今回は、最近注目されているアガンベンが、1978年のフーコーのコレージュ・ド・フランス講義『安全保障、領土、人口』に基づいて、テロと安全保障について考察している興味深い一文を紹介しよう。9月20日のフランクフルター・アルゲマイネ紙掲載である。原文はイタリア語。911事件については一言も言及されていないが、そのメッセージは明らかだろう。ぼくはアガンベンとかなり近いスタンスをとっているので、共感できる文章だ。入手しにくいテクストなので、こっそりと原文をリンクしておく。FAZにはないしょだぜ(笑)。 ==================== 秘密の共犯関係----安全保障とテロリズムについて (ジョルジォ・アガンベン) 安全保障が国の政治学の中心的な概念となったのは最近のことではなく、近代国家の誕生の時期にまでさかのぼる。ホッブスがすでに、安全性の保障と恐怖を対立させ、人間が社会を構成するのは安