1984年、自伝映画『パープル・レイン』を発表したプリンス。 映画の興行収入は年間11位、アルバムは全世界で1500万枚を売上げ、その人気と名声は頂点にまで上り詰めた。 その年の11月からはツアーに旅立ち、各地で賞賛の嵐を浴びる。 ツアー中のサポートで加わっていたのが、ジャズサックス・プレーヤーのエリック・リーズだ。 兄のアラン・リーズがプリンスのツアー・マネージャーを務めていた縁で、プリンスと知り合ったエリックはその腕を買われてツアーに参加していたのだ。 父がジャズ・ピアニストでありながらもあまりジャズを聴いてこなかったプリンスにとって、エリックの加入によってもたらされたジャズ・フィーリングは大きな刺激となった。 そんなある日、エリックはジャズに興味を抱いたプリンスに、マイルス・デイヴィスの『カインド・オブ・ブルー』と『スケッチ・オブ・スペイン』、そして思い出せないがもう一枚レコードを渡