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ブックマーク / univ-journal.jp (77)

  • 東京大学、進化を経ても変化しない脊椎動物の基本構造の謎を解く

    東京大学大学院理学系研究科の入江直樹准教授が率いる国際共同研究グループは、脊椎動物の基構造が5億年以上変わらない理由の一端を解明した。 今回、同グループは、この謎を解くため、8種の脊索動物を対象に胚発生過程の初期から後期に渡る遺伝子の転写産物情報を、超並列シーケンサーによって大規模に取得し、コンピュータを用いたデータ解析を行った。 その結果、従来考えられていた予想に反して、器官形成期にはたらいている遺伝子は他の発生段階でも使い回されている遺伝子群が多数を占めることが明らかになった。また、使い回し遺伝子の比率が高い発生期ほど進化的に多様性に乏しくなること、使い回しの頻度が多い遺伝子ほど生存に必須であることなどが明らかになった。これらの成果は、2017年9月26日付で英国科学雑誌Nature Ecology & Evolutionにてオンライン公開された。 論文情報:【Nature Ecol

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    El_Fire 2017/10/05
  • 地球最古の生命の痕跡、東京大学らが発見に成功

    東京大学大学院総合文化研究科の小宮剛准教授らの研究グループは、カナダ・ラブラドル・サグレック岩体に産する39.5億年前の堆積岩を調査し、生命活動の痕跡を見出すことに成功した。この成果により、世界最古の生命の痕跡は、これまでの推定より1.5億年以上も遡ることとなる。 今回、同研究グループは、39.5億年前の海洋堆積岩を調査し、複数の堆積岩中に微小なグラファイト(炭素質の微粒子)が存在することを発見。これらを詳細に解析し、発見されたグラファイトは、当時の海底面に降り積もった物であること、還元的アセチル-CoA経路やカルビンサイクルといった生命による代謝分別経路を経て生じたものであることを明らかにした。 成果により、約40億年前の海洋で生命活動が行われていた地球科学的な証拠が世界で初めて示された。当時の海洋に生息していた微生物種については、さらなる分析評価を重ねることで、その特定につながること

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    El_Fire 2017/10/02
  • 40年で半分、夏の北極海で海氷が激減した要因を北海道大学らが解明

    地球温暖化のもと、北極海の夏の海氷面積はこの40年で半減した。国立極地研究所の柏瀬陽彦研究員、北海道大学低温科学研究所の大島慶一郎教授は、この海氷面積の減少が「海氷-海洋アルベドフィードバック」と呼ばれる効果が要因の一つであることを明らかにした。 かつて、北極海は一年中海氷に覆われる多年氷域だったが、今は夏に海氷がなくなる季節海氷域へとシフトしつつある。2012年9月には人工衛星による観測から、海氷面積が過去最小になったことが判明。2050年ごろには夏の海氷はほとんど消失するという予測もある。 海氷激減の要因はいくつか指摘されているが、今回、衛星観測による海氷データ等の解析から、海氷-海洋アルベドフィードバックが重要な要因であることが明らかになった。日射に対する反射率(アルベド)が、黒い開水面では白い海氷表面より小さい。海氷域で水開き(開水面:周囲が氷で覆われている、水面が見えている部分)

    40年で半分、夏の北極海で海氷が激減した要因を北海道大学らが解明
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    El_Fire 2017/09/22
  • 誘導起電力を求める2つの方法、奇妙な一致の謎解明 筑波大学

    磁場を横切る導線に生じる誘導起電力の計算は、高等学校の物理の教科書にも載っている馴染み深い問題だ。しかし、この誘導起電力が「ファラデーの電磁誘導の法則」と「ローレンツ力」という古典電磁気学上の全く独立な物理法則のどちらを使っても導出できることの理由は、これまでわかっていなかった。 筑波大学の小泉裕康准教授は、この奇妙な一致の謎を量子力学とゲージポテンシャルを用いて明らかにしたという。 つまり、この前者の見方がローレンツ力を使う方法に、後者がファラデーの電磁誘導の法則を使う方法に対応し、古典電磁気学で見られた2つの質的に異なる方法での奇妙な一致は、電子の量子状態を表す波動関数の位相因子の2重性によりつながっていた結果であることがわかった。 この成果は、偶然のいたずらと考えられていた一致に理論的な回答をもたらしただけでなく、超伝導状態の波動関数に位相因子の2重性の考えを適用することで、超伝導

