中東の窓 : ノーベル平和賞の受賞
ノーベル平和賞の受賞 2018年10月05日 22:11 イラク人権 ノーベル賞大好き国民の日本ですから、当然既に大々的に報じられていると思いますが、今年の平和賞は，性暴力被害者の治療と救済に取り組むコンゴの医師と、イラク北部のヤズディ教徒で自らも性暴力の犠牲者で犠牲者たちの救済を求めて活動している社会活動家の若い女性に決まったとのことです。 理由が理由ですから、非常に深刻で重い現代社会の病に対して勇気をもって立ち向かっている人たちの話ですが、確かにアフリカと中東の内戦、国際紛争、テロ問題に関係した話ではありますが、つい20年くらい前だったかには、旧ユーゴスラビアでセルビア民兵による、イスラム教徒に対する大量虐殺と女性の組織的な監禁レイプが行われたことは周知のことで、矢張り一部の世界の話ではなく、こういう野蛮な話は現代国際社会の病根の一つなのでしょう。 ヤズディ教徒の女性の話は、アラビア語
中東の窓 : Saudi反政権ジャーナリストの消失事件（イスタンブール）
Saudi反政権ジャーナリストの消失事件（イスタンブール） 2018年10月04日 17:28 サウジアラビアトルコ サウディとトルコはムスリム同胞団やカタール問題等に関連し、鋭く対立してきましたが、今度はイスタンブールにおけるサウディの著名な反体制ジャーナリストの失踪事件で、事実関係からして、正面から対立しているとのことです。 これを報じるアラビア語メディアは、サウディ・トルコ間に新たな対立の火種とコメントしています。 事件については、al qods al arabi net 、al jazeera net ,hurryiet net などが報じています（流石に？サウディ系のal arabiya net 等は報じていないと思います）が、彼はイスタンブールに滞在していた模様ですが、結婚のための書類をとりに、２日サウディの総領事館に入ったところで、消息が消え、トルコ大統領府報道官は３日夕、彼
中東の窓 : サウディ・ジャーナリストの消息
サウディ・ジャーナリストの消息 2018年10月05日 11:12 トルコサウジアラビア イスタンブールで、サウディの有名な反体制ジャーナリストが、サウディ総領事館を訪問した後、行くへが判らなくなっている事件については、昨日報告しましたが、その後も事件は尾を引いていて、両国間の外交問題になっているとのことです。 al qods al arabi net やhuryiet net は、この事件に関し双方が、相手の大使を呼び出して、説明を求めるとともに、外交慣例に反するとして非難していると報じています。 トルコ外務省は３日午後、サウディ大使を召還し、外務副大臣より、事情の説明を求め、サウディ公館は外交関係に関するウィーン条約に従って行動すべし（イスタンブールの総領事館の問題なので、外交ではなく領事関係に関するウィーン条約が正しいと思うが、本質的には同じ）と申し入れた由。 他方サウディ外務省も４
中東の窓 : 著名女性の暗殺及び暗殺脅迫（イラク）
著名女性の暗殺及び暗殺脅迫（イラク） 2018年10月04日 20:56 イラクテロ このところアラビア語メディアに時々、イラクの著名女性の暗殺やその脅迫の話が出ていたところ、al jazeera net は「イラクにおける有名女性の暗殺 背後に誰がいるのか？」という刺激的なタイトルの記事を載せています。 記事の内容はこれまで４名の有名女性が暗殺され、当局は自殺とか、家族内での争いとかの説明をしているが、人権活動家等はそのような説明には納得していないこと、これら暗殺及び暗殺の脅迫で、イラクでは女性の間で恐怖が広がっていて、自分のネットを閉鎖する者が続出していること等を報じています。 ところが肝心の「背後に誰がいるのか？」という問いに対する答えはないものの、専門家はこれらの犯罪は、専門のプロによる犯行で、後に証拠や糸口を残さないように巧みに行われているとしているだけで、どのような容疑者（組
中東の窓 : バスラの飲料水の汚染問題（イラク）
バスラの飲料水の汚染問題（イラク） 2018年10月05日 16:59 イラク保健・衛生 バスラでは水、電気等インフラの欠如や政府の対応に対する不満から連日民衆の抗議があったことは随分前にお伝えしましたが、水問題では、供給量が乏しいことに加え、そもそも飲料水が汚染されていることも問題とされていたかと思います。 このバスラの水汚染問題について、al arabiya net は、問題が遂にバスラで開かれるサッカー試合を他へ移す問題にもなったと報じています。 （何処か北京オリンピックの時の、北京の空気汚染でマラソンの開催が危ぶまれたことを想起させます） 記事によると、アジアサッカー連盟がバスラの水汚染に危機感を抱いて、今月同市で開催されることになっているイラク空軍チーム対ウズベキスタンのチームの試合について、開催場所の再興を要求しているとのことです。 アジアサッカー連盟は、バスラで行われたフセイ
