戦時中、災禍に遭った県内の図書館の様子を学ぶ講演会「戦時下における宮城県内図書館蔵書の疎開」が6日、仙台市青葉区のエル・パーク仙台であった。 元県図書館資料奉仕部長の早坂信子さん(69)が講師を務めた。当時の県図書館は現在の県庁近くにあり、1945年7月10日の仙台空襲で被災した。早坂さんは約13万冊の蔵書が焼失する一方、約8500冊を疎開させたと解説。疎開の際はガソリンや男手が足りず、女性が中心となり馬車などで移動したという。 早坂さんは「全ての蔵書を避難させることは不可能だった。現存する1冊1冊には、誰かに守られた歴史と意味がある」と語った。 約70人が参加。企画した「仙台にもっと図書館をつくる会」の川端英子代表(79)は「先人が守ってきた意味を理解し、図書館の環境がよりよくなるよう尽力していきたい」と話した。