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ブックマーク / srad.jp/~yasuoka (261)

  • なぜ人名用漢字に関する裁判は家庭裁判所の管轄なのか | yasuokaの日記 | スラド

    人名用漢字に関する裁判は、どう考えても行政訴訟なのに、なぜ家事審判として扱われるのか、という意味のお問い合わせを、『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂、2011年3月)の読者からいただいた。端的には、戸籍法の方が行政不服審査法より古いからだ。このあたりを、ちょっとおさらいしておこう。 昭和23年1月1日に戸籍法が施行された際、以下の第118条が盛り込まれた。

  • なぜ「敘」と「敍」を分けたいのか | yasuokaの日記 | スラド

    なぜ「神」と「神」を分けたいのかのコメントに答えながら思ったのだが、じゃあ、なぜ「敘」と「敍」を分けたいのか、とは誰も尋ねないのだろう。普通に考えて、「神」と「神」を分けることで生じる問題と、「敘」と「敍」を分けることで生じる問題との間に、そう質的な差があるとは私(安岡孝一)には思えない。ただ、単に過去の経緯で、「敘」と「敍」にはU+6558とU+654Dという別々のUnicodeが、たまたま割り振られているというだけのことだ。 ただ、一度割り振ってしまった文字コードは、そう簡単には分けられない、というのも一面の事実だ。でも、だとすれば、あとから「神」と「神」を分けたくなった場合には、いったい全体どういう手段があるというのだろう?

  • なぜ「神」と「神」を分けたいのか | yasuokaの日記 | スラド

    川幡太一の『CSSにおける文字とフォント』を聞きながら思ったのだが、結局のところ日は、Unicodeにおける漢字統合に、いまだ納得していないということなのだろう、と、今更ながら思いあたった。すなわち「神」と「神」に、同じ文字コードが割り当てられているのが、我慢ならないのだ。その結果、「U+795E」と「U+FA19」とで分けてみたり、「U+795E U+E0101」と「U+795E U+E0100」とで分けてみたり、何らかの方法で分けたい、ということになってしまっているわけだ。 でも、単に「分けたい」と言ってもJTC1/SC2/WG2は聞いてくれなかったので、JIS X 0213を理由にしてみたり、人名用漢字を理由にしてみたり、旧字による出版印刷を理由にしてみたり、戸籍統一文字を理由にしてみたりしてしまった。その結果「分ける」理由によって、異なるアプローチが起こってしまった。互換漢字とか

    works014
    works014 2011/06/02
    _「分けたいから分けたい、じゃダメなんだろうか。」
  • なぜ十二支の戌は第2水準漢字なのか | yasuokaの日記 | スラド

    子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥のうち、なぜ戌だけが第2水準漢字なのか、という質問をもらった。まあ、偶然と言えば偶然なのだが、ざっと歴史を追ってみることにしよう。 『標準名づけ読』(婦女界社、1940年12月)の500字には、十二支のうち子丑寅卯辰巳午酉亥が含まれていて、未申戌がなかった。一方『当用漢字表』(国語審議会、1946年11月)には、子午未申が収録されていた。すなわち、『標準名づけ読』と『当用漢字表』を合わせると、十二支のうち子丑寅卯辰巳午未申酉亥の11字が含まれていたわけだ。この結果、1951年5月の『人名用漢字別表』内閣告示により、戌を除く11字は子供の名づけに使えるようになった。JIS C 6226-1978は、当用漢字と人名用漢字を全て第1水準漢字に収録するという方針で設計されたことから、子丑寅卯辰巳午未申酉亥は第1水準漢字となり、戌だけが第2水準漢字となってしまったわけであ

  • Re: IVSに対するfont fallback | yasuokaの日記 | スラド

    昨日の日記がまわりまわって、W3Cメーリングリストでも話題になっている。問題はやや単純化されて、「U+559D U+E0101」を「font-family: A, B」の2つのフォントのいずれかで表示する場合 Option 1: Search "U+559D U+E0101" in font A Search "U+559D" in font A Search "U+559D U+E0101" in font B Search "U+559D" in font B

  • IVSに対するfont fallback | yasuokaの日記 | スラド

    「UnicodeのIVSがもたらすメリットとデメリット」の読者から、IVSに対するフォント・フォールバックはどうあるべきか、という趣旨の御質問をいただいた。たとえば、CSSのfont-familyで複数のフォントが指定してある場合に、最初のフォントに表示したいIVSが収録されていなかった時、表示プログラムはフォントの中をどう探していくべきか、という問題だ。 例として、3つのフォントが指定されている時に、「U+845B U+E0103」を表示するための理想的なフォント・フォールバックを、私(安岡孝一)なりに考えてみよう。 最初のフォントから「U+845B U+E0103」を探す。なければ 最初のフォントから「U+845B U+E0101」を探す。なければ 2番目のフォントから「U+845B U+E0103」を探す。なければ 2番目のフォントから「U+845B U+E0101」を探す。なければ