    誘導起電力を求める2つの方法、奇妙な一致の謎解明 筑波大学
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    El_Fire 2017/09/15
  • 10億分の1秒で意思決定、レーザーカオスを用いてAI「強化学習」を実現 埼玉大学など

    10億分の1秒で意思決定、レーザーカオスを用いてAI「強化学習」を実現 埼玉大学など 大学ジャーナルオンライン編集部 情報通信研究機構(NICT)、埼玉大学、慶應義塾大学の研究グループは、半導体レーザーから生じる光カオスを用いて、超高速フォトニクスを応用した強化学習に世界で初めて成功した。 儲けの最大化には当たり台の試し打ちが必要だが、試し打ちをし過ぎれば損をし、早めの打ち切りは当たり台を見逃すことになる。この「探索」か「決断」かの問題の解決はランダムに台を選ぶことで、従来はコンピューター上で計算手順に基づいて生成する「擬似乱数」を用いていたが時間がかかり、乱数の「質」にも限界があった。そこで、研究グループは、「自然界の物理現象を直接用いた強化学習」を提案し、単一光子を用いた方式の実現に成功していた。 今回の研究では、半導体レーザーを用いた時に生じる光の「カオス現象」(注)を用い、2台のス

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    El_Fire 2017/08/30
  • 東京大学、痛覚を逃避行動へと変換する脳神経回路を解明

    東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻の榎和生教授らの研究グループは8月11日、最新の光遺伝学、神経活動の可視化技術などを用いショウジョウバエ幼虫における痛みの神経回路を明らかにしたと発表した。 「痛み」という感覚は哺乳類だけではなく、魚類や昆虫などほとんどの生物に備わっている重要な感覚である。痛みを感じると生物は危険を避ける行動を起こす。しかし、痛みの感知を逃避行動へと変換する神経回路がどのように実装されているのかはわかっていなかった。 今回研究グループはショウジョウバエ幼虫を使った実験を試みた。ショウジョウバエ幼虫は強い痛みを感じると横向きに高速回転運動を行い危険な対象物から逃れようとする。最近、ショウジョウバエ幼虫の痛覚神経および痛覚受容体が同定され、ヒトと同じ仕組みを使っていることが分かってきたという。 今回、まず、皮膚に存在する神経細胞が脳に情報を送る際に、自分が持っている痛み

    東京大学、痛覚を逃避行動へと変換する脳神経回路を解明
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    El_Fire 2017/08/21
  • 世界初、国際宇宙ステーションで沸騰・二相流実験を開始 神戸大学ら

    神戸大学は、同学工学研究科の浅野等准教授が参画するグループが、JAXA(宇宙航空研究開発機構)のプロジェクトとして国際宇宙ステーションでの沸騰・二相流実験を世界で初めて開始したことを発表した。 近年、宇宙構造物の高度化・大型化によって、高性能な冷却・熱輸送システムが必要となっている。とりわけ地球上で発電システムやエアコンなどに広く利用されている沸騰を使った冷却は、気化熱により多くの熱を奪い輸送することができ、冷却システムのコンパクト化と省電力化が可能なことから、今後の宇宙機に適用すべき重要な要素技術として期待されている。しかし、無重力の宇宙空間では浮力がはたらかないため、沸騰で生じた気泡が動かずに大きく成長し、冷却を阻害すると言われている。 プロジェクト「Two-Phase Flow(TPF)ミッション」では、安定した無重力環境が得られる国際宇宙ステーション「きぼう」において、世界で初め

