芸術は誰のものなのか。みんなのものなのか、あるいは見る人が見て分かれば良いものなのか。マルクス主義なら使用価値に対する交換価値としてこれを論じるだろうし、文化人類学なら生存財に対する威信財としてこれを論じるだろう。そのパラドックスは、私が愛してやまない『ギャラリーフェイク』第一話のモネのつみわらの話に集約的に表現されている。 ギャラリーフェイク(1) (ビッグコミックス) 作者: 細野不二彦出版社/メーカー: 小学館発売日: 2012/09/25メディア: Kindle版 クリック: 9回この商品を含むブログ (7件) を見る 何故急にこんなことを考えついたのかというと、最近、芸術は社会に役立つべきか、とか、あるいはモラルに著しく反する芸術は許容されるべきか、とかいう話題を立て続けに見たからである*1。 ここで時事的な問題をあれこれ批評する趣味は全くないし、当事者の人たちがしかるべく対応さ
博物館にあるものといえば、まず思い浮かべるのが動物の骨や剥製、ピンで留められた昆虫標本。しかしその標本がどこから来てどうやって作られているのか、何の役に立つのかについては知らないことばかり。そんな気になる博物館の裏側を凝視できる企画展示「博物館の標本工房 Atelierum specimum animalum in museo」に行ってきました。 標本工房が開催されているのは、神奈川県立生命の星・地球博物館。神奈川県博とか地球博とか呼んでいますが、略称というか愛称はあるのだろうか。夏の大トンボ展に続き、来るのは3回目です。箱根の一歩手前なので都内からでもすごい旅行感があり、魅力的な終点名をかかげた特急もたくさん見られるので、いつも博物館に行ったその足で逃避行したくなる難儀な立地です。 標本の奥深い世界 いつ来てもこのエントランスは楽しくなっちゃうな〜 特別展示室の前には、ゆっくり回転してい
アマチュア無線愛好家の名古屋市天白区久方、村松健彦さん(81)が、これまでに収集した約3000本の真空管を電気通信大学の博物館(東京都調布市)に今春寄贈するのを前に、自宅に併設する「無線部屋」で6日から1か月間、自慢のコレクションを公開する。 村松さんは、中学生の時、戦後の焼け野原にあった真空管などの部品を使い、ラジオを製作したのをきっかけに、真空管の収集を始めた。露天商で米国製のメタル真空管を手にした時、「まるで宝石に魅了されたようだった」と振り返る。 真空管の魅力について、村松さんは「職人の仕上げた真空管は芸術作品そのもの。電気を通すとフィラメントが光り、その瞬間を息を止めながら見ることに魅せられた」と話す。 真空管収集と並行して、没頭したのがアマチュア無線。アマチュア無線に必要な受信装置をそろえるため、学生時代は親類の氷屋で氷の運搬を手伝ったほか、米軍の安い中古品を求め、当時住んでい
学術リポジトリが変える論文の「価値」と読者層 - 日比嘉高研究室 http://d.hatena.ne.jp/hibi2007/20130210/1360484762 いい記事があったなあって。 まず思ったのは、リポジトリもGoogleも、何かを壊すために現れたわけではなくて、インフラとして社会に登場したんじゃないかな、と。結果として、崩した、ぶっ壊した見た目にはなってるけど。 インフラだから壊すためじゃなく築くために出てきたはずなのにな、って、思たです。 例えば紀要だと「学術的評価のヒエラルキーでは低くて、選りすぐられた文献ばかりではないけど、でも必要な時には、雑誌記事索引や国文学年鑑をひけば見つかるし、たいていの大学図書館の書庫に行けば並んでてコピー入手できる」とまで言えちゃえる存在、だったとしたら、それは価値評価や位置づけと、見つけることと、アクセスすることとがある程度くっついた、パ
森先生よりメールかつ架電。 趣旨は、 ) 誘引分類につき、日本人で「誤分類」と意訳している人がいるがいかがか? ) 米国にても望ましいことでないようにいわれているやに見えるが、一方で書物蔵は慣例ないし準則と称しむしろ薦めているようにみえた。その齟齬の由来は? また米国の例をひいたときには書物蔵が初期に、誘引分類=慣例・準則説のようにみえたのが、誘引分類=不可避、的に後退しているように見える。 おやや、これはたいへん手厳しい。 1)吉田暁史(大手前大学)先生のレジュメ「資料組織概説II」から 誘引分類を誤分類と意訳している例がこれ。 http://yosida.mods.jp/bunrui/asoshib.pdf p.73 ○誘因による誤分類(classification by attraction) 例えば「カリフォルニア移民日本人の活躍」 相関索引で、「移民(来住民)」は334.4(経済
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