《この記事は約 25 分で読めます(1分で600字計算)》 HON.jp News Blog 編集長の鷹野が、年初に公開した出版関連動向予想を検証しつつ、2021年を振り返ります。 2021年概況 出版科学研究所「出版月報12月号」によると、2021年1~11月期の紙の出版物推定販売額は1兆1049億円で対前年比0.4%減。コロナ禍前の2019年1月~11月期からは2.2%減となっています。上半期はプラスで推移したものの、下半期はマイナスが続いているとのこと。 12月の数字はまだ締まっていませんが、2021年の着地は1兆2100億円台、対前年比約1%減の見込みです。前年実績から計算すると1兆2114億円前後となります。紙の書籍は約2%増と2006年以来15年ぶりのプラス、雑誌は約3%減となる見込みです。同じく前年実績から計算すると、書籍が6794億円前後、雑誌が5409億円前後となります。
《この記事は約 7 分で読めます(1分で600字計算)》 2020年全米図書賞(National Book Awards 2020)の翻訳部門に柳美里『JR上野駅公園口』(Tokyo Ueno Station)が選ばれました。近年、日本の女性作家作品が海外で評価されることが多くなっているように感じますが、これは日本の女性作家に限った話では「ない」そうです。おなじみ、大原ケイさんによる解説です。 村田沙耶香、多和田葉子、小川洋子、柳美里、川上未映子、松田青子、恩田陸…… 小説を書く、あるいは本を読む、というのはどこまでも個人的な営みだと思うのだが、まるでオリンピックで日本の選手が金メダルを取ると大喜びするように、なぜ私たちは日本の作家が海外の文学賞をとることがそんなに嬉しいのだろうか? 毎秋ノーベル文学賞発表のたびにガッカリしているハルキストたちを尻目に、この数年、翻訳文学賞をとったり、ベス
《この記事は約 8 分で読めます(1分で600字計算)》 新型コロナウイルス感染拡大を受け、新学期からオンライン授業を行っている工学院大学附属中学校・高等学校。そこで働く司書教諭の有山裕美子氏は、生徒たちの自発的な動きに感心させられた。短期集中連載の、今回は後編。前編はこちら。中編はこちら。 改めて学校図書館を問い直す〈後編〉 改めて「情報」とは それでは、学校図書館で扱うべき「情報」とは何だろうか。IT用語辞典によれば情報とはインフォメーションであり、「物事の事情を人に伝えるもの。また、それを文字や図表、画像、音声、映像などを使って表現したもの」のことである。 当然のことながら学校で扱う「情報」は多岐にわたる。印刷メディアであれば、教科書、新聞・雑誌、図書等。視聴覚メディアであれば、写真やポスターなどの紙の媒体もあれば、CDやDVD、ブルーレイディスクなどを媒体とした音声教材や映像教材が
《この記事は約 7 分で読めます(1分で600字計算)》 新型コロナウイルス感染拡大を受け、全国の小中高校などが臨時休校となった。そんな中でも「学びを止めない」ため、学校図書館はどのような取り組みを行っているか? また、そこにはどのような問題があるのか? 司書教諭の有山裕美子氏(工学院大学附属中学校・高等学校)に寄稿いただいた。前中後編の短期集中連載でお届けする。 改めて学校図書館を問い直す〈前編〉 学校図書館の使命とは 私は学校図書館に関わり始めて、10年とちょっとになる。公共図書館からの転身だったので、最初はその違いに戸惑うことも多かった。学校図書館といえば、学校の中にある「図書室」のことで、多くの人にとっては、児童生徒が本を借りに行く場所という認識ではないだろうか。 実は、一般の人にはあまり知られていないかもしれないが、学校図書館は、学校図書館法[1]という学校図書館に関する独立法に
《この記事は約 6 分で読めます(1分で600字計算)》 楽天株式会社は昨年12月25日、子会社で電子図書館プラットフォーム世界最大手である OverDrive Holdings, Inc. の全株式を、アメリカ最大手のプライベートエクイティ投資会社のKKR(コールバーグ・クラヴィス・ロバーツ)に譲渡する契約を締結したことを発表した。KKR側の意図については、すでに大原ケイ氏が解説しているが、では、日本で展開されている電子図書館事業「OverDrive Japan」はどうなるのか? 本稿ではこれまでの振り返りと、今後の展開について考察する。 関係性明示 本稿で言及している株式会社メディアドゥの親会社である株式会社メディアドゥホールディングスは、当メディアにもバナーを貼っているとおり、NPO法人HON.jpの法人会員です。年会費をお支払いいただいている関係ではありますが、当メディアの編集権は
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