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ブックマーク / xtech.nikkei.com (518)

  • [資質編]説明できない言葉を使ってはいけない

    プロジェクト・マネージャ(PM)の中には,やたらと横文字や英略字を使って会話する人がいる。そういう人に「よく分からないので,詳しく教えてください」と聞くと,きちんと説明できないことが多々ある。言葉を正確に理解せずに使っているのだ。相手に説明できない言葉は,その言葉について理解しているとは言えない。 あるPMがユーザーに「最適なシステムはSFAをパッケージ化したこの製品です」と提案したとしよう。ところがユーザーから「SFAとは何ですか?」と聞かれたときに「え~と…それは…SはSalesのSでして…」と,たどたどしい説明をしていたのでは,その提案に対するユーザーの興味と,PMに向けられていた尊敬の眼差しは,吹き飛んでしまう。 また,あるPMが各チーム・リーダーに向かって「工程を管理してください」と言ったとしよう。その際,あるリーダーから「工程を管理するとは具体的に何をやればよいのですか?」と聞

    [資質編]説明できない言葉を使ってはいけない
  • 事業部を分け,そしてまた疲弊する

    売上,利益ともに大きく落としたサイボウズは,生き残りをかけたチャレンジを開始しました。新しい収益源を獲得しなければ生きていけない。ソフト屋ですから,素直に「受託開発」をする選択肢もありました。しかし,当時の私たちは,やはりパッケージ・ソフトで勝負したいとの思いが強く,新たに3つのチャレンジをすることにしました。「新製品の投入」,「海外展開」,そして「エンタープライズ市場への進出」です。 この中で,一番期待していたのが「エンタープライズ市場への進出」です。新製品を投入しても,グループウエアほどのリターンは期待できないだろう。海外展開は,リスクが高く,成功確率が低い。それらと比較すると,中小企業の間で高まってきたサイボウズの知名度と実績を生かし,一気に大企業へ攻め込めるのではないか。そう考えました。 IT業界では,企業規模で市場を分けて考えます。中堅・中小企業を「SMB市場」,大企業を「エンタ

    事業部を分け,そしてまた疲弊する
  • 議事録のプロ

    システム構築の現場は,人と人とのコミュニケーションの場でもあり,ヒアリングや報告などさまざまな目的の会議がたくさん開かれる。そこで問題となるのが「議事録」だ。会議の議事録の取り方を観察していると,実に様々な流儀・方法を目にすることができる。 時々見かけるのが会議をすべて録音して,後日,誰かがほとんど1日費やして聞きなおしてすべて書き出すというもの。出来上がった議事録は数ページに及び,それを関係者に配ったとしても誰も見ようとはしない。それほどに冗長な議事録ではなくても,議題ごとに誰が何と言ったかについて克明に記述された議事録はよく目にする。 第一話で登場したIさんは要求定義ヒアリングのプロであるだけでなく,議事録のプロでもある。Iさんに「議事録の書き方はどうしたらいいか」と尋ねると,「決まったことだけ書いてください。それ以外は基的にいらないといっていいでしょう」と言い切る。 会議の場では様

    議事録のプロ
  • その日の仕事をその日に終らせるプロ

    ITコンサルタントの草分けG.M.ワインバーグが,納期遅延について面白いことを言っている。すなわち「遅延は1日ずつ生じる」と。システム構築プロジェクトでは,その日に済ませたいことをその日のうちに済ませることができない,ということがよく起きる。 提出物が不十分で後日再提出になった報告,結論を持ち越した会議,未確認事項が残ったヒアリングなど。このようにして生じた見過ごされがちな小さな遅れが1日ずつ蓄積して,ある日,1週間とか1カ月といったまとまった量の遅延となってようやく問題として認識されるようになる。 私の同僚にIさんというめったなことでは遅延を作らない,いわばスケジュール順守のプロがいる。彼は「要求定義のヒアリングは7回」と決めると,当に計画通りの7回あるいかそれ以下の回数で完了させる。期日を越えることはないし,品質も申し分ない。 その秘密が知りたくて,Iさんの要求定義ヒアリングのための

