宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の劇団員の女性が死亡した問題で、西宮労働基準監督署が22日、歌劇団に立ち入り調査した。歌劇団によると、数日前に予告があり、労働基準法などの法令に基づき、組織の体制、労働時間の管理方法、勤務実態などの聞き取りを受けた。歌劇団は「今後も指示があれば、真摯(しんし)に対応したい」とコメントした。 死亡した劇団員の女性はフリーランスという形式で、歌劇団とは雇用契約(労働契約)ではなく、業務委託契約を結んでいた。弁護士チームがまとめた調査報告書は、死亡直前1カ月に118時間の「時間外労働」があったと試算し、長時間の業務などにより心理的負荷がかかっていた可能性を指摘した。歌劇団の木場健之(こばけんし)理事長も14日の記者会見で「安全配慮義務を果たせなかった」と言及した。