東京電力福島第1原発事故を調査してきた民間の「福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)」(北沢宏一委員長)は27日、菅直人首相(事故発生当時)ら官邸の初動対応を「無用な混乱やストレスにより状況を悪化させるリスクを高めた。場当たり的で、泥縄的な危機管理」と指摘する報告書をまとめた。官邸の指示が事故の拡大防止にほとんど貢献しなかったと総括。緊急事態の際の政府トップによる現場への介入を戒めた。 民間事故調は、科学者や法曹関係者ら6人の有識者が委員を務め、昨年の9月から調査していた。東電側は聴取を拒否した。 報告書によると、原発のすべての電源が失われた際、官邸主導で手配された電源車が、コードをつなげず現地で役に立たなかった。枝野幸男官房長官(同)は「東電への不信はそれぐらいから始まっている」と、事故当日から東電への不信感が政府側に生まれていたと証言。報告書はこうした不信感が、官邸の現場への介入の一