    その日の仕事をその日に終らせるプロ
  • 継続して複合製品を提供していく,究極の経営指標は日経平均株価

    継続して複合製品を提供していく,究極の経営指標は日経平均株価 大塚商会 代表取締役社長 大塚 裕司 氏 2008年2月に発表した2007年12月期の業績は連結売上高が前年同期比8.3%増の4694億8100万円、営業利益が同14.9%増の300億5100万円の好調を記録した。大塚裕司社長は今後の業績について慎重な姿勢を示すものの、経営の見える化を推し進めて成長を追求する姿勢に変わりはない。提供するソリューションの複合化やストックビジネスで顧客に臨む。 2007年12月期の業績をどう分析しますか。 2007年度、当社は営業担当者の実残業制度を採用しました。これで残業代が約9億9000万円増えたんです。単体での3.8%の人員増もあったんですが、社員1人当たりの売上高で4.6%、営業利益では10%程度の増加を実現できました。 昨年も一昨年も社員1人当たりの生産性を向上させてきましたから、この点で

    継続して複合製品を提供していく,究極の経営指標は日経平均株価
  • 狂い咲きマーケティング

    最新のマーケティング思考は、同時性としての生活者意識をとらえることに重心を置く。何か大きなイベントがあるときにもろもろの立場の人々の心情を一つのキーワードにまとめるのだ。こうすることで新しい時代の予兆を見いだそうという考え方である。簡単にいえば「洞察力」と呼ばれる人間臭いやり方なのだが、歴史に残る成功者たちはだいたいこの方法で市場を先取りしていたようだ。 分かりにくいので、例を挙げてみたい。大きなイベントというのは例えば「桜が咲いた」というようなことである。そこで「さぁ花見だ!」となるわけだが、花見と一言でいっても十人十色の花見がある。その人、それぞれの花見の仕方やその心情を観察することで、これからの時代の方向性を示すキーワードを見つけるのである。 小生を標にこの「花見マーケティング」を試みるとすれば、こんな感じになる。 「ヒマなのか」と突っ込まれると痛いのだが、実は今日までに3回も花見

    狂い咲きマーケティング
  • 緊急調査 SMB市場に臨むSIerと顧客の本音

    互いに理想と現実のギャップがありすぎて、新たな取引関係の構築になかなか踏み出せない──。中堅・中小企業の情報システム担当者とITサービスの営業担当者約4100人を対象に、ITサービスに対する意識や新規取引への意欲などを聞いたところ、ユーザー企業とソリューションプロバイダの間に横たわる意識の溝が鮮明になった。 互いに理想と現実のギャップがありすぎて、新たな取引関係の構築になかなか踏み出せない──。誌は10月上旬、中堅・中小企業の情報システム担当者とITサービスの営業担当者約4100人を対象にインターネット調査を実施。ITサービスに対する意識や新規取引への意欲などを聞いたところ、ユーザー企業とソリューションプロバイダの間に横たわる意識の溝が鮮明になった。 中でも溝が端的に表れたのは、取引実績のない相手との付き合い方。ユーザー企業は「取引実績のないITサービス企業からの提案をどう思うか」という

    緊急調査 SMB市場に臨むSIerと顧客の本音
  • 90日モデルを考える(SIerが取り組むテーマ、その1)

    「最近、90日モデルが気になっている」。日ユニシスでCTO(最高技術責任者)を務める保科剛氏は、システム構築のあり方を見直す時期に来ていることを感じ始めている。開発期間の長期化がIT投資効果を見えづらくし、さらに手一杯で新しい商談獲得ができないといった機会損失につがる可能性があるからだ。 07年1月、「SIerに求められる2010年の技術」をテーマにNTTデータ、野村総合研究所、日ユニシスの3社の技術担当責任者にインタビューした。今回はその続編で、保科氏はその時に「社会を支えるプラットフォームが重要になり、そこに必要な仮想化や可視化、情報管理(データベース)の3つがキーワードになる」と話した。このことに変わりはないが、90日でデリバリすることが強く求められはじめつつあるという。 例えば金融機関向け勘定系システムは2年、3年の歳月をかけて開発する当たり前。中堅・中小企業向け情報システムで

    90日モデルを考える(SIerが取り組むテーマ、その1)
  • IT内部統制の「ムダ取り」が始まる!