中東の窓 : イラク政局
イラク政局 2018年09月04日 10:42 イラククルド イラク議会は４日、総選挙後初の会合を開きましたが、案の定?初日から躓いた模様です。 アラビア語メディアによると、依然として２のグループが最大グループであると主張していて、これを反映してか、議長には６名のスンニ派議員が立候補していて（確か、イラクでは大統領がクルド、議長がスンニ派、首相がシーア派とされているはず）、明確に過半数を取れそうな候補者がいないために、仮議長（最年長の議員）が、関係者にさらなる協議（駆け引き？）の時間を与えるために、審議を差し止め、６日に再開することとしたとのことです。 なお、最大グループ（会派）の樹立に関しては、サドルーアバディ連合が１８０名の議員を集めたとしているのに対して、マリキー等のグループは１５０名の議員を集めたとしている由 また多数派工作の鍵を握るクルド諸勢力は、これまでのところ公的に立場を明ら
中東の窓 : イラク政局
イラク政局 2018年09月03日 17:39 イラク中東関連 イラクでは本３日に、議会が開催され、議会議長、大統領を選ぶほかに、最中な問題ですが、議会で過半数を占める政党連合から首相を選ぶことになっています。 確か５月の選挙から（その後の紆余曲折があまりんに長かったので、選挙のあった日など忘れてしまった！）ようやくここまで来たわけで、アラビア語メディアはその前日（すなわち２日）にサドル師のグループとアバディ首相のグループが、その他多数の党派を集めて、議会で最大のグループを結成したと発表したとのことです。 彼らの発表したところによると、このグループ（日本流にいえば、会派、と言うことになるのでしょうか？）は１７７名の議員を含んでいるとのことで、そうであれば、全議員３２９名の過半数以上を押さえているので、このままで行けば新しい内閣の誕生が確実となってきました。 ところが、ここはイラクで、物事は
中東の窓 : バスラ騒擾
バスラ騒擾 2018年09月02日 20:06 イラク バスラでは群衆が地方議会や県庁を取り囲み、火炎瓶を投げつける等の騒ぎになっていることは昨日報告しましたが、al arabiya net はバスラでの状況はさらに悪化し、治安部隊が抗議運動に対して実弾を発砲するまでに達したと報じています。 記事はさらに、軍およびＳＷＡＴ（警察の即応部隊か？）は催涙ガスを直接群衆めがけて発射していて、そのため負傷者が出ているとしています。 またＳＷＡＴ部隊は病院を回り、デモの負傷者を逮捕している由 （負傷者の数や、特に重症者の数等は不明だが）現地の病院では、医薬品等が不足し、また医療スタッフも大幅に不足している由。 また観測筋によると、現地の部族代表はバスラの作戦本部に書簡を送り、治安部隊がこのような行動を続ければ、部族としては武器を取らざるを得ないと警告した由 既に一部の地域では群衆が武器を手にしていて
中東の窓 : サウディとＵＡＥのオマ-ンに対する圧力
サウディとＵＡＥのオマ-ンに対する圧力 2018年09月02日 11:58 サウジアラビアオマン al qods al arabi net は、米Stratfor（アラビア文字から）が、サウディとＵＡＥがオマーンに対して、対イラン、カタール政策等を変更し、彼らの主導に従うように圧力をかけていると報じています。 このStratforと言うのが中東に関して、どの程度情報があるのか知りませんが、オマーンの湾岸における若干特異な立場に鑑みれば、十分あり得る話ですので、記事の要点のみ次の通り。 米ネットは、オマーンが湾岸諸国の争いで中立の立場を取り、イランとも関係を維持していることに対し、トランプの対イラン制裁もあり、サウディとＵＡＥがオマーンの立場を変えるように、圧力を加えていると報じている。特にオマーンは、ＧＣＣ湾岸協力評議会を湾岸連合に変えるとのサウディ等の立場に反対したことで、高い代償を払っ
中東の窓 : レバノンＰＫＯの任期延長
レバノンＰＫＯの任期延長 2018年08月31日 17:25 イスラエルヒズボッラ al qods al arabi net とY net news は、国連安保理が３０日，全会一致で、ＵＮＩＦＩＬ（レバノン南部のイスラエルとの国境に展開するＰＫＯ）の任期を１年間延長することを決定したと報じています。 この日本では半ば忘れられているＰＫＯは、もともとは１９７８年おイスラエルのレバノン侵攻の後設置され、その後２００６年の南部レバノン紛争の後、マンデートを拡大され、現在は１００００の兵員で両国の国境地帯に展開しています。 記事によると、安保理はこの決議案の中で、レバノンとイスラエル間の停戦合意が破られれば、誰も望まない紛争が生じる可能性があると警告するとともに、（ヒズボッラーの名前を明示することなしに）レバノン政府及びＵＮＩＦＩＬの認める以外の武器の流入を防ぐために、総ての国際社会が協力するよ
中東の窓 : 帰還のための行進（ガザ）
