リニア中央新幹線の建設工事を巡る不正受注事件で、大手ゼネコン「大林組」(東京)が、発注元のJR東海が独自に見積もった価格の95%前後の金額を提示し、名古屋市の非常口新設工事を受注していたことが関係者の話でわかった。 ほかのゼネコンはいずれもJR東海の見積もりをオーバーしていた。東京地検特捜部は、JR東海側から非公開情報を聞いた大林組が、見積価格の上限に近い高値での受注に成功したとみて調べている。 同社が2016年4月に約90億円で受注した「名城非常口」は、名古屋市内の公園跡地に深さ約90メートル、直径約40メートルの縦穴を開け、リニアが走る地下トンネルから地上に至る非常口を新設する工事。入札は「公募競争見積方式」で行われ、JR東海が参加企業から工法や受注額などの提案を受けて総合評価し、評価の高い順から具体的な契約金額などを個別に協議していた。 関係者によると、入札にはゼネコン数社が参加。J