    内部統制(金融商品取引法にいう)の格実施に入った段階において,IT内部統制のムダが気になるところです。このことは,監査法人やコンサルタントなど外部の専門家任せでスタートする多くの企業が,共通に抱える課題かもしれません。 CIOには,この格実施の初期の段階において,IT内部統制の最終チェックをする機会が与えられています。 内部統制は,「小さく産んで,小さく育てる」 昔から,人の誕生を例えて,「小さく産んで,大きく育てる」と,よく言われています。 ところが,内部統制はどうでしょうか。 もし,「小さく産んで,大きく育てる」心構えで進めたら,統制活動の規約をはじめ諸規定など文書類が増えるのは避けられません。その結果,内部統制を従業員に周知させるための教育や,内部統制の有効性を評価するためのモニタリングと評価,監査や内部統制の改定に要するコストと時間は,膨大ものになるはずです。 内部統制にかかる

    IT内部統制の「ムダ取り」が始まる!
  • 誰も言わないガソリン税騒動の真因

    現在、国会では「道路特定財源の一般財源化」と「ガソリンなどの暫定税率の廃止」が議論されています。福田首相は「平成21年度に道路にしか使えない財源を医療や教育などにも使えるようにする」「暫定税率の見直しは、税制抜改革に併せて行う」と説明されていますが、どうなのでしょう。再来年度などという話は、2年前から「やるやる」と言いながらできていない税制抜改革と一緒になるのではと危惧しているのですが。 いろいろ言いたいこともありますが、このへんは党の論理のぶつかり合いですからさておいて、この際ですから「暫定税率の廃止」という問題をもう少し深く分析してみたいと思います。暫定税率の廃止というと、マスコミは「ガソリンの価格が1リットル当たり25円安くなる」ことばかりを言い立てます。けれど、影響はそれだけではありません。このまま政府与党と民主党が合意できないまま、両方の法案が成立しない場合は、租税特別措置法

    誰も言わないガソリン税騒動の真因
  • 中国で「カンバン方式」に挑んだソフト会社

    「当社の開発センターは“ソフト工場”を目指している」。中国・山東省にある青島でオフショア開発を展開する軟脳離岸資源(青島)有限公司の張徳評総経理は、開発工程にカンバン方式を導入した理由をこう説明する。 軟脳離岸資源はソフトブレーンなどが出資するソフトブレーン・オフショアの中国法人。2005年12月に設立され、社員数は約100人だ。同社の技術者は出社すると、まずはプロジェクトリーダーから1日の作業書を受け取り順次、作業をこなす。 毎日の作業の細かい指示だけでなく、「高」から「低」といったタスクの優先順位も示している。1日にどこまで作業が進んだのかについて作業記録が残るので、タスクごとの品質評価も分かる。これらは人事評価にもつながる。 技術者にとっては1日の仕事が明確になり、勤務時間通りに帰宅できることが多くなるという。残業する場合は、総経理の承認が必要になる。 一方、高い能力を求められるリー

    中国で「カンバン方式」に挑んだソフト会社
  • メールが電話より3倍エライ理由---IP電話の採算を見直そう

    3月18日,明治記念館で講演を行った。ここでの講演は2005年以来,連続4年になる。落ち着きのある低層の建物と広々した芝生の庭が好きで,いつも楽しみにしている。 講演テーマは「NGN/ワイヤレス・ブロードバンドで進化する企業ネットワークの新展開」で,ワイヤレス・ブロードバンドとNGNが中心だった。しかし,サブテーマの中で「激減する電話をどう扱うか」について話した。 今回は久しぶりにIP電話について述べたいと思う。言いたいことは単純で,電話はメールによって駆逐され使われなくなっているので,「通話料削減」とか「電話の取次ぎ,話中の削減による時間の節約」などというIP電話やユニファイド・コミュニケーションの導入目的はほとんど成立しなくなった,ということだ。 この10年で通信の最大の変化はメールが電話を駆逐したこと ネットワークの世界はこの数年,私たちの想像より現実の変化の方が大きく,統計やアンケ

