現代の貧困―ワーキングプア/ホームレス/生活保護 (ちくま新書) 作者: 岩田正美出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/05/01メディア: 新書購入: 13人 クリック: 158回この商品を含むブログ (121件) を見る第1章 格差論から貧困論へ 日本には格差社会論はあるが、本格的な貧困論は展開されていない。格差社会は「ある状態」を示す言葉であるが、貧困は「あってはならない」という価値判断を含む言葉。 第2章 貧困の境界 貧困の歴史は、貧困の境界設定に関する議論の歴史。ラウントリーの研究では、人間の生存の費用(単なる肉体的能率を保持するために必要な最低限度の支出)に基準を置くが、タウンゼントは、標準的な生活様式からの脱落(社会的剥奪)を用いる。 日本の生活保護基準は、マーケット・バスケット方式による「絶対的貧困」から、相対的貧困基準に徐々に転換。一般国民の消費水準との相対比較