  • IPAmj明朝と住基統一文字 | yasuokaの日記 | スラド

    このストーリーの読者から、IPAmj明朝Ver.000.01は住民基台帳ネットワークシステム統一文字を全て収録しているのか、という趣旨の御質問があった。私(安岡孝一)の個人的な意見としては、残念ながら、現時点では全てを収録しているとは言えない。「摂」を例に説明しよう。 住基統一文字の6442とB215は、いずれも「摂」だが、右上の「耳」の5画目をハネるかトメるか、という違いがある。一方IPAmj明朝Ver.000.01は、「摂」のグリフを2つ(MJ012666とMJ012667)収録しているが、これらの「耳」の5画目はいずれも突き出ていない。文字情報一覧表の第13分冊によれば、MJ012666が6442に、MJ012667がB215に対応しているはずだが、フォントに実際に収録されているのは、改定常用漢字表の「摂」のグリフであり、しかも同じグリフがGID14270とGID14271にダブっ

  • IPAmj明朝フォント(検証版)公開 | yasuokaの日記 | スラド

    文字情報基盤構築に関する研究開発事業の成果物として、IPAmj明朝Ver.000.01が公開された。実は私(安岡孝一)自身は、このフォントの公開にかなり抵抗したのだが、「検証版」ということで押し切られてしまった。 ただし、このIPAmj明朝Ver.000.01だが、現時点では、U+24112に入るべき「𤄒」がU+3D95に収録されていたり、U+2975Cに入るべき「𩝜」がU+29778に収録されていたりと、まだまだバグが残っている。どうしても使いたい人は、あくまで「検証版」だということをキモに命じて使ってほしい。

  • IPA明朝Ver.003.03の「熱」 | yasuokaの日記 | スラド

    『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂、2011年3月)の読者から、5月10日に公開されたIPA明朝Ver.003.03のデザインは、当に常用漢字表と同一なのか、という御質問があった。それはIPAに尋ねるべきだと思うのだが、結論から言うと微妙に違う。違いがはっきりわかるのが「熱」で、常用漢字表では右上の「丸」の横画が左側を切ってあるのに対し、IPA明朝Ver.003.03ではくっついたままだ。他には、「暴」の10画目のハライの太さがかなり違うし、「次」の2画目のハネアゲ先も微妙に異なる。 ちなみに、私(安岡孝一)が『新しい常用漢字と人名用漢字』の「付録 新しい常用漢字一覧」の印刷に使ったのは、IPAex明朝Ver.001.03の方だ。ただし、IPAex明朝Ver.001.03に関しても「熱」の問題はあって、実際「付録 新しい常用漢字一覧」では「丸」の横画がくっついているのだが、この大きさ

  • 子の名に用いることのできる漢字の個数 | yasuokaの日記 | スラド

    『常用漢字表による公用文作成の手引』[平成22年改正対応版](第一法規、2011年4月)を読んでいたところ、人名用漢字に関する妙な記述にブチ当たった。(p.307) 法務省は、常用漢字表に掲げられた漢字のほかに、子の名に用いることのできる漢字の字種及び字体を、一覧表の形で公表している。 これにより、人名に用いることのできる漢字は、常用漢字表に掲げられた2,136字と、戸籍法施行規則別表第2に掲げる漢字の843字(一に631字、二に212字)とを合わせた2,979字となる。 『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂、2011年3月)のはじめににも書いたが、現時点で子供の名づけに使える漢字は2136+861=2997字のはずで、2979字だと18字も少ないことになる。あるいは、たとえば「穣」と「穰」を合わせて1字、とか数えてるのかと思ったが、そうすると、常用漢字の異体字が全滅するので、立場の違い

  • 「崙の簡化字」のIVS | yasuokaの日記 | スラド

    「UnicodeのIVSがもたらすメリットとデメリット」の読者から、JTC1/SC2/WG2/IRG N1757を読んでみてほしい、と連絡があった。中国の「簡化字」を「繁體字」のIVSで表したい、という提案のようだが、正直なところ、かなりスジが悪い。というのも、この提案は、「繁體字」と「簡化字」が1対1に対応するという幻想にもとづいて作られているからだ。 たとえば、N1757で「U+5D19 U+E0101」として提案されている「𪨧」(山かんむりに仑)だが、なぜこれを「崙」(U+5D19)の異体字として提案するのか、私(安岡孝一)にはサッパリ理解できない。そもそも、「崙」と「崘」は第一批異体字整理表(1955年12月22日)において「侖」に整理されており、したがって「侖」あるいは「仑」の異体字とみなすべきだからだ。しかも「𪨧」(山かんむりに仑)は、すでに「U+2AA27」に収録されてい