    メールが電話より3倍エライ理由---IP電話の採算を見直そう
  • 第13回 Webページで読みやすいテキストとは:ITpro

    今回のポイント 1行あたりの文字数の目安 1段落の文字数の目安 段落に含む文字数 行間調整の考え方 字間調整を使ったロゴ風味見出し 日語というのはもともと縦書き文化です。文字も筆で縦書きしていくときに書きやすいように作られています。現在PC画面上で見るフォントは,活字印刷物のフォントとは違い,横書きで読みやすいようにもともとの字体から若干形を変えられています。それでも起源である縦書きの形を完全に壊すことができないので,やはり横書きでは読みづらいようになっています。 日人が苦痛を感じることなく読める横書き1行あたりの字数は20字+α程度だと言われています。意識して雑誌などを見るとたいていが!)25文字から28文字程度です。用紙,つまりのサイズがA4を超えるような大判になると,1ページを左右2段組に分けて25~28字程度に調整されています。 一方,縦書きの場合には識別許容量はグンと増加し

    第13回 Webページで読みやすいテキストとは:ITpro
  • スクウェア・エニックス,韓国での著作権侵害訴訟で勝訴,賠償総額3億ウォン

    スクウェア・エニックスは2008年3月13日,韓国の芸能プロダクションであるファントム・エンタテインメント・グループなどを相手取り,韓国のソウル中央地方法院に提起していた著作権侵害訴訟に勝訴した(発表資料)。 ファントムは,同社所属歌手「IVY」による楽曲「誘惑のソナタ」の広告宣伝用ミュージック・ビデオの中で,スクウェア・エニックスのCG映像作品「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン」の一場面を無断で改変・実写化したとする。ファントムは2007年3月上旬から,同ビデオをインターネットを通じて有償で公衆送信した。 スクウェア・エニックスは2007年6月22日に,同ビデオを製作・指揮した監督ホン・ジョンホ氏と,同ビデオを商用目的で利用したファントムを被告として,著作権侵害行為等を理由としてソウル中央地方法院に民事訴訟を提起していた。ソウル中央地方法院はスクウェア・エニックスの主張

    スクウェア・エニックス,韓国での著作権侵害訴訟で勝訴,賠償総額3億ウォン
  • 2007年 パートナー満足度調査

    「人的支援の厚さこそが、満足度を高める王道」―。9回目となるパートナー満足度調査は、この言葉を改めて印象付ける結果となった。製品面の評価は他社に若干劣っても、人対人の支援でパートナーのビジネスを後押し、劣勢を補う。このような“泥臭い”パートナー施策で高い評価を獲得したNEC富士通、そして日オラクルの3社が今回、多くの部門を制覇した。特に日オラクルは技術・営業スタッフを駆使。電話サポートをうまく活用しながら、特約店を抱える大手メーカーと渡り合い、高評価を得た。 ■【総論】NEC富士通、オラクルが3部門ずつ制覇 決め手は「顔の見える支援」 ■UNIXサーバー 富士通が2年ぶりに首位、日立が転落 UNIXサーバー分野は、富士通が2年ぶりに首位に返り咲き、NECが2位になった。前回1位だった日HPは、3位に後退した。昨年の調査では富士通NEC、日IBM、日立製作所の4社が同列で2位で

    2007年 パートナー満足度調査
  • ITpro EXPO AWARD受賞製品に見る来場者へのアピール度

    ITpro EXPO 2008の一つの企画としてITpro EXPO AWARD 2008を開催した。大賞となったサイボウズの「ガルーン2 次期バージョン」をはじめ合計17の製品やサービスを選出している。その選考基準には,新規性や優れているかだけでなく,来場者に対するアピール度も含まれる。なぜ,来場者へのアピール度が含まれるのか,AWARDを受賞したベンダーがどんなアピールを行ったかを紹介しよう。 来場者へのアピール度も選考基準の一つ ITpro EXPO AWARDをご存じない方のために簡単に説明すると,「ITpro EXPO に出展されるすべての製品/サービスを対象として,日経BP社が発行するIT/ネットワーク誌,Web メディア10媒体の編集部が取材・審査し,優れた製品/サービスを表彰するもの」である。 各編集部から選考メンバーを出してもらい,ITpro EXPOの初日(2008年1

