「心の豊かさ」求め始めた中国で支持される日本的終身雇用 2年ぶりの上海は驚きに満ちていた。このところBRICs諸国やドバイなど、新興国を取材するのに手一杯で、気がつけば二年も中国を見ていなかった。 これはけっこう致命的だ。変化の激しい中国に関する情報は急速に陳腐化するため、絶えず更新し続けなければならない。だが、日本国内にとどまったまま、情報を更新することは不可能に近い。日本のメディアは事実に対する謙虚さが決定的に欠け、「中国はこういう国だ」という思い込みが何年も、執拗に繰り返されてしまうからだ。 「心の豊かさ」を求める時代に突入した 日本では十年一昔というが、変化の激しい上海では一年一昔である。二年もご無沙汰すれば、上海を語る資格がないことを私は自覚している。だからこそ、二年ぶりの上海に心が躍ったし、期待通り上海は大きな変貌をとげていた。 上海では古い街並みが突然消えたかと思