帰還のための行進（ガザ） 2018年09月01日 10:06 イスラエルパレスチナ al qods al arabi net とal jazeera net は、３１日ガザでの（恒例の、と言う表現は悪いが金曜日の）帰還のための行進で、イスラエルとの境界付近で、イスラエル兵の銃撃、催涙ガスで２４０名が負傷した（ガザの保健省による。うち２名が重体の由） どうやら多くの参加者が未成年の模様 参加者は数千名とのことだが、かってのように焼夷たこや風船は飛ばされなかった由。 http://www.alquds.co.uk/?p=1006565 http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/8/31/استمرار-مسيرات-العودة-وكسر-الحصار-شرقي-غزة これで帰還のための行進は２３回目に当たるとのことですが、それにしても毎週多数の若者
中東の窓 : 西部山地における過激派との戦い（チュニジア）
西部山地における過激派との戦い（チュニジア） 2018年09月01日 20:21 チュニジアテロ これまでもチュニジアのアルジェリアとの国境に近い山岳地帯は、ＩＳやアルカイダの過激派グループの格好の隠れ家で、治安部隊と断続的に衝突が起きていましたが、al arabiya net は、この数日間sid buzid 県とqasrin 県の間のal mughila山地で、チュニジ陸空軍が警察と居力して、過激派の掃討作戦を行ってきたところ、３１日空爆で、要塞化された拠点を破壊し、多数のテロロストを殺傷したと報じています。 殺傷された過激派の数や彼らの所属先は不明 掃討作戦は現在も継続中の由 https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/09/01/تونس-الجيش-يقتل-إرهابيين-ويصيب-آخرين.html と言うことで詳細は不
中東の窓 : イランの弾道ミサイルのイラクへの配置
イランの弾道ミサイルのイラクへの配置 2018年08月31日 21:15 イランイラク haaretz netは、イランがイラクのシーア派民兵に対して、短距離弾道ミサイルを供与し、またこれらの地域でミサイルの製造もしようとしていると報じています。 これは３つのイラン・ソース、２のイラク・ソース、２つの西側ソースによる情報（またえらく具体的な数ですが！！）とのことで、イランのハイレベルによると、これはイランが攻撃された場合に備えての、バックアップ政策の由で、配置されたミサイルはzalzal,fatehー110、zalfaqarミサイルで、これまでの所数十発程度が配置された由。 これらのミサイルの射程はサウディのリヤド（首都）及びイスラエルのテルアビブを含んでいる由。 革命防衛隊の高級幹部は、イランはミサイルを配置できる地域を他にも有していて、米国がイランを攻撃すれば、米国の利権及びその友好国
中東の窓 : サウディに対する弾道ミサイルの脅威
サウディに対する弾道ミサイルの脅威 2018年08月24日 10:29 イエメンサウジアラビア これまでも、イエメンに対するサウディ等の介入は、それらの国、特にサウディにとっては「いつまで続くぬかるみぞ」と言う状況を作り出したと書きましたが、本日のal arabiya net はサウディに対する弾道ミサイルの脅威が続いていることを報じています。 ・一つは例によってサウディ向けの弾道ミサイルの発射で、アラブ連合軍報道官は２３日、イエメンからジャザーン向けに発射された弾道ミサイルをサウディ防空軍が捕捉撃墜したと発表した由。 （確か、この調子では先週から今週に入り、ほぼ連日弾道ミサイルがサウディ向けに発射されているわけで・・・まさか巡礼月のお祝いでもあるまいに！・・・サウディ紙も巡礼者が集まってから、hothy軍は４発のミサイルを、サウディの町に対して発射したと報じている・・・まさしくhothy
中東の窓 : チェチェンでのＩＳのテロ
チェチェンでのＩＳのテロ 2018年08月22日 10:31 ロシアＩＳ かってロシア内の自治共和国チェチェンは独立を求めてロシアとの間で長いこと戦闘が続き、その後もチェチェン発のテロが後を絶ちませんでしたが、最近はプーチンとその意を受けたチェチェン大統領カディロフの強圧的な政策が成功したこともあって、最近は少なくとも報道ではチェチェンのテロ問題はほとんど報じられていません。 しかるに、al qods al arabi net は、２０日チェチェンで一連のテロ事件（ロシアのメディアによれば３件）があり、複数の治安要員が負傷したと報じています。 カディロフ大統領によればシャーリー市で２名負傷、グローズヌイで１名負傷したとのことですが、グローズヌイと言えばチェチェンの首都です！！ また同大統領によれば、彼らはＩＳの影響下にあるテロリストで、中立化（殺された？）されたが、１名は自爆しようとして失
