65歳の女性の骨盤を撮影した着色X線画像。子宮内に石灰化した筋腫(中央の青い部分)が確認できる。子宮筋腫は線維組織と筋肉組織からなる良性の腫瘍であり、ほとんどの場合治療の必要はないものの、出血や痛み、その他の婦人科疾患を引き起こす可能性がある。(PHOTOGRAPH BY SCIENCE SOURCE) 古代ローマの医師たちは紀元200年ごろにはすでに、女性の子宮壁には良性の腫瘍ができる場合が少なくないことを認識していた。米国では白人女性の約70%、黒人女性の80%以上が、50歳までに子宮筋腫ができると推定される(編注:日本では生涯に30~50%がかかると推定される)。しかし、子宮筋腫にはいまだに多くの疑問が残されており、なぜ発生するのか、何が成長を促すのかといった基本的なこともわかっていない。 子宮筋腫は、子宮壁の内側にできる平滑筋細胞と結合組織の塊だ。筋腫が大きくなると、女性の生活の質