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ブックマーク / nix-in-desertis.blog.jp (8)

  • nix in desertis:会田誠展に関する議論周辺雑感

    ・退屈で倒錯した話 - 「森美術館・会田誠展への抗議」問題についての雑感(Ohnoblog 2) 私はこの大野さんの記事の論旨に納得したクチなのだが,はてブやtwitterの反応を見るに一般的にはそうでもないらしい。どころか,抗議した側の人間から記事は「的外れ」であるという指摘があったようだ(後述)。それでまあ自分でも見に行ったので,ぼちぼち短くぼやいておこうと思う。なお,会田誠展への抗議そのものは上記の記事からのリンクで読めるので,件について全く知らない人はそちらからどうぞ。 メタブにも書いたが,私がこの記事への反応で一番驚いたのは「筆者の主張とは無関係に「表現の自由は擁護されるべきだ」という主張が出てくるあたり」である。言うまでもなく私も撤去には反対だが,「今回の抗議はそういう問題ではない」ということを主張したのがこの記事であったのだから,はっきりと言えば記事が読まれていないも同然

  • nix in desertis:第零(−1)次世界大戦的な

    ・【1688】第二次英仏百年戦争【1815】(歴史的大敗) → 財政軍事国家という言葉の定着度。高校世界史でも見るようになってきたし,遠くない未来に完全に定着するかもしれない。とはいえ,その根的な理由が英蘭同君連合と議会政治のおかげ,なのは間違い無いだろう。名誉革命は当に歴史の転換点だと思う。あそこでオランダがフランスに取り込まれていたら,どうなっていたか。 → この辺の外交は当におもしろい。主要諸国の立ち回り。ファルツ継承戦争と対オスマン帝国戦争スペイン継承戦争と大北方戦争の同時進行のカオス具合とか。 → 七年戦争でオーストリア勝利のifは考えたことなかったけどおもしろそうではある。概ね>>15に同意なのだけど,あえて言えばフランス革命は不可避だったと思うので,「誰がナポレオンを止めるか」というところで,プロイセンが不在なので結局ロシアとイギリスなのかな,と。ナポレオン戦争の過程

  • nix in desertis:絶対王政について

    絶対王政はルイ14世があまりにも有名であるため,またその名前のイメージから,専制君主との区別がついていない人が多い。実際には,絶対王政と専制君主は根的に異なる。 絶対王政は,中央集権化・近代化の過程で西欧に出現した特殊な政体である。中央集権的な国家体制とは何かといえば,少なくとも前近代においては国家に直属する官僚制と常備軍にほかならない。言うまでもなく常備軍こそが国内外で国家の権力を裏付ける軍事力であり,これを維持するための徴税機構として整備された官僚制が必要であった。しかし,これだけならば近世アジアに出現した専制君主国家でも共通する要素であり,絶対王政に特有のものではない。 西欧で出現した絶対王政は,まず極端な封建制社会から脱して,長い時間をかけて中央集権化していったこと。そして,大航海時代以降急速に力をつけた市民層が,既存の権力層とは別に社会の主役として登場してきたこと。この2点が他

  • nix in desertis:南北アメリカの歴史的相違点

    ・何でブラジルは豊富な資源や広大な農地があるのにアメリカみたいになれなかったんだ(歴史的大敗) 少なくとも民族性や気候のせいにするのはちょっと。まあそういうものも必ずしも無きにあらずという気もしつつ,と思ったので取り上げる。マジレスすると南米が経済発展しなかったのは長く続いた地主制(カウディーリョ)のせい,というところでおおよそまとめられると思う。独立はしたけれど,政治的独立は必ずしも経済的独立とは言えない,という話。また,ブラジルがBRICsにカウントされているように今後のことはわからないので,「今南米に『アメリカ合衆国』が存在しない理由」に絞って話をする。 植民地は「一次産品,農産物を国に送り,かつ国の工業製品を買わせる」という意味合いが強いので,普通国のほうで縛って商工業は発展させない。よって,自然と地主が現地民をこきつかって農産物を量産する,プランテーション経営が成立しやすく

  • nix in desertis:ニコマスで初めて知った単語「被写界深度」

  • nix in desertis:地政学(4):朝鮮半島はなぜ長らく大陸型の国家であったか?

    朝鮮半島は奇妙なのである。半島国家は大きな歴史的事情がない限り,多くの場合海洋国家的性格を持つ。ところが,朝鮮の諸王朝はそのほとんどが大陸国家的な性格を有した。朝鮮人はあまり外海へ漕ぎ出そうとはしなかった。その理由や例外の発生は,朝鮮半島の自然地理的条件と,歴史的条件,その両方に求められるように思われる。結論からずばっと書いてしまってもよいのだが,あえて朝鮮半島の歴史を概観することで検証していきたい。 朝鮮半島の歴史をどこから始めればいいのかという問題は一つあるのだが,衛満による朝鮮やそれ以前のあったかどうかもわからない王朝はテーマにおいて瑣末なものであるので(海洋利用の未発達),三国分立あたりから始めることとしたい。知っての通り高句麗はツングース系の民族であるので,これは大陸国家である(というよりも,朝鮮によらず半島北部は大陸国家的になりやすい)。 残るは新羅,百済だが,両国は日との

  • nix in desertis:地政学(3):オランダはなぜ覇権を握れたか?

    オランダが海上覇権を握った理由というのも,地政学的におもしろい。そもそも,オランダは半島でも島国でもないのに,なぜ海洋国家たりえたのか。 ネーデルラントがいかにしてハプスブルク家の領土となったかという経緯は以前書いたことがある。付け加えて言うなら,当時のフランドルは先進的工業地帯であり,イギリスはフランドルへの羊毛輸出が国家的産業であったため,ここを敵対的国家=フランスに押さえられるわけにはいかなかった,という事情が百年戦争勃発の原因の一つである。 上述の記事の繰り返しになるが,大航海時代の到来により大西洋岸の経済が活性化し,逆に地中海経済圏が衰退を始める。これだけならより大西洋に近いフランスやスペインが欧州経済の中心になってもおかしくないわけだが,それが東に引っ張られてネーデルラントとなったのは,もう一つ事情がある。すなわち,ドイツ・東欧・ロシアの農業的発展であり(再版農奴制),小麦や木

  • nix in desertis:保守主義とは何か

    自称がつかなければ保守と名乗れないような状況は異常である。ここでは私の保守主義の定義を出すが,別にオリジナルというわけではなく,こんなことはバークが規定し,ディズレーリが実行し,マンハイムが再確認したところでしかない。これをもって私は「自称」を外すことにする。代わりに「古典的」でもつけようかと思う。 ・保守主義とは「漸進的な改革」路線である。改革を否定すればそれは事大主義となり,改革を過度に進めればそれは革新勢力となる。あえていうなれば,反原理主義と,最も急進的な改革としての(暴力)革命に対する抵抗=反革命が,保守主義にとってのほぼ唯一の理念と言える。 ・保守主義はそれ以外の特定の理想・理論を持たない。理想を掲げれば革新勢力になる。特に「平等」を掲げ理論で肉付けすれば,それは左派になる。「自由」を標榜すればそれは自由主義になるだろう。加えて,そこに宗教的論拠や民族主義を持ち込めば右派となる

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