    世界初、国際宇宙ステーションで沸騰・二相流実験を開始 神戸大学ら
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    El_Fire 2017/08/18
  • 量子計算機でも解読困難 北海道教育大学らが新方式の公開鍵暗号開発

    量子計算機でも解読が困難な新しい原理に基づく公開鍵暗号が、北海道教育大学、九州大学、産業技術総合研究所と株式会社東芝の共同研究により開発された。量子計算機でも計算が困難と期待される非線形不定方程式の最小解問題に基づいた構成で、この領域で有力とされてきた格子暗号と同等またはそれ以上の安全性と計算効率性が期待できるとしている。 現在、大手IT企業や政府の大規模な投資により量子計算機の開発が急ピッチで進んでいる。量子計算機が開発されると、現行の公開鍵暗号が安全性の根拠としている素因数分解や離散対数問題が短時間で解かれ、暗号が解読されてしまうことから、量子計算機でも解読が困難な対量子公開鍵暗号の研究開発が近年活発に行われてきた。しかし、対量子公開鍵暗号は公開鍵サイズが大きいという欠点があり、これまで実用化に至っていなかった。 今回開発されたのは、従来の対量子公開鍵暗号が安全性の根拠としてきた線型方

    量子計算機でも解読困難 北海道教育大学らが新方式の公開鍵暗号開発
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    El_Fire 2017/08/17
  • たった一つの遺伝子が脊椎動物の胴体の長さを決める、名古屋大学ら

    名古屋大学大学院理学研究科の鈴木孝幸講師、黒岩厚教授らは理化学研究所および東北大学との共同研究により、進化の過程で脊椎動物の後ろ足の位置の多様性が生み出されたメカニズムを解明した。 私たちヒトを含む脊椎動物の体の中心には背骨がある。背骨は頸椎、胸椎、腰椎、仙椎、尾椎が1列に並んだ構造をしている。様々な動物の骨格を見ると、既に絶滅してしまった恐竜を含め、あらゆる生物種において、後ろ足は骨盤を介して必ず仙椎に接続していることが分かる。 今回、同グループはGDF11というたった1つの遺伝子が後ろ足の形成に重要な働きを担っていることを突き止めた。つまり、同グループは、GDF11が仙椎の位置に必ず後ろ足と骨盤を作ることを発見した。さらに同グループは、卵や胎内で体が作られる過程で、GDF11が働くタイミングが早いとカメやカエルのように胴体が短く(頭から後ろ足までが近い)なり、GDF11が働くタイミング

    たった一つの遺伝子が脊椎動物の胴体の長さを決める、名古屋大学ら
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    El_Fire 2017/08/12
  • 「冷たい雨」が作られる仕組みを粒子レベルの観察で解明 東京大学

    東京大学生産技術研究所の田中肇教授らの研究グループは、結晶ゲル形成の素過程を3次元共焦点顕微鏡でリアルタイム観察することにより世界で初めて明らかにした。 液体に分散した粒子に引力が働くと、網目状につながり合ったゲル構造が形成される。このゲル化現象は、寒天のように日常的に身の回りで見られる現象である。通常のコロイドゲルはコロイド粒子がランダムな構造のまま凝集して固まった状態であるが、以前から、”ある条件下”では、結晶がつながりあったゲル状態が形成されることが知られていた。 今回、同グループはその動的過程の直接観察に初めて成功した。結晶ゲル形成の過程で、まず「コロイド粒子の濃度が高い液体相」と「濃度の低い気体相」に分離される。その過程で液体相のネットワークが形成され、その中に結晶核が出来る。結晶核が成長してネットワーク構造の表面に達し、直接、気体相と接触することで気体相のコロイド粒子が結晶表面

    「冷たい雨」が作られる仕組みを粒子レベルの観察で解明 東京大学
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    El_Fire 2017/08/11
  • 東北大学、頻脈性不整脈の新規治療法開発に成功

