たとえばある企業の経営者が中期経営目標を掲げて、その目標が達成されないうちに次の中期目標を打ち出した場合、その企業の社員や株主はどう思うだろうか。「あいつ(経営者)は、前の目標達成が出来ないものだから、新しい目標で目先を変えようとしているな」と批判的な眼を向けるのではないか。 こうした意味で、安倍内閣が発表した「新3本の矢」は、印象がよろしくないように思う。強い経済はもちろん目指すべき目標だし、子育て支援や高齢者対策の進展を手段とする「一億総活躍」(何にせよ「一億」と付くキャッチフレーズはうさんくさくて嫌いだが)も、その目指すところ自体は悪くない。とはいえ、4-6月期に続いて7-9月期のGDPもマイナス成長となり、定義により「景気後退」に陥ったわけで、経済政策としての「アベノミクス」に対する評判は低下している。 当面の賃金を上げたい政府の意向 国民の本音ベースの評価は「不満はあるが、民主党