中東の窓 : 米の対トルコ制裁問題（独のトルコ擁護）
米の対トルコ制裁問題（独のトルコ擁護） 2018年08月14日 10:28 トルコドイツ このところトランプと独メルケル首相の確執が目立ちますが（尤も、トランプと仲の悪いのは欧州全般でしょうか）、al jazeera net は、メルケル首相が１３日記者会見での質問に対し、ドイツとしてはトルコの繁栄を願っており、トルコの動揺を利益とする者は誰もいないと語ったと報じています。 また独経済相も、トランプの政策による経済戦争に対して懸念を表明し、米のトルコと中国に対しする鉄鋼等に対する関税増は、世界経済を害し、経済成長を阻害し、信頼を損なうことになると批判した由 一方で、トルコリラは対ドルで１ドル７リラに達した由 他方トルコ中央銀行は、トルコの銀行で流動性の問題を抱えるところについては、必要な支援を行うと表明した由。 http://www.aljazeera.net/news/internati
中東の窓 : イラン・イラク関係（米の制裁対応）
イラン・イラク関係（米の制裁対応） 2018年08月14日 09:16 イランイラク イラクが米の対イラン制裁は支持しないとしつつも、その制裁は守ると表明したことに対して、イランが反発し、予定されていたアバディ首相の訪問が中止されたことは、確か昨日報告したかと思いますが、al qods al arabi net とal arabiya net は、首相が早くも軌道修正を表明したと報じています。 但し、al arabiya net は、アバディ首相が13日、イラクはドル決済に関する米制裁は守るが、その他の通商関係に関する制裁を守るということではないと説明したと報じていて、先の首相の説明とは矛盾しているとコメントしています。 それに対して、al qods al arabi net は、同じことを報じながら、同首相がイラクとして、イランからの輸入に関しては未だ決定をしておらず、イランに対して、ド
中東の窓 : 歴史的劇場の火災（カイロ）
歴史的劇場の火災（カイロ） 2018年08月09日 09:25 エジプト al qods al arabi net は、８日カイロの中心街の大規模火災で、歴史的な劇場リボリの２階が焼け落ちたと報じています。 この劇場は２００年前に造られたものとのことで（もっとも建物はその後立て直されているのではないか？）、エジプトのオムカルスームと言う日本の美空ひばりのような、大人気歌手のコンサートにはナセル大統領や副大統領も聞きに行った場所とのことです。 時節柄、カイロの大火災と言うとテロを連想させますが、これは最近数週間の間に生じた病院、工場等一連の大きな火災の一部とのことで、おそらくは異常な暑さも一因ではないかと思われる由 いずれにしても現在火災原因について調査中の由 http://www.alquds.co.uk/?p=990855
中東の窓 : イランの抗議活動
イランの抗議活動 2018年08月06日 08:52 イラン中東関連 イランの抗議活動が地理的に拡大し、その要求も政治的要求が増えている模様であることは昨日報告しましたが、al arabiya net は、キャラジで３日夕、抗議者が一人治安部隊の発砲で死亡したと報じています。 （尤も、ファルス通信は、この抗議者は発砲元不明の銃弾で死亡したと伝えている由。ただし、記事は治安部隊が発砲したと報じていて、治安部隊の手による可能性が強そうです） また政府は、このキャラジを含めて複数の町で、18:00からの夜間外出禁止令を公布した由。 テヘランでも複数個所で抗議が行われたが、治安当局が多数の警官を配備した為に、警官の数の方が抗議者たちよりも多かった由。 また、テヘランでは女性が抗議の主導的役割を果たしはじめている由。 https://www.alarabiya.net/ar/iran/2018/08
中東の窓 : バスラの抗議活動の再開（イラク）
バスラの抗議活動の再開（イラク） 2018年08月05日 20:50 イラクイラン 先ほどはイランの抗議活動が、宗教都市コムにも広がり、また体制批判の様相を呈してきたことを報告しましたが、イラクでもバスラから始まり、南部や中部に広がった抗議活動が、バスラで再度活発化した模様です。 これはal qods al arab net とal arabiyanet が報じるところですが、バスラでは再び県庁の前に多数の抗議者が集まり、治安部隊と睨みあっている模様です。 彼らの指導者は、これまでの政府の約束は遅々として実行されていないとして、政府、政党に対する不信感を訴えている由。 また、彼らとしては、このような状況が続けば、主要道路や橋を切断する等の強硬手段に出るしかないと話してもいる由。 http://www.alquds.co.uk/?p=988233 https://www.alarabiya.
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く