    東北大学大学院医学系研究科循環器内科学分野の下川宏明教授の研究グループは8月3日、頻拍性不整脈に対するアブレーション治療の分野において、衝撃波を用いた全く新しい治療法を開発し、動物実験でその有効性・安全性を報告したと発表した。 命に関わる疾患である頻脈性不整脈は脈拍が異常に速くなる。現在の対処法は高周波カテーテルを用いたもの(高周波アブレーション法)が主流だが、高周波通電で熱が発生するため、様々な課題がある。 研究グループは熱を用いない治療法として高周波の代わりに衝撃波を用いたカテーテルによる治療法の開発に従来より取り組んでおり、今回、改良を重ねた「改良版衝撃波アブレーション法」を開発。動物実験で安全が確認された。 改良版衝撃波アブレーション法は、従来の高周波アブレーション法よりも深い場所まで効果が到達する。さらに深さの調節も可能だという。さらに、血栓塞栓症の原因となりうる心臓の内側部分の

    東北大学、頻脈性不整脈の新規治療法開発に成功
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    El_Fire 2017/08/09
  • ニュートリノの「CP対称性の破れ」、95%の信頼度に 東京大学ほか

    東京大学などが参加するT2K実験(東海‐神岡間長基線ニュートリノ振動実験)国際共同研究グループは、ニュートリノにおいてCP対称性が破れている可能性が95%に高まったと発表した。 宇宙の始まりであるビッグバンでは、物質と反物質が同数生成されたと考えられている。しかし、現在の宇宙には反物質はほとんど存在しないため、物質だけが残った背景として物質と反物質の間になんらかの性質の違いが存在する、すなわち「CP対称性が破れている」と考えられてきた。どの素粒子が宇宙の成り立ちにかかわるCP対称性の破れを持っているか、最重要な研究課題のひとつとなっており、これまでに素粒子12種類のうちクォークのCP対称性の破れが発見されているが、残りの6種類のレプトンについては未解明である。 レプトンのうちの3種類であるニュートリノは、長距離を飛行する間に「ニュートリノ振動」という現象をおこして別の種類のニュートリノに変

    ニュートリノの「CP対称性の破れ」、95%の信頼度に 東京大学ほか
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    El_Fire 2017/08/08
  • 「顧みられない熱帯病」制圧に新たな創薬手法 東京工業大学

    東京工業大学などの研究グループは、WHOが制圧を目指す20の疾患群“顧みられない熱帯病”のうち、シャーガス病やリーシュマニア症などの原因となるトリパノソーマ科寄生原虫の創薬標的を、統合型データベース「iNTRODB」の活用により発見。さらに4個のヒット化合物を見つけ出した。従来の創薬手法に比べ、20倍以上高いヒット率で成功したことになる。 “顧みられない熱帯病”(NTDs)とは、主に開発途上国の熱帯地域、貧困層を中心に蔓延しているウイルス、細菌、寄生虫等による感染症を中心とする20の疾患群。世界で累計10億人以上が感染しているとされ、必要な医療も医薬品が手に入らないことで、健康問題だけでなく経済活動の足かせにもなっている。 今回研究グループは、秋山泰教授、北潔教授らとアステラス製薬熱帯感染症研究チームが連携して2012年に開発したNTDs創薬研究向け統合データベース「iNTRODB」を活用

    「顧みられない熱帯病」制圧に新たな創薬手法 東京工業大学
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    El_Fire 2017/08/04
  • 「ニシンの煮汁でコンブが成長」、長年の言い伝えを検証 北海道大学

    北海道大学大学院水産科学研究院は7月20日、1880~1920年頃に北海道海で大量に漁獲されたニシンが、当時のコンブの栄養源になっていたことを100年以上前のコンブから検証したと発表した。 コンブなどの大型海藻類が消失し、それを餌とするウニやアワビなどの生産が減ることを「磯焼け」という。近年では、北海道海ではこの「磯焼け」が問題になっている。磯焼けが発生したのは1930年以前とされるが、その時期の海の天然肥料である栄養塩の状態を説明できる科学的データは存在しなかった。 今回、研究グループは、北海道大学総合博物館が所蔵する1881年から134年分のコンブ標を使い、海の栄養状態を調べることができる窒素安定同位体比という原子の比較によって調べた。その結果、今から約100年から135年前に生育したコンブの窒素安定同位体比のみ他の海域と比べ高い値を示した。しかし、このことは一般的な窒素安定

