1992年に福岡県飯塚市で登校中の小学1年の女子児童2人が行方不明になり、他殺体で発見された「飯塚事件」。死刑判決が確定しながら、2008年の執行まで無実を訴え続けた久間三千年さん(執行時70歳)の再審を求める集会が10月20日、東京都内で開かれた。再審請求の審理で明らかになった数々の疑念について弁護団や学者が報告し、死刑判決が揺らいでいることを強調した。 再審請求は、死刑執行の1年後に久間さんの妻が起こした。14年に福岡地裁に棄却されたが、弁護団が福岡高裁へ即時抗告。審理は今年5月に終結し、年内にも決定が出るとみられている。 「データの誤りだけは許せない。ここまで歪んだものを法廷に上げられるのか」 再審請求で弁護団が新証拠とする鑑定書を出した本田克也・筑波大学教授(法医学)は、捜査段階のDNA鑑定を非難した。 飯塚事件には、久間さんと犯行を直接結び付ける物証も自白もない。状況証拠を積み重