エチオピアの勤勉な農民、ムルアレム・テゲンさん(58歳)は昨年、ロバを買った。それまで数年間、旱魃と相場高騰のせいで、家畜を売り払い、孫を学校にやらずに畑仕事を手伝わすしかなかったテゲンさんにとって、ロバの購入は良き時代への回帰だった。 今年はヤギを1頭か2頭買えるだけの穀物を収穫できる見込みだし、ロバは再び遠く離れた学校へ通う子供たちを助けてくれるだろう。そう、これが本来あるべき姿なのだ。 2007年から2008年にかけて世界の食糧価格は急騰し、数億人を貧困の淵に追い込んだ。しかし当時は、一縷の希望があると言われた。食糧価格高騰は農家にとっては朗報で、特にテゲンさんのような発展途上国の小規模農家には望ましいという説だ。 リターンが大きいとカネが農業に流れ込み、それが生産性の向上と収穫量の増加をもたらし、食糧価格の安定あるいは下落につながる。最終的には農家も消費者も皆、暮らし向きが良
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く