その過程において、わたしは、「人類愛」は、じつはわたしの病的な精神が作り上げた独りよがりなヴィジョンだったのではないかという疑いを抱いた。あれほどありありと見えたあの「人類愛」のイメージは、しかしじつは、わたし自身のある欲望によって作り出された、1つの幻影だったのではないか? わたし自身の、ある欲望によって――? 他者と「つながりたい」という欲望 ジョルジュ・バタイユの、「連続性へのノスタルジー」。 人間は、他者から隔絶した1個の個体として生きている。この世界にただ1人投げ出され、孤独に死んでいく不連続な存在。しかしそれだからこそ、わたしたちは「失われた連続性へのノスタルジー」を底に抱きながら生きている。つながり合うこと、1つになること。そのような欲望を、わたしたちは絶えず滾(たぎ)らせている。 この欲望を、最も高い次元で実現するもの。バタイユによれば、それが人間的エロティシズムであり、宗