「クラウドコンピューティングでは、パフォーマンスが劣化するという重要な部分が多くの人に理解されていない」ーー。アカマイ・テクノロジーズ創業者兼チーフ・サイエンティストでマサチューセッツ工科大学教授のトム・レイトン氏は2009年11月17日、同社が開催した技術説明会でこう主張した(写真)。クラウド環境ではアプリケーションを物理的に遠く離れたデータセンターに置く。ネットワーク経路上の遅延やパケットロスによって、アプリケーションのレスポンスが悪化するというのだ。 データセンターへのアクセスではインターネットを利用するが、エンドユーザーはその経路を指定できない。このため、遅延が大きかったりパケットロスが多かったりする可能性がある。こうしたネットワークでは、Webサイトに埋め込まれたオブジェクトの転送に時間がかかったり、パケット再送の多発によるレスポンスの低下が起きがちだ。「Amazon EC2上が