静岡県内の今夏の富士登山で、県警山岳遭難救助隊の出動回数が、過去最悪ペースで推移していることがわかった。 富士宮口登山道では2008年の7、8月に過去最悪の13回を数えたが、今年はお盆前の8日ですでに14回。御殿場口、須走口を管轄する御殿場署もすでに6回と、07、09年の8回を上回る勢いだ。背景には、携帯電話の普及で手軽に救助を要請できるようになったことや、登山ブームで準備不足の登山者が増えたことなどが挙げられる。 7月17日夜、東京都の男性(60)が6合目で道に迷い携帯電話から110番した。「その場にとどまるように」との県警の指示を無視して自力で下山し、翌朝発見された。捜索に出向いた御殿場、富士宮署員らは無駄足を踏まされた。 富士宮署幹部によると、救助の要請から救助隊の到着までは早くても4~5時間かかる。「事情を話すと登山者の半数近くは、自力の下山を選択する」といい、要請のハードルが下が