  • EPUBでの右寄せとセンタリング | yasuokaの日記 | スラド

    5月7日の電子書籍の夢、EPUBの現実に向けて、手元にあった論文On the Prehistory of QWERTY (ZINBUN, No.42 (March 2011), pp.161-174)をEPUB化してみたのだが、各実装に結構キモチ悪いところがいくつもあって、難航していたりする。 まずiPadのiBooksでは、<div>のalign="right"が効かない。まあ、style="float:right"で誤魔化して直後でstyle="clear:right"すりゃいいのだが、何とも不格好だ。一方、Adobe Digital Editionsは、<div>のalign="center"が、文字以外の要素に対してうまく働かない。Stanzaはもっとボロボロで、この手の位置そろえがほとんど動かないようだ。これらに対し、FirefoxのEPUBReaderは、まあまあ問題なく動く気

  • 『標準名づけ読本』の所蔵 | yasuokaの日記 | スラド

    『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂、2011年3月)の読者から、『標準名づけ読』(婦女界社、1940年12月)はどこで読めるのか、という趣旨の質問があった。実は、国立国会図書館にも所蔵はあるのだが、どういうわけか閲覧制限がかかっていて、OPACにも出てこないし一般には見ることができないのだ。 でも、都立多摩図書館とか、横浜中央図書館とか、成田山仏教図書館とか、野田市立興風図書館とか、京都府立図書館とか、京都産業大学附属図書館とか、石川県立図書館とか、新潟大学附属図書館とかでは、『標準名づけ読』が普通にサービスされていて、もちろん閲覧可能だ。また、台中図書館では、デジタル画像を公開していたりする。ただ、台中図書館のデジタル画像は、表紙裏の「五百字一覧表」が抜けているので、それについては人名用漢字の源流(第1回)で確認してほしい。

  • 濁点つきの変体仮名 | yasuokaの日記 | スラド

    思うところあって、JTC1/SC2/WG2 N3698をチェックしなおしてみたのだが、やはり、この変体仮名提案はあまりスジが良くない。戸籍統一文字に含まれている変体仮名168字と較べてみても、少なくとも900180や900240や900700は、N3698には含まれていない。また、U+1B0xxへの追加ってのも、新たな変体仮名が「発見」された場合に仮名の順序が狂ってしまう、という点でイマイチだ。通常の「仮名」(U+30xx)にVariation Selectorをくっつける形での符号化の方が、まだマシな気がする。 ただ、その場合、濁点つきの変体仮名をどうするか、という問題があるのは確かだ。たとえば「ば」の変体仮名の場合に、「は」(U+306F)にVariation Selectorを付けた後で濁点(U+3099)を付けるのか、それとも「ば」(U+3070)にVariation Select

  • 「璽」はめったに見ない漢字なのに、どうして常用漢字なのですか? | yasuokaの日記 | スラド

    前田富祺の『常用漢字最新ハンドブック』(明治書院、平成23年1月)を読んでいたところ、質問6の「璽」はめったに見ない漢字なのに、どうして常用漢字なのですか?に対する以下の【答え】が気になった。(p.31) 「璽」は「ジ」と読み、この字には印、印形、玉などの意味があります。たしかに日常生活で目にすることのあまりない字ですが、これは、憲法に使われている漢字です。憲法は全日国民が読めるということが前提なので、憲法に使われる漢字は、すべて常用漢字表に入れて、読めるようにする努力目標としています。同じように普段あまり目にすることがないけれど常用漢字表に入っている「朕」(チン)という字も、憲法に使われている字です。「朕」は天皇が用いた一人称代名詞で「私」という意味です。「璽」も「朕」も、天皇が憲法を公布した文書の中に使われています。「璽」は「御璽」として出てきますが、天皇の印形、印が押されていること

  • 漢字制限と保科孝一 | yasuokaの日記 | スラド

    芳賀明夫ブログでの私(安岡孝一)のコメントを読んだ方々から、「戦後日史漢字対談は、いつですか」とご質問があった。いや、その、お相手はクラレの会長さんだし、私の方がいくら乗り気でも、そう簡単に実現するとは思えないんだけど…。 ただ、正直なところ、私が和久井康明の『漢字の使用制限を撤廃せよ』(日経済新聞、第44902号(2011年1月31日)、朝刊p.5)に、噛みついたのは、この記事が漢字制限のことを話していながら、記事の中に「国語審議会」も「文化審議会国語分科会」も出てこないからだ。それでいて、「連合国軍総司令部(GHQ)」が当用漢字を導入した、なんていう話が出てくる。 それは少なくとも、昭和20年11月27日の国語審議会での保科孝一(国語審議会幹事長)の以下の発言を、全く無視しているということだろう。 社会上教育上の立場から漢字は自然に減少し、文体の平易化は自然に行われることと思うが、

