「年功序列廃止は管理職だけでなく一般社員にも拡大するはず。他の産業にも同じ流れが波及し、終身雇用制度が終わる契機となる。日立の経営陣や人事部がそこまで意図しているのかは不明だが、パンドラの箱を開けてしまったのは間違いないでしょう」 人事コンサルタントの城繁幸氏は、日立製作所が9月26日に発表した、年功序列を廃止した管理職向け賃金体系の導入について、このような感想を述べた。 現在は相談役となっている川村隆氏が2009年以降に進めた経営改革の中で、日立は2011年6月に「グローバル人財マネジメント戦略」を策定。同戦略の一環で2012年度に国内外の日立グループ社員約25万人分の人事情報をデータベース化。2013年度には、国内外の管理職約5万ポジション分の役割の大きさをグローバル共通の尺度で格付けするなどの施策を着々と進めてきた。 年功序列廃止の賃金体系の導入は、これまで構築してきたこれらのツール