パワハラ、体罰、過労自殺、サービス残業、組体操事故……。日本社会のあちこちで起きている時代錯誤な現象の“元凶”は、学校教育を通じて養われた「体育会系の精神」にあるのではないか――。 この連載では、日本とドイツにルーツを持つ作家が、日本社会の“負の連鎖”を断ち切るために「海外の視点からいま伝えたいこと」を語る。 第1回目のテーマは、運動会の「組体操」への違和感。組体操は、スポーツ庁が2016年に発出した事故の防止に関する通知によって全国的に廃止の動きが加速したものの、いまだに「完全廃止」とはされていない。 ※この記事は、ドイツ・ミュンヘン出身で、日本語とドイツ語を母国語とする作家、サンドラ・ヘフェリン氏の著作『体育会系 日本を蝕む病』(光文社新書)より一部抜粋・構成しています。 理不尽なことだらけの「ピラミッド」 一人ではできないピラミッド。そう、ピラミッドこそ究極の団体競技でありチームワー