    ITpro EXPO AWARD受賞製品に見る来場者へのアピール度
  • サイボウズ、大企業攻略に向け営業体制を強化

    「2008年は国内のマーケット・シェアで圧勝する。そして、2009年の海外格進出への足がかりとしたい」。サイボウズの青野慶久社長(写真)は3月6日、事業戦略説明会で意気込みを語った。同社は2月1日付けで、大規模ユーザー向けの営業組織「MA営業部」を新設した。これまで得意としてきた中堅・中小企業に加え、3000~1万5000人の従業員を抱える大手ユーザー企業を攻略するためだ。 MA営業部は、従業員3000人以上のユーザー企業約700社を対象に、グループウエアの導入状況を調査。今年から来年にかけて、グループウエアのリプレースを検討しているユーザー企業に対して、グループウエア新版「ガルーン2.5」(今春出荷)を直販する。ただし、「パートナー企業の顧客企業と重複する場合は、パートナー企業と共同で営業活動を進める」(林貢正MA営業部長)。 今後サイボウズは、テンプレートのカスタマイズやAPIを利用

    サイボウズ、大企業攻略に向け営業体制を強化
  • 社内ブログ活用研究会その1「最大の悩み:なぜ社内で盛り上がらないのか?」

    先日,ブログを活用して社内の情報共有や社員の活性化に取り組む企業の担当者が集う社内ブログ活用研究会にゲストとして招かれました。 これは,株式会社CIJが主催している研究会で,ファシリテーターをしている株式会社ナレッジサインの吉岡英幸代表取締役からお誘いを受けたのです(関連記事)。 同研究会のルールにより参加企業と参加者のお名前は出せませんが,誰もが知っている出版社からIT企業まで,精鋭の担当者が集まっていたのです。そして,社内ブログ活用の先進事例として知られる企業の担当者さえも,日々頭を悩ましている課題について,赤裸裸に語りあったのです。 多くの悩みを「一言で集約」するなら,「社内ブログが盛り上がらない」ということに尽きるでしょう。ブログで情報共有できる場ができても,1)書き込んでくれる人が少ない,2)重要な情報が集まらない,3)見に来る人が少ない という三重苦に見舞われているのです。 そ

    社内ブログ活用研究会その1「最大の悩み:なぜ社内で盛り上がらないのか?」
  • 全社IT組織の変革(全5回) 第1回:IT経営はIT部門にあらず

    IT部門だけがいくら努力してもIT経営は実現できません。分かりきったことだとはいうものの,「全社IT組織の変革」を計画的に実施している企業は,決して多くはありません。内部統制も文書化が済めば,内部監査部門以外は,IT部門をはじめ受身になりがちです。これでは,期待するIT経営は,遠のくばかりです。 IT経営の主体者は? 情報システムとは? IT経営とは,「経営目的を達成するために,情報技術を活用し,経営品質を高めるとともに,経営活動の効率化を推進すること」といえます。このような視点で見ると,IT経営の主体者は,経営者はじめ従業員(正規社員だけでなく,派遣社員,パート社員なども当然含みます)のすべてということになります。 一般的に,経営活動は,経営者はじめ従業員の意思決定による業務活動であると見ることができます。的確な意思決定には,的確な情報が必要であり,そのためには,「情報を入手し活用できる

    全社IT組織の変革(全5回) 第1回:IT経営はIT部門にあらず
  • 売り上げ成長計画を慎重に見る大塚商会社長の真意

    「社内的には狙うが、5%をコミットするのは厳しい。少しコンサバに見ているが、同業他社の状況に加えて、1月から(IT投資に)ユーザーが慎重になっている。決裁も部長から役員、社長になり期間が延びてきており、3月までは気を引き締める」。システム販売大手、大塚商会の大塚裕司社長は08年2月5日に開いた07年度決算説明会で、売り上げ成長計画をこれまでの年率5%から4%台に下げた理由を説明する。 同社は、07年度(07年12月期)で5期連続の増収増益を達成した。大塚氏は毎年の決算説明会で、「当たり前のことを実行しているだけ」と、好業績に秘訣はないことを強調している。ちなみに07年度の売上高は前年度比8.3%増の4694億円、営業利益は同14.9%増の300億円である。 だが、07年度は同社にとって上場以来の大きな転換期であったとも見られる。得意分野で利益率の高い年商10億円未満の中小企業向け売り上げ構

    売り上げ成長計画を慎重に見る大塚商会社長の真意