IT業界において個人事業主や小規模企業向けビジネスは、マーケットサイズは大きいものの、成功が難しいといわれている。予算が潤沢でないこと、専任のIT担当者が不在で製品アピールが難しいことなどがその要因となっている。そのため、中小企業向けビジネスを行なっていた企業が、より規模の大きな企業向けビジネスに注力し、ビジネスの主軸をシフトする例も少なくない。 しかし、2008年4月1日付けで弥生の新社長に就任した岡本浩一郎氏は社長就任会見で、「我々のミッションは、中小企業・個人事業主および起業家の事業立ち上げと発展を支えるインフラであり続けること」と宣言。中小企業市場に対するこだわりを見せた。 市場開拓が難しいとされる中小企業向けビジネスに意欲を見せるのには理由がある。「日本の企業数は確かに減っている。また、これまで業務ソフトが売られていた量販店のソフト売り場は減少傾向にある。しかし、起業した事業所の