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    El_Fire 2017/07/27
  • アクティブで持久力がある人は記憶力も優れている 筑波大学

    筑波大学と米国カリフォルニア大学アーバイン校らの研究グループは、身体活動量が多く持久力が高い人ほど、正確な記憶に不可欠な「パターン認識能力」(類似記憶の識別能力)が優れていることを発見した。 一方、歯状回が担うパターン認識能力と運動との関係はこれまでほとんどわかっていなかった。そこで、今回の研究では、健常若齢成人75名を対象に特殊な記憶テストを用いてパターン認識能力を測定し、身体活動量、持久力との関係を横断的に調べた。その結果、身体活動量が多い人ほど持久力が高く、パターン認識能力が優れていることが明らかになった。 今回の研究から、アクティブなライフスタイルを持ち持久力が高い人ほど歯状回の機能が優れている、すなわち海馬の神経新生が高まる可能性が考えられる。研究グループは、パターン認識能力が一過性の運動で短期的に高まることを既に確認していたが、この効果が長期的にも存在する(日頃の身体活動を通

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    El_Fire 2017/07/23
  • 自ら流動性を変化させる、アメーバのような新物質を開発 東京大学

    東京大学と物質・材料研究機構の研究グループは、外から電気・光・熱などを一切加えることなく、ゾル(液体)状態とゲル(凝固体)状態をひとりでに繰り返すアメーバのような液体の人工合成に世界で初めて成功した。 研究グループは、Belousov-Zhabotinsky(BZ)反応と呼ばれる化学振動反応を、ABC型トリブロック共重合体と呼ばれる特殊な分子配列を持つ高分子構造に組み込むことで、合成高分子がアクチンをまねて集合と分散を自ら繰り返す仕組みを考案した。ゼリーや寒天のように温めたり冷やしたりすると流動性が変化する材料は広く知られていたが、こうした変化がひとりでに起こる材料は未だかつて例がなく、今回の報告はこれを初めて実現したばかりか、アクチンによる機能を人工的に再現することに成功した世界で初めての報告となった。 生体内で見られる生命挙動の一部の再現を成し遂げたこの成果は、生命の自律性を考察する糸

    自ら流動性を変化させる、アメーバのような新物質を開発 東京大学
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    El_Fire 2017/07/18
  • 愛媛大学らが従来学説を覆す発見 マントル深部の超高圧下に安定な水酸化鉄

    愛媛大学の西真之助教らの研究グループ(他に東京工業大学、東京大学など)は、地球マントル深部の超高温高圧環境で安定な、鉄・水・酸素からなる新しい結晶構造の水酸化鉄の存在を世界で初めて明らかにした。研究成果は国際科学雑誌『Nature』(オンライン版)に発表された。 今回、研究グループはスーパーコンピュータ「京」などで量子力学に基づく理論計算を行い、80万気圧付近で水酸化鉄が分解するのではなく、パイライト(黄鉄鉱)型結晶構造に変化することを予測。大型放射光施設SPring-8において超高圧発生装置を用い、水酸化鉄に地球マントル深部に相当する高圧力をかけ、理論予測された結晶構造変化とその構造中の水素の存在を実証した。 この結果は、地球マントル深部で水酸化鉄が脱水分解するという従来の学説を覆す発見であり、地球深部における水の役割と循環の解明が期待される。今回実証した新しい構造の水酸化鉄は、マントル

    愛媛大学らが従来学説を覆す発見 マントル深部の超高圧下に安定な水酸化鉄
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    El_Fire 2017/07/12