  • GHQが導入した当用漢字 | yasuokaの日記 | スラド

    昨日付の日経済新聞(第44902号)をチェックしていたところ、和久井康明の「漢字の使用制限を撤廃せよ」(朝刊p.5)というインタビューが、目に止まった。 国語審議会が当用漢字表を答申したのは昭和21年11月5日。当用漢字表が次官会議に持ち込まれたのが11月11日。閣議に持ち込まれたのが11月12日。内閣告示が11月16日。実は、当用漢字表はGHQを通っていない。 『米国教育使節団報告書』(昭和21年3月30日)を読めばわかる通り、GHQの方針は日語のローマ字化だった。漢字制限どころか仮名も捨てて、ローマ字で日語を表わせ、というのだ。でも、国語審議会は、この報告書に先立つこと4ヶ月、昭和20年11月27日には、標準漢字表の再検討に着手していて、あくまで漢字制限の方向に突き進んでいく。この結果GHQは、昭和21年11月16日の当用漢字表内閣告示に対し、沖縄における当用漢字表の告示を許可し

  • 「玻南ちゃん命名事件」の判例解説 | yasuokaの日記 | スラド

    『家庭裁判月報』の今月号(第63巻第1号)を読んでいたところ、pp.50-51に、「玻南ちゃん命名事件」の判例解説が掲載されているのを見つけた。 【6】名古屋高裁平成21年10月27日決定(家月62巻8号65頁)は,戸籍法施行規則60条に掲げられていない文字である「玻」の文字を用いて子の名を記載した出生届の不受理処分に対する不服申立てを却下した審判に対する即時抗告審において,「玻」の字については,用例が限定的で常用性に乏しい上,書籍等で使用される場合,そのほとんどに平仮名のルビが付されているなど必ずしも平易であるとは言い難いことからすれば,これを氏に使用している者が社会生活上の不便や支障を感じていないとしても,社会通念上明らかに常用平易な文字であるということができないから,同条に掲げられていない文字を用いたことを理由に出生届を受理しなかった処分は正当であるとして,申立てを却下した原審判を是

  • 漢字が廃止されても漢字コードは無くならない | yasuokaの日記 | スラド

    『UnicodeのIVSがもたらすメリットとデメリット』の読者から、ここのTogetterの「議論」を読んでみてほしい、と連絡があった。昨日の「出版物のUnicode化推進セミナー」に関連したモノらしいが、発表をちゃんと聞いてない上に「議論」があまりに低レベルで呆れかえった。 だって、たとえ漢字を廃止したとしても、漢字コードは無くならない。IVSだって無くならない。そもそも文字コードってのは、現在の文字を伝えるだけじゃなくて、過去の文献をデジタル化しておくためにもある、っていうか、実際のデータ量はもちろん過去の方が多い。わかりやすい言い方をすれば、過去に漢字で書かれた文献やブログや「つぶやき」なんかが全てこの世から消え去らない限り、漢字コードは無くならない。 とは言え、ここのTogetterで「議論」してる連中は、『文字符号の歴史 欧米と日編』の「おわりに」なんか読んでないだろうし、IS

    works014
    works014 2011/01/28
    _“「議論」があまりに低レベルで呆れかえった。だって、たとえ漢字を廃止したとしても、漢字コードは無くならない。”…と…御意!
  • 日本IT界の鬼っ子「外字問題」解消プロジェクト | yasuokaの日記 | スラド

    経産省が動いたのは、官民ともにインターネットによる電子的な手続きの導入が進むなか、正しい人名表記を扱う必要に迫られると考えたためだ。法務省が幅広い電子化を目指して04年にまとめた「戸籍統一文字」(5万6040字)をもとに5万8713字のデータベースを作る。 とあってズッコケた。いや、それ、去年の8月に公募していた文字情報基盤構築に関する研究開発事業のことで、翌月には発足したんだけど。 委員として参画している私(安岡孝一)が言うのも何だが、この事業で「外字問題」は少しは楽になるかもしれないけど、決して解消するわけではない。たとえば戸籍統一文字の552700は、この58713字には含まれていない。というのも、戸籍統一文字は56040字から3字増えて現在は56043字になっているが、増えた3字のうち552700「⿳宀癶山」は、現時点ではこの事業の対象になっていないからだ。 だったら「⿳宀癶山」を