「若者が物を買わなくなった」と言われて久しい。これについて私が思うことは、私たちは何であれ、「物」ではなく「物でできること」を買っているということだ。テレビ、洗濯機、エアコン、車、ブランド品、PC、携帯電話、iPod、全て「物でできること」を買っている。そして、「物でできること」には、時代によって求められているニーズが変化してくるものだ。一昔前の若者は、スポーツカーでできることを買っていたのだし、現代の若者は、iPhoneでできることを買っている。 『ネットの可視化、リアルの不可視化―近頃の若者の「わからなさ」について―』でも書いたが、特にIT時代の現代は、「物でできること」が不可視化されやすい時代だと思う。車などは、それで何をしているのかということがわかりやすいが、PCなどは、それで何をしているのかということがわかりにくい。 「若者が物を買わなくなった」というのは、表面的に「物」だけを見