東京大学大学院理学系研究科の入江直樹准教授が率いる国際共同研究グループは、脊椎動物の基本構造が5億年以上変わらない理由の一端を解明した。 今回、同グループは、この謎を解くため、8種の脊索動物を対象に胚発生過程の初期から後期に渡る遺伝子の転写産物情報を、超並列シーケンサーによって大規模に取得し、コンピュータを用いたデータ解析を行った。 その結果、従来考えられていた予想に反して、器官形成期にはたらいている遺伝子は他の発生段階でも使い回されている遺伝子群が多数を占めることが明らかになった。また、使い回し遺伝子の比率が高い発生期ほど進化的に多様性に乏しくなること、使い回しの頻度が多い遺伝子ほど生存に必須であることなどが明らかになった。これらの成果は、2017年9月26日付で英国科学雑誌Nature Ecology & Evolutionにてオンライン公開された。 論文情報:【Nature Ecol