サントリーは今年3月、5年前に買収した米ビームとの統合を完了したと宣言した。企業文化の違いを乗り越え、「ビームサントリー」として方向性を定めるまでに多くの衝突があった。今後は、新興市場への投資や米国の大麻ブームへの対応などが課題となる。 サントリーホールディングスの新浪剛史社長は3月上旬、米蒸留酒大手ビームとの統合完了を宣言した。同時に、日本のウイスキーブレンディング技術を活用しビームと共同開発したバーボンの新製品「リージェント」も発表した。サントリーは創業120年になる酒造メーカーで、「山崎」や「白州」などのウイスキーで知られる。 サントリーがビームを160億ドルで買収してから5年。米国子会社ビームサントリー(以下ビーム)の売上高は、高級蒸留酒の世界的ブームに乗って40億ドル(約4300億円)へと倍増した。ビームの成長に後押しされ、親会社サントリーも純負債を150億ドル(約1兆6000億