないだろうか。ウナギの本質は、かば焼きではない。生きた魚である。そこで、本稿では湿地帯生物としてのウナギという魚の魅力を、分布・形態・生態の観点から解説したいと思う。 (※なお、湿地帯とは河川、沼沢地、氾濫原、水田、ため池、用水路、干潟、水深6mより浅い沿岸域のことをいう) どこにいる?:分布 ウナギ、
![BuNa - Bun-ichi Nature Web Magazine |文一総合出版](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1b51ffd7a012cc504269a624ba96194eca476996/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbuna.info%2Fwp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2018%2F07%2F9fe462fc1eb1518d6c9d004816f0703a.jpg)