3年前の3月11日朝。英国の自宅にいた私は家人に体を揺り動かされて、目覚めた。「日本で大変なことが起きたよ。大きな事故だ」。眠気がおさまらず、こんな言葉をぼうっとして聞いた。事故、大きな事故―?「東京でも、電車がみんな止まっている」。この言葉でベッドから飛び起きた。日本で電車が止まるほどの事故といえば、テロかもしれない。1995年3月20日の東京の地下鉄サリン事件を思い出した。 24時間放送のテレビをつけると、大きな波が住宅を根こそぎ動かしてゆく様子が映っていた。「まさか」と思いながら見ていると、画面にかぶさる解説の声は、日本の英字紙ジャパン・タイムズに勤務する友人エリック・デューのものだった。大きな災害が今まさに起きているという事実がしっかりと伝わってきた。
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