「日本の地上を走る車をほぼ網羅する」 愛知県警の幹部は豪語する。 街でよく見かける国産乗用車から、「世界限定1台」の外国車まで、1万7千冊以上のカタログ。カーマニアのコレクションではなく、県警が40年以上にわたって集めてきた捜査資料だ。 車種を特定する捜査に活用され、他県警からも頼りにされる巨大データベースになっている。 「マツダ ロードスター」 「外車 フランス」 県警交通捜査課の書棚に、メーカーや国別に分類されたファイルがひしめくように並ぶ。 車の前後左右の写真の切り抜きと、サイズや性能の諸元表が台紙に貼られ、「ストライプ2本」など、細かい特徴のメモ書きもある。 近年は同じ車種でもオプション(装備)が多様化し、切り抜かずに冊子のまま保存している。 1978年の資料には、この年に販売が始まったトヨタのクーペタイプのスポーツカー「セリカXX」があった。 大きな写真が台紙からはみ出している。